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Gridge編集部

「新素材の開発は今まで誰もできなかったアドバンテージ」ロジャー・クリーブランド氏が語る『RTZウェッジ』の強み

「JAPAN GOLF FAIR 2026」の初日、ダンロップブースのトークイベントに、ロジャー・クリーブランド氏が登場しました。Cleveland Golfの創業者として『TA588ウェッジ』を始めとする多くの名器を世に送り出し、世界のトッププロが多大な信頼を寄せる人物です。今回は、そんなクリーブランド氏にウェッジ作りの哲学について、話を聞きました。

1979年から半世紀もの間、クラブ作りに尽力してきたロジャー・クリーブランド氏。彼が考える理想のウェッジとはどんなものなのでしょう

Cleveland Golfは最新技術と伝統的な形状を融合させたブランド

ゴルフファンの前で、写真にサインを入れるクリーブランド氏

3月6日(金)、アジア最大級のゴルフの祭典「JAPAN GOLF FAIR 2026」の初日、SRIXONやCLEVELANDといったブランドを展開する「ダンロップ」のブースで行われたトークショーに登壇したのがロジャー・クリーブランド氏でした。

クリーブランド氏はその名前の通り、Cleveland Golfを創業した人物です。1979年に「美しい形状を持つクラブ作り」をテーマに会社を起こし、当初は1940〜50年代に製作されたクラシッククラブのレプリカ作りに尽力しました。1980年代に入ってからはオリジナルクラブの開発に力を入れ、ウェッジの『TA(ツアーアクション)』シリーズを誕生させました。コンパクトで美しい造形に仕上げられたウェッジは、現代のティアドロップ型の原型とも言われ、特に1988年に発売された『TA588ウェッジ』は20年以上に渡って高い人気を誇るロングセラーとなりました。

その後もCleveland Golfは最新技術と伝統的な形状を融合させる真摯なモノ作りを続け、2000年代にはメジャーブランドとしての確固たる地位を築きます。そして2007年にはダンロップグループの一員となり、ウェッジの分野において精密なミーリングやソール形状、革新的な重心設計を取り入れ、飛躍的な成長を遂げました。

クリーブランド氏は一度、グループを離れた時期がありましたが、昨年3月からCleveland Golfのアドバイザリースタッフに復帰。昨年、多くのツアープロの使用者を獲得した『RTX ウェッジ』やキャビティ構造の『CBZ ウェッジ』の開発に加わりました。

そして今回、前述の「JAPAN GOLF FAIR 2026」にて、クリーブランド氏にインタビューする機会がありました。半世紀近い年月をかけて、クラブ作りに全てを捧げてきたクリーブランド氏のウェッジ作りにかける思いとはどんなものなのでしょう。

「あらゆるレベルのゴルファーに最適なプロダクトを提供できることが強み」

半世紀以上に渡ってウェッジ作りを手掛けてきたクリーブランド氏が考える哲学とは?

まずはクリーブランド氏がクラブ作り、特にウェッジ開発で大切にしていることは何か聞きました。

「世界中には多くのレベルのゴルファーがいます。彼らはゴルフが好きで、最高のプレーをしたいと考えています。ラウンドに行く頻度も人それぞれ違いますし、求めるパフォーマンス、上達に対する思いも違うでしょう。Cleveland GolfやSRIXONは、あらゆるレベルのゴルファーに対して、最適なプロダクトを提供できるブランドであると自負しています」

Cleveland Golfのウェッジには、さまざまなテクノロジーが搭載されています。ネック部に軽比重セラミックピンをインサートする「ZIP CORE」や精密なミーリングによって安定した高スピンを生む『HYDRA ZIP』など、他メーカーにはない独自の技術に磨きをかけてきました。

「1980年代にウェッジ開発していた頃に比べて、テクノロジーの進化でできることが増えました。『ZIP CORE』によって、ヘッドの重心をフェースセンターに近付けることが可能となります。低い打ち出しでスピン量を上げるなど、ショートゲームのパフォーマンスを高めることができるのです」

前述した『RTZ ウェッジ』は、Cleveland Golf史上最高傑作と言われるモデルです。クリーブランド氏はその大きな理由として、新素材の採用を挙げます。

「私がウェッジの開発に携わって50年ほどの間、他社も含めて、マテリアル(素材)を変えることは誰もできませんでした。しかし、『RTZ』では、『Z -ALLOY』という新素材を採用することができました。我々のクラブが持つ大きなアドバンテージの一つです。新素材のメリットを知る上で、カミソリを想像すると良いでしょう。鈍い刃のカミソリと鋭い刃を持つカミソリがあったとして、どちらを使いますか? 『Z-ALLOY』で作られたウェッジはサビずに高い耐久性を持ち、打感も非常にソフトです。そして、溝のエッジを鋭く、精密にデザインすることができます。ウェッジを作る上で、圧倒的に有利な素材なのです」

