クラブを眺めて溜息ばっかり出る夜こそ読むゴルフ!〜伊集院静氏の著書〜

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もー、スコアカードなんて見たくもない!

クラブなんて触るのもイヤ!

……ゴルフを続けていれば、誰でもそんな気分になる時があります。

でも、心の底からそう思っているわけではありませんよね?

ゴルフでモヤモヤした気分になったら、伊集院静氏のゴルフ本を手に取ってみましょう。

悩みや迷いの向こう側にあるゴルフの姿を垣間見ることができますよ?

伊集院静氏の「そんな日」

伊集院静氏の「そんな日」

伊集院静氏にだって、そんな日が、それも頻繁にあります。

ペブルビーチゴルフリンクス、6番まで2オーバーでまとめながら、7番106ヤードのパー3でティーショットが右側の崖、そこからアンプレヤブルを宣言して打った球がバンカー、結局4オン2パットの6だったり。

バンドンデューンズではキャディが示す方向へきちんと打っているのに名物の海風に流され、ハリエニシダのブッシュの中を歯ぎしりしながら打ち続けたり。

あるいはシルベラードカントリークラブ&リゾートではすぐそばに落雷が落ちて大木が倒れたり。

凡庸なゴルファーであれば、せっかくのペブルビーチの名物ホールで6も叩くなんて、とか、伝説のコースなのにブッシュばっかりじゃないか、とか愚痴や悪態を撒き散らすところでしょう。

でも、氏はどんな状況下でも、というより困難な状況下になるほど「ゴルフとは何か?」と問い続け、ゴルフが持つあらゆる本質を探り出そうとします。

それはゲーム性といったことから、なぜ人はゴルフをするのかといった心的なことまで。

もちろん、探り出された結果が真実ではありません。

しかし、氏の探り出した結果こそが、この「夢のゴルフコースへ」の面白さなのです。

随所に宮本卓氏の決定的瞬間

随所に宮本卓氏の決定的瞬間

伊集院静氏の説明は今さら必要ありませんね。

ゴルフ以外の著書は多数あり、ヒット曲の作詞や雑誌のコラムでもその名前を見ているはず。

そうそう、サントリーの新聞広告で成人の日には「新成人おめでとう」、4月1日には「新社会人おめでとう」の記事を読んだことで覚えている人もいるでしょう。

「夢のゴルフコースへ」は、氏が週刊パーゴルフで連載していたコラムを発行元の学研が創立60周年記念として出版した本です。

前回、ご紹介した「IT'S BEAUTIFUL GOLF」と同時発行で、こちらも写真は宮本卓氏が、というより連載中に撮影した写真を集めたのが「IT'S BEAUTIFUL GOLF」でした。

この本でも随所に氏の撮影した素敵な、そして見る機会がほとんどないゴルフ場の決定的瞬間が掲載されています。

「なぜ?」を考えるゴルファーへの道標

「なぜ?」を考えるゴルファーへの道標


なぜ人はゴルフをするのか?
なぜ私はゴルフに夢中なのか?
その答えのひとつが、今、この8番ティグラウンドで、50歳を過ぎた大の大人の男が、自分に何かを問い、逡巡し、自分の中の何かをふるい立たせようとしている行為にある。

これは「人生にも仕事にも似ずに。」の一節です。

ゴルフに心的なことを求めたところで技術が向上するわけではありません。

でも、心的な「なぜ?」を考えると、失敗や後悔による忸怩(じくじ)たる思いの先で、ゴルフがチラリと本質を垣間見せてくれることがあります。

「夢のゴルフコースへ」は「なぜ?」を考えるゴルファーにとって、道標を示す(かもしれない)本になるでしょう。

なお、ここで紹介した内容は米国西海岸編ですが、他にも米国東海岸編やハワイ編、スコットランド編があります。

氏が紹介するコースのエピソードは世界的に有名なコースですが、「なぜ?」の結果はけっして有名なコースでしか見つけられないわけではありません。

この本を読んだ後で、自分なりの「なぜ?」の結果を探し出すのもゴルフの楽しみ方のひとつです。

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Taddy Bear

大手建設会社の月面都市計画から押入れのカビの取り方まで、あらゆるジャンルの記事を書き続け、気がつけばキャリア30年のライターです。 ゴルフ関連ではプロから著名人、アマチュアまで幅広い人物のインタビューを中心に執筆していました。仕事での関わりは長くても、ゴルフの楽しみはまだまだ入り口しか知りません。 皆様と一緒に楽しめる記事を書きたいと思っています。 なお、Kindleにて短編集「アームチェア・ゴルファーの優雅な午睡」などを出版しています。 https://twitter.com/TaddyBe67848124

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