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ゴルフクラブ

Nick Jagger

知っているようで意外と知らない?「スイングウェート」の基礎知識

ゴルフクラブのカタログには、「スイングウェート」(バランスともいう)として、「D1」とか「C9」などと表示されています。

これは、簡単に言いますと、ゴルフクラブのヘッドの利き具合を示す数値なのです。

例えば、同じ300グラムのドライバーであっても、ヘッドが重く、シャフトやグリップが軽ければ、そのクラブのスイングウェートは重いということで、反対ならば軽いということになります。

「スイングウェート」はゴルファーによって、感じ方が違う

クラブのヘッド側が軽いほうから、A、B、C、D、Eの5段階に分かれており、さらにそれぞれの段階で軽いほうから0~9の10段階に分かれています。

つまり、一番軽いのがA0で、一番重いのがE9になります。これで、「D1」や「C9」のように表示されるわけです。

それでは、このスイングウェートは、クラブ選びにどう役立てればいいのでしょうか?

スイングウェートとは、クラブヘッドの利き具合を示す数値だと言いましたが、その感じ方は、実はゴルファーによって違うのです。

ちょっと筆記用具に例えて説明いたしましょう。

ペン先が重い万年筆のほうが書きやすいという人もいれば、ペン先が軽いボールペンのほうが書きやすいという人もいるのと同じ理屈です。

ゴルフクラブでも、クラブヘッドの重みを感じたほうがスイングしやすいというゴルファーなら重めのバランスのクラブを使えばいいし、反対なら軽めのバランスを使えばいいということです。

スイングテンポでチョイスする

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また、同じシャフトを装着したアイアンセットの場合は、すべてのクラブのスイングウェートが同じほうが振りやすいという法則があります(ただし、ウェッジだけは重めのほうが振りやすいと感じるゴルファーは多いです)。

しかし、同じスイングウェートであれば、重いスチールシャフトのクラブでも、軽いカーボンシャフトのクラブでも、同じ感覚でスイングができるかというとそうではないのです。

普通は軽いほうのクラブが振りやすく感じるはずで、スイングウェートを比較するのは、あくまでも同じ重量のクラブでなければならないのです。

一般的に、プロゴルファーや上級者向けの重いクラブは、スイングウェートも重め(D1以上)にしてあるものが多いし、レディース向けのクラブは軽め(C4以下)にしてあるものが多いのです。

とはいうものの、スイングウェートはゴルファーの感性に訴えるものですから、万人向けの法則というものはないのです。

ただ、あえて言うのであれば、重めのスイングウェートのクラブというのは、スイングテンポがゆったりしたゴルファーに向いているだろうし、軽めのスイングウェートのクラブは、スイングテンポの速いゴルファーに向いていると言えるでしょう。

スイングウェートを簡単に調整する方法

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大枚をはたいてせっかく手に入れたドライバーなのに、数ヶ月後にはだんだんクラブヘッドが重く感じられてきて、上手く振り切ることができなくなってきた……。

こんな話をよく聞きますよね。

そんな時は、そのクラブをお蔵入りにさせてしまったり、中古ゴルフショップに売りに行ったりするのではなく、自分でスイングウェートを調整してみてはどうでしょうか。

スイングウェートの調整法については、いくつかの方法があります。

1.鉛を貼ってみましょう
まずは、クラブヘッドやシャフトに貼る「鉛板」を購入してきましょう。ゴルフショップで見かけたこともあるでしょう。

クラブヘッドのヒール部分(シャフトの付け根)に鉛を貼りますと、スイングウェートが増加します。

同じ重さの鉛であっても、クラブが長くなればなるほどスイングウェートの増加率が高くなります。

例えば、38インチのアイアンの場合、1グラムの鉛を貼ると、スイングウェートが約0.5ポイント、45インチのドライバーであれば、約0.6ポイント増加します。

2.グリップの重さを変えてみましょう
グリップを5グラム軽いものに変えると、スイングウェートは約1ポイント増加します。

5グラム重いものに変えると、スイングウェートは約1ポイント減少します。

3.シャフトの長さを変えてみましょう
シャフトを長いものに変えると、スイングウェートは増加して、短くすると減少します。

その効果は短いクラブほど大きくなります。

例えば、38インチのアイアンを0.5インチ短く(あるいは長く)しますと、スイングウェートは約3.3ポイント減少(長くした場合は増加)します。

これが45インチのドライバーであれば、0.5インチ(あるいは長く)すれば、スイングウェートは約2.5ポイント減少(長くした場合には増加)するのです。

というわけで、最初の例のようにクラブヘッドが利き過ぎると感じるようになったら、グリップを現在装着しているものよりも重くするか、ゴルフショップや工房に行って、シャフトを短くしてもらえばいいでしょう。

せっかく高いお金を出して手に入れたクラブですから、物置にしまったり、中古ショップに持っていくのは、それからでも遅くはありませんよ。