ゴルフスイング
Yanagi@TPIトレーナー&ドラコンプロ
3パット撲滅!!〜ラインの読み方と狙い方〜
「ちょっと長いけど、これを決めればバーディーだ……」からの3パットボギーなんて経験ありますよね?
ラウンドを重ねれば重ねるほど、パットの重要性、3パットの痛さを理解してくると思います。
ショートパットを外してしまうのは練習不足としか言いようがないですが、ロングパットがあさっての方向にいってしまい、2パット目に距離が残ることが多いという人は、基本的な狙い方が間違っているのかもしれません。
今回は、ラインの考え方と基本的な狙い方についてご紹介します!
グリーンの速さを理解しよう
みなさんはグリーンの速さを表記した看板を見たことがあるでしょうか?
「9フィート」「10ft.」などと記載された看板で、キャディマスター室付近で見つけることができます。
テレビ中継なんかを見ていても、『今日のコンディションは14.0フィートですから、かなり速いグリーンになっています』というような形で耳にすることがあると思います。
実際に我々がプレーするゴルフ場では、8フィート前後のセッティングであることが多く、名門ゴルフ場や大きな大会になると9フィートを超える速さになってきます。
9フィートを超えると一般のゴルファーはかなり速く感じますが、米国のプロの試合、PGAツアートーナメントの試合では「11~14フィート」くらいを目標に調節されているようです。
超高速グリーンのマスターズ(オーガスタ)では、15フィート程度に仕上がっています。
この「〇〇フィート」はどのように、計測されているかというと、スティンプメーター (Stimpmeter)という道具を用いて計測します(写真)。
スティンプメーターは、断面が145度に開いたV字型をした90センチほどの長さの、レールのような道具です。
計測では、グリーンのなるべく平坦な場所を選びます。
そしてスティンプメーターの端から15センチのところにボールを置き(置く位置には切り込みがあり、ボールが動かないようにできている)ゆっくり、ゆっくりと傾けていきます。
スティンプメーターの傾きが約20度になるとボールが動き出し、V字型の滑り台状の斜面を転がり落ちて、グリーンの上を転がります。
このような計測を3球繰り返し(丁寧に転がすとボールはだいたい同じ場所に集まります)、スティンプメーターの先端から転がった距離を測るのです。
平らなグリーン面の相対する2方向から それぞれ3回ずつ測定し その転がった距離 (フィート) の平均値を算出します。
同伴のベテランゴルファーが『今日のグリーンは10.5フィートか……速いな……』と隣でぼやいていても、『誰目線で速いの?!』なんてツッコまないように気を付けましょう!
グリーンの硬さを気にしてみよう
グリーンの硬さはコンパクションメーター(土壌硬度計)という道具を用いて計測します。鉄針を地面に差し込み、その反発の強さをバネで測ります。
日本のプロトーナメントのグリーンでは、コンパクションが12~14 (kg/cm2) 前後に設定されることが多く、私たちが普段プレーするゴルフ場ではコンパクションが11~12(kg/cm2)のグリーンが多いと思います。
雨が降りグリーンが緩くなってくるとコンパクションが10(kg/cm2)以下になることもあり、大きなピッチマークがつきます。
逆に、コンパクションが14(kg/cm2)以上だと、スピンがよく効いたゴルフボールがオンしてもピッチマークがほとんど付きません。
ひとつ注意してもらいたいのが、テレビ中継などで指数硬度 (単位はmm) の数値をコンパクションと言っている場合がある点です。
コンパクションが12~14(kg/cm2)の指数硬度は24~25mm、コンパクションが8.5~10(kg/cm2)の場合ですと、指数硬度はだいたい22~23mmになります。
ラインのイメージと狙い方〜「アイディアライン」を決める〜
グリーンには大なり小なり傾斜がありますし、芝目の影響を受けるグリーンもあります。
パットを打つ時は、その日のグリーンの情報をしっかりと頭に入れた上で、まずは自分のフィーリングを信じて、ラインをイメージしてみましょう。
ボールをどの方向に、どのくらいのスピードで打ち出せばラインに乗ってカップインするか、ボールの転がりを映像にしてイメージします。
基本的には、30センチくらいオーバーするタッチをを基本として考えましょう(強気なパットが好きな人は50センチでもOKです)。
このイメージしたラインを「アイディアライン」と言います。
「エイムポイント」を決める
「アイディアライン」を決めた後は、狙いどころである「エイムポイント」を決めます。
「アイディアライン」に打ち出し、そのまま真っすぐ転がったらカップを30センチ程度オーバーするタッチで狙います。
その際の狙いどころ(ボールの最終到達点)が「エイムポイント」です。
例えば、3メートルのフックラインがあるとして、カップを30センチオーバーするタッチで曲がり幅をイメージします。
この時、カップ2つ分フックすると読んだら、カップの右に2カップ分プラス30センチ先が「エイムポイント」となります。
そして「エイムポイント」からボールへと真っすぐな線をなぞり、ボールの30~50センチ先にスパットを決めます。
あとはそのスパットに対してフェースをスクエアに合わせて、「エイムポイント」までのタッチでストロークするだけです。
自分でラインに乗せようとするのではなく、エイムポイントに向かって打ち出すだけです。あとはグリーンの傾斜や芝目に委ね、ボールがカップに吸い込まれるのを待つだけです。
このように、1つ明確な狙い方を繰り返していれば、たとえパットが外れたとしてもそのフィードバックによって、徐々にタッチもラインも合ってきます。
3パットに悩んでいる人は、ぜひ試してみてください!