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ゴルフクラブ

コーチャン

ライ角とクラブの長さを調節してミスショットを減らす!

今使っているゴルフクラブの長さやライ角は、きちんとご自身の体格に合っていますか?

身長や体格に合わせてクラブの長さやライ角を調節すれば、それだけ自身にとって打ちやすいクラブとなり、おのずとミスショットが減ります。

とくに長さに関しては、買った後に調整するのは困難なので、購入時にチェックすることが重要です。

長さやライ角が合っているクラブを使うことは、正しいスイングを身に付けるためにも重要なポイントになります。

そこでここでは、特にアイアンに関する長さとライ角について説明します。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

自分の体格や身長に合ったクラブの長さを選ぶ

クラブの長さを決める際には、腕の長さや身長など、体格に応じた基準があるので参考にしましょう。

とはいえ市販のクラブは、ほとんど個人の身長差を考慮に入れずに、だいたい同じような長さになっています。

なので、よほどイレギュラーな身長でない限りは、クラブの長さは市販のままでいいでしょう。

もっと自分に合う長さのクラブを見つけたい、という方はクラブメーカーやショップが行っているクラブフィッティングを受けて、オーダーメイドすることになります。

たとえば、ピンゴルフジャパンでは、フィッティングによりクラブの長さを決めています(写真)。

まず、床から手首のシワまでの高さを測って、目安のクラブ長さを求めます。

その後、実際に球を打ってみて微調整し、その人にぴったりの長さを見つけていきます。

↓ピンゴルフジャパンのフィッティングの流れについてはこちら。

シャフトの長さは変えられる! カットも伸ばしもOK

ゴルフクラブのシャフトの長さは、最初にオーダーメイドで作るだけでなく、購入後に変更もできます。

シャフトをカットして短くすることはもちろん、シャフト伸ばしというメニューもあります。

ゴルフクラブの長さに不満を持っている方は、ぜひお近くのゴルフショップで相談してみてはいかがでしょうか。

カットしたり伸ばしたりするのはゴルフクラブのグリップ側がメインになりますので、シャフトの長さ変更に伴って、グリップ交換が必要になります。

グリップ交換のタイミングでついでにシャフト長さを考えてもいいですね。

シャフトカットやシャフト伸ばしの値段は?

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シャフトカットやシャフト伸ばしは、ちゃんとバランスも考えて作業をしてくれます。気になる料金ですが、1本およそ500円から1000円くらいが相場になります。

そこにグリップ購入費用とグリップ交換作業工賃が加算されます。

ライ角とはそもそも何だろう? ライ角の基礎知識

「ライ角」ってそもそも何!? という方もいるでしょう。そのライ角についての基礎知識からまずお話をします。

ライ角とはソールを真っすぐにアドレスして、シャフト軸線上にラインを引きます。次に地面に水平にラインを引きます。

この地面とシャフトの角度こそがライ角です。

ぴったりとソールをさせた時のシャフトの角度、よく考えたらものすごく大切だと思いませんか?

だって身長がものすごく高い人ではグリップの位置が高くなるはずですし、身長の低い人ではグリップの位置が低くなります。するとシャフトの角度って、そこそこ変わってしまいますよね。

ライ角が適正でないと思い通りに飛ばない

これまでゴルフクラブのシャフトの長さについて見てきましたが、クラブの長さだけを変えても、ライ角も一緒に調節しないとミスショットの原因になります。

自分に合うクラブを使うという意味では、むしろ、長さよりもライ角のほうが重要かもしれません。

ライ角が合っていないクラブを使った場合、ボールはあさっての方向に飛んでしまうでしょう。ライ角が大き過ぎるのか、小さ過ぎるのか、ある程度ミスの傾向でチェックができます。

アップライト過ぎると(上図左)、トウ側が浮いてしまいフェース面は左方向を向いてしまうので、左に飛んでしまいます。

また、ライ角がフラット過ぎると(上図右)、ソールのヒール側が浮いた状態になり、フェース面はターゲットよりも右を向いてしまうので、ボールは右に飛んでしまいます。

さらに、アイアンがフラットな場合、この「右に飛んでいく」というのを嫌って無理やり左に飛ばそうとして引っ掛けるなど、スイングのエラーも発生します。

ライ角が適正であれば(上図真ん中)、ソールが地面に適切に接地し、ボールは気持ちよくターゲットに向かって飛んでいくというわけです。

ちなみにウッド系のクラブに関しては、ドライバーはティーアップして打つものですし、フェアウェイウッドやウッド型ユーティリティに関しては、ソールがラウンドして(丸まって)いるので、それほど神経質になる必要はありません。

ただし、ボールのつかまりに関しては、アップライトにしたほうがつかまりやすくなります。

身長別ライ角の目安とは?

