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https://www.youtube.com/watch?v=82KFFuCEjpI

ゴルフスイング

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パットイズマネー!~鈴木愛プロのパッティングを解析!

パッティングを様々な視点から考察するシリーズ。

今回は、“鈴木愛プロのパッティング解析”編です。

参考にしたビデオは、鈴木愛プロが2018年LPGA(米国)ツアーのANAインスピレーションに参戦した時の練習の模様です。

正確なパッティングを武器に快進撃を続ける鈴木愛プロ。

2018年シーズン途中ですが、賞金ランクと非常に関係の深い平均バーディ数は1ラウンドあたり4バーディを超えてダントツの1位です。

過去のLPGAスタッツ記録を見ても、4以上を記録したプロはいません。

これを維持したままシーズンを終了すれば、新記録になります。

【ポイント①】上体と腕の間に棒を挟み、~2.5メートルの距離を繰り返し練習する

ビデオでは、上体と上腕の間に棒を挟み、~2.5メートルの距離を繰り返し練習しています。

このような棒を使うと、上体と腕の一体感が出て、中心軸の回転をイメージしやすくなります。

鈴木愛プロは、センターシャフトのマレット型とピン型のパター二刀流で知られていますが、パッティング練習ではセンターシャフトのパターを使っているようです。

ピン型パターは、“インサイドイン”のヘッド軌道でストロークしたいという人に、そしてマレット型のパターは、真っ直ぐ引いて真っ直ぐストロークしたいという人に向いていると言われています。

鈴木愛プロのストロークはどうなっているのか、考察してみます。

【ポイント②】ストロークで上体の中心軸が傾き、テイクバックよりフォロースルーの振り幅の方が長く、ヘッドは高く伸びる

グリップは「逆オーバーラッピング」で、親指と人差し指でできるV溝は、ほぼ左肩を指しています。

ドライバーやアイアンのアドレスでは、通常、この溝は右肩を指す人が多いと思いますが、インパクトではハンドファースト、ハンドアップ気味になって、左肩を指す場合がほとんどではないかと思います。

注目すべきは、ストロークでボールの打ち出し方向とは逆方向に上体の中心軸が傾き、インパクト後のフォロースルーでヘッドが長く高く伸びています。

このような動きはスイングに見られるパターンによく似ているような気がします。

フォロースルーの振り幅は、テイクバックの振り幅の2倍ほどあります。

ビデオからパッティング時間をストップウォッチで測ってみると、テイクバックのテンポが約0.6秒、ストロークのテンポが約0.9秒で、合計約1.5秒程度です。

このテンポは、普通のスイングのテンポに近いのではないかと思います。

【ポイント③】上体(の中心軸)を捻転させて、インサイド・ストレートのヘッド軌道を生み出す

アドレスのリスト角は~170度と大きく、グリップのV溝が左肩を指していることを考え合わせると、スイングのインパクトに近い形でパターをアライメントしていると考えられます。

前傾角度は~35度、ボールは目線の真下ではなく~6度ほど斜めから見ています。

肩(上体の中心軸と考えて良い)はアドレスの位置に対して、テイクバックで~25度、フォロースルーで~75度ほど回転しています。

足腰はほとんど動かず、アドレスの前傾角度を保ったままストロークしています。

ポイント②で示した上体の中心軸がストロークで傾いていることと合わせて、このような体の動きを実際に真似してやってみると、テイクバックはインサイドに引き、フォロースルーはストレートに近い軌道になることがわかります。

つまり、鈴木愛プロのヘッド軌道は、インサイドインではなく、また真っ直ぐ引いて真っ直ぐストロークするタイプでもなく、インサイドに引いて真っ直ぐに押し出すストロークに近いと推察されます。

以上をまとめると、鈴木愛プロのパッティングはスイングのインパクト前後の一部を切り取ったようなストロークになっている、と言い換えることができるかもしれません。

従って、このようなパッティングをするには、精度の良いショットを生み出すスイングができていることが前提になるかもしれません。

「パターに型なし」とは言いますが、1ラウンド平均4バーディも量産する鈴木愛プロのパッティングですから、参考になるところは取り入れてみてはいかがでしょうか。