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ウェッジのシャフトはスチール?カーボン?重さや硬さから見る正しい選び方
ウェッジの購入を考えた時、ロフト角やバウンス角にこだわりを持って、2本ないし3本選ぶ人は多いですが、シャフトも同様にしっかり検討していますでしょうか。
ドライバーがシャフトを入れ替えることで弾道が変わるのと同じように、ウェッジも、自分に合ったシャフトのものを使用することで、アプローチが良くなる可能性があります。
今回は、ウェッジのシャフト選びに重要な「素材」「重さ」「硬さ」の3つの観点から、自分に最適なものの選び方についてご紹介します。
ぜひ、参考にしてください。
目次
最適なウェッジシャフトはアプローチの安定につながる
ゴルフクラブのシャフトは、振りやすさ、打ちやすさに影響を与えます。
それは、フルショットをするドライバーでも、フルショットからコントロールショットを打ち分けるウェッジでも、同じです。
自分に合ったウェッジシャフトを使うことは、アプローチの距離感や方向性を良くすることにつながります。
アプローチが良くなれば、例えばパー4の2打目やパー5の3打目でグリーンを外してしまっても、ウェッジで寄せて1パットでパーを取りやすくなります。
ウェッジは、それらのグリーン周りのアプローチはもちろん、深いラフやバンカーにボールが入ってしまった時などでも活躍します。
振りにくい、打ちにくいウェッジを持っていてアプローチやバンカーショットを打たなければならなくなった場合、そのウェッジでミスをするかもしれないという不安が、かえってミスを誘発するかもしれません。
打ちやすいウェッジを使うことでスコアもまとまりますし、アプローチに自信があるという安心感があれば、結果的に2打目や3打目が安定する良い集中力をもたらすことも期待できます。
ウェッジの種類は大きく3つ
ウェッジの種類には大きく以下の3つあります。
1.ピッチングウェッジ(PW)
アイアンセットとして組み込まれていることが多いウェッジで、距離により、フルショットでも多用します。
グリーン周りでは主に転がして寄せるランニングアプローチで使用するのが主流です。
ウェッジの中でロフト角は一番少なく、44〜47度が一般的。
他のウェッジを揃える場合、ピッチングウェッジのロフト角が目安となります。
2.アプローチウェッジ(AW)
ピッチングウェッジとサンドウェッジの間を埋める役割を持つアプローチウェッジです。メーカーによってはピッチングサンド(PS)、ギャップウェッジ(GW)などと呼ばれることもあります。
グリーン周りのアプローチでは、ボールが適度に上がって適度に転がるため、ピッチエンドランだけでなくランニングアプローチにも使われます。
ロフト角は50度〜54度が一般的な角度ですので、役割から、ピッチングウェッジとサンドウェッジの間の角度を選ぶと、バランスが取りやすいです。
3.サンドウェッジ(SW)
サンドウェッジは、キャディバッグの中で一番ロフト角が大きいクラブになるのが一般的で、54度〜58度が目安です。
名前の通り、バンカーに入った時に使用されることが多いですが、ロフト角が大きいためボールが上がりやすく、ピッチショットと呼ばれる、球を高く上げてランをあまり出したくないグリーン周りのアプローチでよく使用されます。
単品で販売されているウェッジは、アプローチウェッジやサンドウェッジという名前ではなく、「52度」や「56度」といった数字で表記されていることが多いので、ロフト角を見て購入するウェッジを決めていきましょう。
上記以外にも、ロフト角が60度から64度くらいあり、サンドウェッジよりもよりボールを高く上げてスピンをかけやすいロブウェッジ(LW)と呼ばれるウェッジもあります。
アイアンセットと違う銘柄のウェッジを使うことが定番化
従来は、ウェッジはアイアンセットの中にセットとして組み込まれ、販売されていました。しかし現在では、セットのウェッジは使わず、違う銘柄のウェッジを別で購入して使用するクラブセッティングが定番になってきました。