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アイアンの場合、ライ角は構えた時にトウ側が2~3ミリ程度浮くくらいが目安と言われています。

なぜなら、クラブはスイング時に“トウダウン現象”という、シャフトがトウ側を下げるようにしなる現象が起こるからです。

トウダウン分を差し引くために、若干トウ側が浮くくらいでちょうどいいのですね。

ヘッドの素材が軟鉄製のものであれば、ライ角の調節がショップ内の工房や街のゴルフショップなどででできます。

国内メーカーのクラブのライ角は、5番アイアンで60~61度が主流です。

一般の男性で身長別には、170センチ以下の人は60度前後、175センチ前後で61度前後、180センチ以上の人では62度前後が目安です。

「ショットマーカー」などと呼ばれる感熱紙をソールに貼って実際にスイングすることで、そのアイアンのライ角が適切かどうかチェックできるので、確認してみてください。

クラブの長さを変えた時などにも、ライ角を自分に合わせて調節しておけば、アドレスしやすく正しいスイングも身に付きますよ。

身長別のライ角調整はどうすればいい?

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身長がどれくらいならどれくらいのライ角がいいんだろう? という疑問も出てきますが、まず通常のクラブが身長何センチの方を基準に作られているのかを知る必要がありますね。

正確なソースはありませんが、日本仕様のゴルフクラブは170センチを基準に作られているという噂。

ライ角調整をプラスマイナス1度を最大値として設定すると

~164 1.0度フラットに
165~169 0.5度フラットに
170~180 標準ライ角
180~185 0.5度アップライトに
185~  1.0度アップライトに

身長分布の中央値を見るとこれくらいが妥当なところでしょうか。もちろんライ角調整をすることで、弾道変化も表れることから、これがすべてではありません。

(ライ角の調整最大値や弾道の変化などについては後述します)

ライ角の調整ができるアイアンとできないアイアンがある

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ライ角の調整をしよう! と考えた時、ぜひチェックしてほしいポイントがあります。それはモノによって、ライ角の調整ができるアイアンとできないアイアンがあるからです。

そこでアイアンヘッドをくまなく見てほしいのですが、チェックするのは「FORGED」という刻印があるかどうか。

「FORGED(フォージド)」とは「鍛造」の意。この刻印の入ったフォージドアイアンと言われるアイアンは、軟鉄でできており素材の変形が容易な特徴があります。このフォージドのヘッドこそがライ角調整ができるアイアンです。

それ以外の硬い材質でできているアイアンでは、硬くてライ角の調整ができないんですね。

一応ステンレスのアイアンでも「やれないことはない……」と某ゴルフショップの店長に話を聞いたことがありますが、基本的にはライ角調整不可と思っておいたほうが良いでしょう。

ライ角の調整ができるアイアンは、原則フォージドアイアンのみになりますのでお間違えのないようにしてください。

ライ角調整って最大で何度までできるの?

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フォージドアイアンのライ角調整って何度までできるんだろう? という疑問をお持ちのゴルファーも多いでしょう。

ゴルフクラブって結局「鉄」なので、曲げようと思えばどこまでも曲げられるのですが、実用に耐えるライ角調整ともなると話は別です。

ライ角を曲げ過ぎればネック部分にシワのようなものが寄ってしまいますし(メッキがはがれることも)、強度も大きく低下してしまうでしょうしね。

そのためどれだけ曲げても最大で1.5度が限界だと思います。

というかできれば0.5度や1.0度までにとどめてください。メーカーもプラスマイナス1度まで、と公表されているところもありますからね。

もちろんゴルフショップやゴルフ工房さんによっては「もっといける!」というところもあるかもしれませんが、そこは行きつけのフィッターさんとよく相談するようにしてください。

ライ角調整の最大は、ノーマルの状態からプラスマイナス1度が限度! それ以上は自己責任で行いましょう。

ライ角調整の気になるお値段はどれくらい?

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アイアンのライ角調整となると、なかなかの大工事のような気分になってしまいますよね。だってクラブヘッドの形そのものを変えてしまうんですから。

そのため高額になるんじゃないか、とご心配される人も多いみたいですが、意外にも安くライ角の調整って可能なんです。

もちろんお店にもよりますが、500円前後が主流となってくるはずです。高くても1000円はいかないでしょう。

そのため5番アイアンからピッチングウェッジ、52度、58度、とすべてのアイアンをライ角調整をしようとすると、消費税込みで4000円から1万円くらいの間になるのではないでしょうか。

ライ角をアップライトにするとどうなる?

