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ゴルフクラブ

Quattro

【考察】自分と相性の良いゴルフボールの特性と選び方

本稿ではゴルフボールの特性と選び方について考察していきたいと思います。

ゴルフボールはクラブと同じくらい重要な「ギア」です

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みなさんこんにちは。ライターのQuattroです。

本日はゴルフボールの特性と選び方について考察していきたいと思います。

皆さんはゴルフボールってどのような基準で選んでいますか?

こだわっている人はもちろん自分なりの基準があると思いますが、意外と「松山選手が使っているから」とか「飛ぶと聞いたから」といったような“なんとなく”のイメージで購入している人も多いと思います。

しかし、考えてみれば、ゴルフボールというのはゴルフギアの中で唯一、すべてのショットで使う道具です。

こんな重要な道具を適当に選んでしまってはもったいない!!

そこで本稿ではゴルフボールのタイプ別の特性・構造や、ゴルファーのニーズごとのボールの選び方について詳説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

ボールタイプ別構造解説

まずはゴルフボールの構造的な解説からしていきたいと思います。

ゴルフボールには大きく分けて「スピン系」と呼ばれるものと「ディスタンス系」と呼ばれるものがあります。

両者の違いは主にバックスピン量(以下“スピン量”)の差であり、前者がスピン量が多く、後者が少なくなっています(ネーミングからして当たり前ですかね笑)。

それぞれのタイプにおけるメリット・デメリットは後述するとして、まずは両者の構造について解説をしたいと思います。

上の画像のように、ボールは基本的に【コア・ミッド・カバー】という3つの要素からできており、メーカーやブランドによってミッド層の数が変わってきます(多くは0~3層)。

いわゆるこの層の数がカタログ表記されているピース数(3ピースとか4ピースとかいうヤツ)ですね。

この構造的要素の中で、スピン量の違いは主にカバーとコアの硬さの違いによって生まれてきます。

それぞれのタイプのボールのカバーとコアの特性をまとめると以下のようになります。

スピン系【カバー:柔らかい/コア:硬い】
ディスタンス系【カバー:硬い/コア:柔らかい】

硬いコアに柔らかいカバーを付ければ、クラブと接触した際により長くカバーとクラブフェースが食いつき、結果としてスピンが入る。

対して柔らかいコアに硬いカバーを付ければ、クラブが接触したときにコアが大きく潰れることに加え、カバーが硬いのでクラブフェースとの摩擦が生まれにくく、結果としてスピンが入りにくいということになります。

どちらのタイプももちろん長所と短所があり、ゴルファーのレベルによっても選ぶべきボールは変わってきます。

では自分に適したボールは一体どちらのタイプなのか? それぞれのメリット・デメリットを含めて解説していきます。

ボールタイプ別メリット・デメリット

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スピン系ボールの最大のメリットはその“止める力”にあります。

ゴルフはボールを“飛ばす”スポーツであること以上にボールを意図した場所に“止める”スポーツです。

その意味においてスピン系ボールはアイアンショットやアプローチショットでグリーンを狙う際、意図した場所にしっかりと止めるという点で非常にメリットがあります。

しかし、一般的にスピン量が多くなればボールの揚力(上に上がっていく力)が大きくなりますので、相対的に前方方向に進む力が弱くなり、飛距離をロスしやすくなります。

また、スピン量が多いということはスピン軸が傾いた時の曲がり幅も大きくなるということなので、初心者の方には扱いにくい可能性が非常に高いです(上級者にとっては球筋が打ち分けやすいというメリットに転じる場合もあります)。

ディスタンス系ボールのメリット・デメリットはお察しの通りスピン系ボールのそっくりそのまま反対になります。

スピンが少ないので飛距離性能と直進性は高いが、ボールを止める力が弱いということですね。

これらのことから、スピン系のボールはある程度ボールを真っすぐに打てて、自分の力で飛距離を出せる技量のある中級者以上のレベルの方に恩恵が大きい場合が多いです。

対して、ディスタンス系ボールは飛距離性能というよりも、その直進性の高さが初心者にとってコースに出た際の大きなメリットになると私は考えております。

【例外】スピン系ボールのほうが飛距離が出る人もいる?

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ここまでの解説は基本的には8割以上のゴルファーには当てはまると思いますが、実は例外も存在します。

それは「スピンが少な過ぎて飛距離をロスしているゴルファー」です。

一般的に飛びの3要素は【高初速・高打ち出し・低スピン】と言われています。

しかし、スピン量が少な過ぎると球が上がり切らずキャリー不足となり、結果として飛距離をロスしてしまうケースがあります。

スピンが少ないタイプの人が飛距離を求めてディスタンス系ボールを使ってしまうと、さらにキャリーが出なくなってしまうという事態になりかねませんので注意が必要です。

まとめ

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本稿ではゴルフボールのタイプ別の特徴やメリット・デメリットをまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。

今回はそれぞれの特徴をわかりやすくするために教科書的な解説を【メリット・デメリット】という対比構造で書いてみました。

しかし、メーカーさんとしてはそれぞれのタイプのデメリットをなくし、長所だけを残す(伸ばす)ことに日々の開発努力を傾けています。

そのおかげで、特にスピン系のボールにおいてはドライバーなどの高ヘッドスピード帯では低スピンになりやすく、アイアンショットやアプローチなどの低ヘッドスピード帯においてはスピンが入りやすくなるという構造が実現できています。

クラブに比べてゴルファーの関心を集めにくいゴルフボールですが、各メーカーが特許を詰め込みまくって作っている言わば企業努力の塊でもある製品です。

消耗品であるがゆえにネットで安いボールをまとめ買いしている方も少なくないかと思いますが、1スリーブずつ気になるボールを購入して比較してみるのも面白いと思いますよ!

ぜひこだわったボール選びにも関心を向けてみてください。