アイアンセットに組み込まれているウェッジは、アイアンとの流れに統一された顔やデザイン、ロフト角、重量配分のものであるため、アイアンの延長線上として使用するにはとてもやさしいクラブです。
しかし、単品で販売されているウェッジのほうが、自分の欲しい、細かい性能が手に入ることから、違う銘柄のウェッジでクラブセッティングを考える人が増えました。
そのため、現在アイアンセットとして販売されているほとんどのクラブには、ピッチングウェッジまでしか入っていない場合が多いのです。
ゴルフの基本的な動きを覚えるまでの間はアイアンセットに入っているウェッジを使用し、「この機能が欲しい」「もっとアプローチを寄せたい」という想いが出てきた時が、単品ウェッジの購入のタイミングと言えるかもしれません。
アイアンとウェッジのシャフトの変遷
かつてはセットとして売られていたアイアンとウェッジですが、それぞれのシャフトは、近年、人気の方向が変わってきています。
男性に比べて比較的力の弱い女性の場合は、以前からアイアンはカーボンシャフトを使用しているという人が多かったのですが、最近は一般男性でも、カーボンシャフトの使用をし始める人が増えています。
カーボンシャフトは炭素繊維でできているため、強度としなやかさを同時に兼ね備えており、インパクトの衝撃が和らぐため、手首や肘の負担が小さくケガ防止にも効果的。
反発力もあるため、飛距離が出やすくボールが上がりやすいことも人気で、「力があるからスチールシャフト、非力だからカーボンシャフト」という線引きもあいまいになってきています。
一方ウェッジのシャフトは、昔からのウェッジ=スチールシャフトという公式が未だ続いている傾向で、重く硬いスチールシャフトが人気です。
このような変遷の違いもあり、単品ウェッジを購入する人の中には、アイアンセットをカーボンシャフトのものに変えたけれど、ウェッジはスチールシャフトを使いたいという人も少なくありません。
ウェッジシャフト3つの選び方
ご紹介したように、ウェッジのシャフトはスチールシャフトが人気です。
けれど、ウェッジシャフトは素材だけでは決まりません。
ウェッジシャフトの選び方で見るポイントは、先にご紹介した素材を含めて、3つです。
・素材
・重量
・硬さ
これらが、ウェッジの振りやすさや打ちやすさを左右します。
それぞれ、どんなものを選べば良いのか、特徴を含めて見ていきましょう。
1.素材
ウェッジのシャフトには、「スチールシャフト」と「カーボンシャフト」の2つの種類があります。
前述しましたが、ウェッジのシャフトと言えば、スチールシャフトが人気です。
しかし、スチールシャフトとカーボンシャフト、それぞれには違いがあります。
スチールシャフトは、鉄で作られているため、強い負荷がかかっても変形しにくいという特徴があり、強くスイングしても暴れにくく、芯を外しても曲がりにくいことがメリットです。
より安定性や正確性を求める人は、スチールシャフトを選ぶ傾向にあります。
カーボンシャフトは、繊維状のカーボンを編み込むようにシート状にし、それを巻くようにシャフトにしており、カーボンの種類や巻き方を変えることで、様々な特性を作り出すことができますので、設計自由度が高いことが特徴です。
一般的には、スチールシャフトよりもカーボンシャフトのほうがスイング中にしなりを感じやすく、ゆったりとした切り返しができます。
以前は、カーボンシャフトは飛距離は出るが距離がバラつくなどと言われていましたが、最近のカーボンシャフトの性能は高く、打ち損じない限りはシャフトによって距離がバラつくということはほとんどなくなりました。
実際に振り心地を確かめながら、扱いやすいと思うほうを選ぶと良いでしょう。
2.重量
重量も非常に重要で、選ぶ時に外してはいけないポイントです。
ウェッジはフルショットでも使用しますが、多くはアプローチなどのコントロールショットで使用する場面が多く、そこでは飛距離よりも、スイングを安定させ、狙った距離を打つことが求められます。