ライ角を調整するとボールの弾道にも影響を与えます。実はここがけっこう大切なポイントになったりしますので、必ず確認しておきましょう。

ライ角をアップライトにすると次のような効果が表れます。

・ボールがつかまって飛距離が伸びやすくなる
・ボールが左へ飛ぶ
・現状の球筋よりもフック回転がかかる

こうなります。

ラウンドで思い当たる現象では、つま先上がりの場所からのショットを思い浮かべていただくといいでしょう。

つま先上がりの場所からショットをすると、予想以上に左へ巻いていくボールが出てつかまったボールになることを実感している方も多いのではないでしょうか。

ライ角をアップライトにすればするほど、この効果が顕著に現れます。

ライ角をフラットにするとどうなる?

続いてライ角をフラットにしていくとどんな効果が出るのでしょうか。

・ボールのつかまりが悪くなって飛距離が落ちやすくなる
・ボールが右へ飛ぶ
・現状の球筋よりもスライス回転がかかる

アップライトと真逆の結果になります。

ラウンドで思い当たる現象ではつま先下がりのショット。当たりが薄くなったり、狙った場所よりも右へ出やすくなったりしますよね。

ボールも普段ドロー回転の方がストレート~フェードの球筋になることもあります。フラットにする角度が強ければ強いほど、この傾向が顕著に表れます。

中古アイアンを購入したらライ角を確認したほうが良い?

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ライ角の調整は比較的簡単に、しかも安くできることがわかりました。

そこで注意してもらいたいのが、中古でアイアンセットを購入する場合です。

ゴルフショップや工房へ持ち込めば比較的簡単に、誰でもライ角の調整はできてしまうものです。そのため中古ショップにならんでいるアイアンが、購入した時のライ角のままとは限りません。

前のオーナーが自分の使いやすいようにカスタムしている可能性が十分考えられるわけです。

そこでもし中古でフォージドアイアンを手に入れたのならば、ぜひクラブの計測をしてライ角の確認をしたほうが良いですね。

もちろんよほど無茶なライ角調整はしていないとは思いますが、自分は高身長なのに前のオーナーが低身長だったり、はたまた逆だったりは十分考えられるケースです。

自分のクラブってアップライト? フラット? 適正ライ角を確認する方法は?

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アップライトにしたりフラットにしたりしてライ角を調整するまではわかりましたね?

そこでもう1つ大切なポイントがあって、それは今自分の使っているアイアンはアップライトなのか、フラットなのか。それともちょうどいいのか。

それがなかなか自分じゃ理解できないんですよね。

というか普段からライ角を意識しているゴルファーの方はそこまで多くないんじゃないでしょうか。でも実は、自分のクラブのライ角が適正なのかどうなのか、見る方法があるんです。

ソールにつく跡でライ角がアップライトなのかフラットなのかがわかる!

ライ角がアップライトなのか、それともフラットなのかを見る手段として、ショットマーカーを使ってみてください。

ショットマーカーでもフェース面のみのタイプではなく、ソールが付いているタイプのものを使います。

これで少し硬めの場所からボールを打ってみると、ソールに跡が付くんですよね。

ソールのヒール側に跡が付いていれば、自分にとってはアップライト。

ソールのトウ側に跡が付いていれば、自分にとってはフラット。

という判断ができます。

ソールのちょうど真ん中に跡が付いていればライ角は適正となります。アナログな方法ですが一番手っ取り早く、しかも確実にライ角の適/不適がわかります。

ライ角調整しか手段がないの?握る位置を変えても同じ効果

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ライ角の調整について見てきましたが、実はライ角を調整しなくてもそれに近い効果が得られるものが、クラブを短く持つことなんです。

例えばクラブを少し短く持つと、シャフトの長さが短くなったのと同じ効果がありますよね。それだけでなく、グリップの高さを変えなければほんの少しフラットになるんです。

逆にクラブを少し長く持った場合には、シャフトが長くなり、ヘッドがアップライトになる効果があります。

クラブのバランスもほんの少し変わりますので、ライ角調整と効果が完全にイコールではありませんが、手軽にアップライト、フラットの疑似体験ができます。

ライ角調整はネック部分の角度を変えるものなので、なんとなく抵抗がある方もこれならすぐにでも試せますね。

正しい姿勢を作るために、正しく計測を!

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ライ角やシャフトの長さについていろいろと見てきましたがいかがでしたか。

ゴルフクラブの長さやライ角が合っていないと、スイングのメカニズムとボールのインパクトに大きな影響を与えてしまいます。

ライ角が適正でない場合、正しいスイングをしてもミスショットになってしまいかねません。

長さやライ角が合っていれば、ミスショットの原因がクラブ以外にあると認識できるので、ミスの原因追及がしやすくなり、上達も早まります。

もう一度クラブの長さとライ角を見直して、さらなる上達を目指しましょう!