『Z-ALLOY』は混合、溶解、精錬のシミュレーションを繰り返し、ベストな配合を模索する中で辿り着いたゴルフクラブのための新素材です。従来素材よりも軽比重なので設計自由度が高く、軟らかは今までにない極上の打感を実現します。ウェッジ作りにおいてメリットの多い新素材の採用は、長きに渡ってクラブ開発に携わってきたクリーブランド氏にとっても大きな変革だったようです。

昨年発売されて大人気となった『RTZ ウェッジ』。新素材の採用がウェッジの性能を今までにない次元に押し上げました

最後に、ウェッジというクラブがこれからどう進化していくのか、クリーブランド氏の展望を聞きました。

「ウェッジで大切なことは、正しくソールが働き、打ち出しとスピンをコントロールすることです。いかに自在にコントロールできるかがウェッジに求められる性能ですので、今後もきっちりと追求していきたい。Cleveland Golfでは新素材を見つけたことで、進化の鍵をつかんだと考えています」

これからもゴルファーに大事な情報を伝えていきたい

クリーブランド氏は、ゴルフというゲームにおいて、「40〜50ヤードの距離」を大切にしてほしいと持論を展開します。

「プロであっても、アイアンショットでグリーンを外すことがあります。一般的なアマチュアゴルファーであれば、そういった機会は増えるはずです。その中で、40〜50ヤードという距離を戦略的に突き詰めていけるかはとても大切です。ショートゲームを制するところにゴルフの醍醐味がありますし、スコアアップという意味で非常に重要です」

ショートゲームの向上には、自分に合ったウェッジを使うことが大切になります。クリーブランド氏にモデル選びのポイントについて聞きました。

「自分だけで選ぶのは非常に難しい。アマチュアの方は特に自身のスイング、ゴルフのプレーを第三者的に見て、判断してくれる人を頼る必要があります。フィッティングをしてくれる方やレッスンを受けるティーチングプロにアドバイスを受けるのが一つの近道だと思います」

一方で、あまり頻繁にゴルフをしない人には、『CBZ ウェッジ』がおすすめと話します。

「『CBZ ウェッジ』はワイドソールを採用していて、ミスに強い。そして、スッキリさせながら大きめなシルエットに仕上げた顔で、私も非常に好きなウェッジの一つです。私の妻も
『CBZ ウェッジ』を使って、ゴルフをエンジョイしていますよ」

『RTZ ウェッジ』と同じ『Z-ALLOY』を使用し、キャビティバックで高い寛容性と心地良い打感を実現したのが『CBZ ウェッジ』です。さまざまなシーンに対応するやさしく振り抜けるソール設計を採用しており、幅広いレベルのゴルファーがやさしくアプローチを打つことができます。ウェッジ選びに迷ったら、選んでおいて間違いないモデルだと言えます。

『RTZ ウェッジ』のテクノロジーで、キャビティヘッドに仕上げた『CBZ ウェッジ』

SRIXONは新たなブランドメッセージ『OBSESSED WITH IT』を発信

ダンロップグループは、「JAPAN GOLF FAIR 2026」出展に先立ち、SRIXONブランドの新たなコンセプトとして『OBSESSED WITH IT(オブセッスド・ウィズ・イット)』というメッセージを発表しました。

この『OBSESSED WITH IT』は、ゴルフに心を奪われ“夢中になる瞬間”を表現した言葉です。

ゴルフは多くの人にとって「情熱を持って挑み続けるスポーツ」です。競技の結果だけに止まらず、練習や試行錯誤、ささやかな発見や上達の手応え、そしてそれを仲間と分かち合う。さまざまなシーンでゴルフというスポーツは、ゴルファーの心を夢中にさせます。

SRIXONブランドでは、上達を追い求める情熱こそが全てのゴルファーを結びつけるものであると考えます。そこで新しいビジュアルやコミュニケーション、製品開発を通じて、幅広い上達を目指す全てのゴルファーに寄り添うブランドとして、製品の拡張、アップデートに取り組むと発表したのです。

SRIXONは松山英樹プロを筆頭に、ツアー実績に裏付けられた高い性能と精緻な品質を実現するブランドです。今後は『Performance(パフォーマンス)』、『Progress(進化)』、『Fellowship(仲間意識)』の3つをブランドの柱とするようです。今回の『JAPAN GOLF FAIR 2026』ではSRIXONブランドの新製品は発表されませんでしたが、これからどんなプロダクトを世に送り出していくのか。Cleveland Golfと共に楽しみな存在になりそうです。