スイングを安定させるための一番の方法が、アイアンと同じシャフトか、少し重いシャフトを選ぶということです。
アイアンよりも軽いシャフトではスイング軌道がずれてしまい、ダフリやトップのミスが出やすくなります。
だからと言って、アイアンよりも重過ぎるシャフトでも、それらのミスが出てしまう可能性がありますので、重量を考える時は、アイアンからの流れを抑えていきましょう。
まず、使用しているアイアンのシャフトがカーボンであれば、ウェッジはカーボンシャフトが基本です。どうしてもスチールシャフトが良い場合は、軽量化されているスチールシャフトから選びましょう。
アイアンでスチールシャフトを使用している場合は、同じ重さのスチールシャフトか、少し重いものを選ぶことで、安定したアプローチを打ちやすくなります。
3.硬さ
3つ目のポイントは、硬さです。
ウェッジのシャフトは、アイアンのシャフトに対して、同じか少し柔らかめのシャフトが良いでしょう。
ウェッジは、フルショットをすることが非常に少なく、多くはコントロールショットで使用するゴルフクラブです。
そのため、フルショットに比べてスイング自体が小さく、ヘッドスピードも落ちるため、そのヘッドスピードに合ったシャフトの選択が必要になります。
ドライバーの平均ヘッドスピードが40メートル/秒のゴルファーでも、ウェッジでのアプローチではそれだけのヘッドスピードは出しませんよね。
そのため、ウェッジのシャフトは、アイアンと同じか、少し柔らかめであれば、ヘッドを感じて安定したリズムを作りやすく、アプローチがしやすいです。
少し柔らかめのシャフトを使用する場合は、アイアンと同じシャフトをワンフレックス落とすか、シャフトの種類が違っても、ワンフレックス分柔らかいものを選ぶと良いでしょう。
アイアンよりも硬いシャフトのウェッジを使ってしまうと、ボールはスピンもかからず、勢い良く飛んでいってしまい、思っていた距離よりも遠くに行ってしまうミスになりかねません。
ヘッドが気に入っていればリシャフトという手段も検討を
ウェッジのシャフトの選び方について、ポイントをご紹介しました。
自分に合うシャフトの刺さったウェッジを選ぶことが基本となりますが、もし、現在使っているヘッドに安心感があったり、気に入っていたりする場合、ウェッジ用のシャフトを別で購入し、シャフトだけを交換する、「リシャフト」という手段も検討に入れてみると良いでしょう。
ボールに対して構えた時に目に入るものはやはりヘッドですので、アドレスを取って違和感が出るものでは、安定したアプローチは打てません。
ウェッジのヘッドだけでも、ロフト角やバウンス角など、自分に合ったものがあるはずです。
そこに、より狙いに合ったシャフトを組み合わせれば、自分だけの、オリジナルウェッジが出来上がります。
自分でリシャフトを行う人もいますが、基本的にはショップで工賃を支払って組んでもらいましょう。
ウェッジのヘッドは鉄の塊ですので、自分でリシャフトを行ったクラブを使用して強度が弱かった場合、他人にケガをさせてしまう恐れがあります。
工賃はショップによりますが、1本2000円〜4000円程度です。
最適なウェッジシャフトを使用してスコアメイクに役立てよう
ウェッジでのアプローチが上手くいかないなと思っている人は、もしかすると、シャフトが合っていない可能性があります。
スコアメイクはアプローチが要です。そのアプローチに使用するウェッジは、自分に合ったシャフトを使うことで、安定したショットができるようになります。
ウェッジのシャフトはスチールシャフトの人気が高いですが、使用しているアイアンに合わせて、カーボンシャフトのほうが使いやすい場合もあります。
素材の他にも、重量や硬さがシャフト選びのポイントになりますので、振りやすさ、打ちやすさを重視して、扱いやすいウェッジのシャフトを選んでください。
自分に合った最適なウェッジのシャフトをウェッジに装着して、スコアアップを目指してください。