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10年以上のブランクを経て、ゴルフに再チャレンジするということ(51)

さてそんなワケで(どんなワケだ笑)、右手1本、左手1本、両手、そしてパターも、同じ一つのスイングで打てる8時~4時のスイングが完成。

股関節をはめて背筋を伸ばし、ダラリと下げた腕でグリップ。胸で見るようにボールに正対するアドレス。

そして、終始ハンドファーストを崩さず、身体を回して振り子のように振る。

でも、一つだけ解決できていないモヤモヤした部分がありました。

それは、“小さなスイングは完璧だけど、フルスイングにどうつなげればいいのか?”と言うこと。

その時の自分なりの解決は“腰から先は惰性”。

バックスイングからトップも、フォロースルーからフィニッシュも、腰から先は惰性に任せて自分では何もしない。

それで上手く打てていたし、これが正解と思っていた。

そしてこの状態でハンディ2のテッちゃんのレクチャーを受けたが、緊張してアタマは真っ白。全部が全部左に曲がる。特にドライバーはキューっと……。

しかも飛距離が足りない。

53度のウエッジで100ヤードのはずが、下手をすると80ヤードに届かない。

そして素振り。素振りがテッちゃんとは大違い。

彼の音が長く続く素振りに比べて、自分のは音が短い。

7月のある猛暑日に。

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7月のある週末。猛暑日。気温は36度。

内陸部のある町で、3時間ほど待つ必要が生じた。

探してみると、近くに小さめのゴルフ練習場があった。

覗くと少し打ち上げている。

「2階はトタン屋根だけで暑いから、1階がおすすめですよ!」と言われて少しひるんだが、打ち上げの練習場は嫌いなので、決意して2階へ。

うわぉ! トタン屋根云々て言うより、屋根が効いてない! 直射日光!!

“こりゃきついな~”と思いながら、50発だけ球を出す。時間は3時間もある。

本番さながらの素振りをして、納得のいく素振りができたら、1発打つ。

最初からクラブはドライバー。

右手1本で、いつもの小さな振り幅から。そして左手。両手。

チェックポイントをチェックしながら素振りを続け、だんだん振り幅を大きくして行く。

ヘッドの重みが変わらないように。そして音が途切れず、長い音がするように。

よし。

ドライバーで、少しドローの球筋をイメージして1発目。

パチーン。納得の1発。思った通りの所から少しだけ左に曲がってネットへ。

いつもとは違う150ヤードほどの鳥かごでその先は分からないが、いい球だったと思う。

1発打つごとにクラブを替え、素振りをし、納得がいったら素振りと同じスイングを心がけて1発だけ打つ。

早くも汗が滴り落ちてくる。

すると突然!

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ウェッジのフルショットで、シャンク!

は?

ドライバーでどヒール、ど引っかけ! そしてチョロ!!

へ?

7番アイアンでどダフり!

え~っ!!

ここでドリンクを買って、座り込んだ。さすがに椅子の所は日陰だ。

なんで突然ダメになる? どうして? なんで?

……。

ため息。

投げやりな気持ちが襲って来る。

何なんだろう……。

もうやめようかな……きっと俺には無理なんだ……。

窓に映る姿を見ながらずーっと素振り。

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2階打席には、鏡のある打席に一人だけ。壁のおかげで、打席も日陰になっている。

“なるほど……あそこがこの練習場の夏のベストポジションか……”

他に人がいないので、日陰になっている通路で素振り。正面の窓を鏡代わりにして、いろいろな角度から。

小さなスイングを、ブランコのように。そしてそれを大きくして、惰性でトップへ。

“シャンク、ダフり、引っかけ、どヒール、チョロとくれば、答えはフラット過ぎるスイングプレーンだ”

手元を低く構えて、シャフトプレーン上を振り子のように振り、その惰性でトップへ。しかしそれをくそ真面目にやり過ぎて、腕が上へ上がっていないようだと気がついた。

アドレスをしっかり作り込んで、スタートしたらすべてを忘れて長い音がするようにだけ意識して打ってみた。

ちゃんと打てた。

でもそれじゃぁ、偶然打てただけのようで気持ち悪い。

確信が欲しい。

小さいスイングのように、“こうやればこうなる”という公式のような、この公式だけ覚えておけばもう安心と言うような。

窓に映る姿を見ながら、ゆっくりと素振りを続けた。

アドレスでのシャフトのラインに、8時~4時のスイングプレーンがある。

このプレーン上を、背筋に直角に腕を使わず身体を回して振れば、8時~4時のスイングは簡単。

シンプルで、結果も伴う。間違いない。

でも、そのプレーン上でフルスイングの大きさまでは回せない。

クラブをおへその前でグリップして、直立してやってみてもらえばわかりやすいが、シャフトが飛球線後方を指す辺りで回転は限界が来る。

ここから、右肩の上へと腕を上げるとフルスイングのトップとなるのだが、これを2段モーションにならないようにする方法として惰性に任せるという方法で解決したつもりになっていたのだが、緊張に弱く、また飛距離も不足。

そしてまた今のように、突然おかしくなる。ここを具体的な方法論で解決しなければならない。

身体全体を回しながら、腕を右肩の上へと上げる動き。

この二つの動きを同時に行って、スムーズにフルスイングのトップまで上げるには、どんなイメージがいいのだろうか?

シャフトプレーンから、それと平行な肩の高さのトップのプレーンへと、面の角度を保ったまま、少しずつ上へと、プレーンがせり上がるように平行移動して行く動き。

それを、複雑ではない、シンプルなキーワードにまとめられれば……。

(続く)