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「よみうりゴルフ倶楽部」(東京都)を紹介!名門コース・新シリーズ第31回

一昨年、JTカップの舞台「東京よみうりカントリークラブ」をご紹介しましたが、今回はその隣にある、同じ読売系列のゴルフ場「よみうりゴルフ倶楽部」をご紹介します。

よみうりゴルフ倶楽部の開場は、東京よみうりカントリークラブよりも古く、東京都内にある名門コースの一つとしてとても有名なコースです。

今回、どこが名門コースなのか? 隅々まで見て来ましたので、どうぞご覧ください。

早速ご紹介しましょう!

まずは、コースの成り立ち・歴史からご紹介!

コース開場は、1961年(昭和36年)です。

設計はアウトコースは名匠・井上誠一で、インコースは同じく名匠・浅見緑蔵・ということになっています。

「へぇ! おもしろいなぁ!」と思いませんか? アウトコースとインコースを別々に設計依頼するなんてことがあるのでしょうか?

これには訳がありました。

1957年10月に、読売グループが初めてカナダカップを開催しましたが、読売の故・正力会長は「国際大会を開催できるゴルフ場を、われわれの手で作ろう!」ということになりました。

関東は多摩丘陵に、関西は西宮の丘陵地帯に、東西を代表する設計家、関東が井上誠一、関西が上田治という顔ぶれに依頼して建設が始まりました。

そして、関東は1961年に読売パブリックコースとして開場しましたが、その後9ホールが遊園地「よみうりランド」になったため、浅見緑蔵プロ設計の9ホールが加わり、1978年に「よみうりゴルフ倶楽部」と改め、法人会員制コースとして再出発することになりました。

現在の営業スタイルは……

よみうりゴルフ倶楽部は、東京都西部の多摩丘陵にあります。所在地は東京都稲城市ですが、ゴルフ場南部は微妙に神奈川県川崎市にまたがっています。クラブハウスが建っているところが東京都稲城市なので、東京都のゴルフ場となっています。

中央道の稲城IC、または東名高速の東名川崎ICからの利用となります。数少ない東京都内のゴルフ場ですが、現在は法人会員専用のメンバーコースです。

前述のとおり、当初はパブリック制のコースでしたが、1978年に現在の法人会員制に移行しました。大手企業が名を連ねる文字通り接待コースです。

そのことは、駐車場を見ればわかります。運転手付の社用車やハイヤーがズラリと並んでいます!

自分で車を運転していくゴルファーは少ないのではないかと感じるくらいです!

クラブハウスは落ち着いた雰囲気でしたが、決して華美ではありませんでした!

冒頭の写真がクラブハウスの全景です。2階建の、それほど大きくない造りです。

クラブハウスの入口を入ると、右手にフロントがあり、その奥の左手を入るとロッカールームになっています。横に広いクラブハウスなので、入口の向こうにはすぐにコースに出られる構造です。

このフロント周りは、豪華な造りとは無縁の、質素な造りに思えました。

そもそもゴルフは社交の場ですから、シャカリキな練習など必要ないのです! ですからこの練習場で十分!

よみうりゴルフ倶楽部のように、社交を目的とするコースでは、良いスコアを出すというアスリート的な発想は似合いません!

朝のスタート前は、最近の近況や仕事の話などで、お茶を飲みながら談笑するのが一般的です。

ですから、250ヤードなどという練習場は必要ではなく、一応鳥かごの練習場はありますが、距離は70ヤード程度です。

練習している人もややまばらでした。

もちろん、パターぐらいは練習してスタートすることになります。

私は早く到着してしっかりと練習しました!

レストランはまさに社交の場の雰囲気! そして、個室の造りがまさに接待ゴルフ場にピッタリでした!

フロント前の階段を上がると、2階にレストランがありますが、レストランに入る左手に個室の案内図がありました。

それを見ると、小さな個室が10個あります。一部はやや大きめですが、2組ぐらいでプレーをする時の個室で、大半は1組用の4名用のものでした。

そして、この日は個室1番の部屋を指定されました。コースを見下ろすガラス張りの小部屋で、眺めも最高でした!

コース概要!

コースは、ベントと高麗の2グリーン制です。

この日は、ベントグリーンを使用してラウンドしました。

井上誠一設計のアウトコースは、レギュラーティーで全長3293ヤードで、打ち下ろし、打ち上げがあるので、距離ほどの長さは感じません。

一方浅見緑蔵設計のインコースは、レギュラーティーで全長3165ヤードとアウトコースよりもやや短めですが、アップダウンがきつく、狭いコースに思えました。

井上誠一設計のアウトコースからご紹介!

アウトコースは、525ヤードのロングホール(パー5)でスタートします。2打目からなだらかな打ち下ろしで、フェアウェイの幅も広く、のびのびと打っていけます。

2番のショートホール(パー3)は極端な打ち下ろしで、30ヤード程度は見なければならないほどです。

ミドルホール(パー4)で難しいホールが多く、3番の打ち上げ374ヤードがハンディキャップ(HD)3、5番427ヤードのミドルホールがHD1のなだらかな打ち上げのホールで、相当の飛ばし屋でないとパーオンは難しいでしょう。

さらに8番ミドルホールも414ヤードと長く、コース及びフェアウェイがS字になっているので、ピンポイントに打って行かなければなりません。

一見、コースは広いと感じるのですが、やはり一点を狙わせる、井上誠一の思想が組み込まれたホールが続きました。

グリーンも傾斜が強く、手前のバンカーとグリーンの間にラフがあるというのも、難しさを現出させていました。

浅見緑蔵設計のインコースをご紹介!

インコースは、331ヤードの短いミドルホールでスタートします。このホールのティーグラウンドに立つと、フェアウェイが狭いと感じます。2打目はピンが見えないほどの打ち上げになり、グリーンは奥に傾斜しています。

インコースにも、極端な打ち下ろしのショートホールがあります。

12番は、打ち下ろしを考慮すると約100ヤード程度ですが、手前にバンカーがあり、打ち過ぎると奥は崖になっていて、距離以上にプレッシャーを感じるホールです。高所恐怖症の方はご用心を!

インコースでは、13番のミドルホールが打ち上げで410ヤードと距離の長いミドルホールです。フェアウェイの中央に大木があり、グリーンまでものすごく狭いホールで、このホールは難しいと思いました。

また、17番はやや右ドッグレッグの375ヤードのミドルホールですが、2打目の打ち上げがきつく、グリーンもとても難しいです。

浅見緑蔵設計のインコースは、きついアップダウンととても狭いホール設計で、ピンポイントに運ぶショットができるかが試されます。グリーンの傾斜がきついホールが多く、パットにも苦しめられます!