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悩めるSO-RYO
お坊さんが見た、「修行」と「ゴルフ」の共通点
お坊さんとして修行を積み、ゴルフでもパープレーできるまでになる中で、重なる部分もあったので紹介したいと思います。
実体験をもとに、タメになったことやそうでないこと。
皆さんの参考になるような考え方もあるのでぜひ読んでみてください。
ゴルフと修行の共通点
ゴルフとお坊さんの修行で共通しているのが心です。
ゴルフはコースに出ると、OBを気にしたりミスしたらどうしようといろいろな心配をしてしまいます。
練習場では考えもしないようなことが頭をよぎります。
ミスをすればいら立ち集中できなかったり、18ホール回る頃にはころころとボールが転がるかのように心も移り変わります。
心、メンタルとも言いますが、これをどう操るか、収めていくかがゴルフの基本にあると思います。
技術の部分も必要ですが、ある程度打てるようになってくれば、メンタル面は見逃すことはできなくなります。
お坊さんの修行はどうでしょうか。
宗派によっても変わるとは思いますが、基本はそう変わらないと思います。
何をしているかと聞かれれば、自分を律するということになります。
もちろん朝早くに起きてお勤めをする。お掃除をする。長い時間座ってお経を唱える。僧侶として俗世間に出て恥ずかしくないように行に励むわけです。
こちらも根本は心を鍛えること。
結果、人のために手を合わせられるようになるということです。
どちらも精神修行をしているとも言えるでしょうか。
心のとらえ方ひとつでプレー内容も、掃除ひとつも変わってきます。
ゴルフに生かせることはあるのか?
先ほど挙げたように共通点は心です。
修行は楽しいことをするわけではありません。少なくとも私の中では。
つらく大変であってもそれを乗り越えていかなければならないのです。
足が痛い中で我慢をして動かずに長時間座る。
寒い中、板の間の雑巾がけを行う。眠い中目をこすりながら毎朝早くに起きる。
肉や魚などの生き物を食べずに、精進のものを食べる。
これらは嫌であってもお坊さんになるためには必要なことなのです。
乗り越えると何が変わるか。
まず自信が付きます。そして精神的に強くなる。物事を乗り越えられる精神力。
ゴルフは18ホールのスポーツです。約5時間かけて回ります。
いつもいいショットを打てるわけではありません。
悪いショットが出た時この精神力が役に立ちます。
失敗してそこで終わりではありません。まだホールは続きます。
どう気持ちを立て直して次に向かうかが大切なのです。
行をしていてもそうです。つらい時どう気持ちを切らさずに続けるか。
同じに思います。もういいと諦めてしまえば行は続けられずお坊さんにはなれません。
ゴルフでも諦めればスコアは崩れ大叩きということはよくあることではないでしょうか。
具体的にどう考えるか?
あなたはラウンドの最中何を考えていますか。
パーを取ろう。バーディーを取ろう。ドライバーで飛ばそう。
いいイメージを常に持ってラウンドすることは必要なことです。
悪いイメージや失敗しそうだと思いながら打っていては、なかなかナイスショットには結び付きません。
ただゴルフは失敗のスポーツでもあります。
小さなボールを遠く離れた小さなカップ目がけて打っていくのですから、18ホールもあればミスをして当たり前です。
まずそう考えるだけで気持ちは楽になりませんか?
できるだけプレッシャーのかからない状況でプレーすることがスコアを伸ばす秘訣です。
さて、失敗してどう気持ちを切らさずに次のホールへ向かえるか。
それは受け入れるということです。
ゴルフだけではありませんが、失敗から何を学び次にどう生かせるか。
これこそが大切なことで、生きている限り向上しようと日々精進するためには必要なことです。
悟りのようなものでしょうか。
渋野日向子選手がボギーを打った後にバーディーを取り返す。「バウンスバック」と言われていますが、同じだと思います。
だめなら取り返せばいい。次のホールに気持ちを移しましょう。
簡単に言ってもなかなかできないのがゴルフです。
ラウンドを終えた時、皆さんが口にするのはスコアです。ゴルフは上がってなんぼのスポーツ。
スコアカードにミスをしたなどとは書きません。いくつで回ったかを書きます。
1打に一喜一憂し過ぎないようにしましょう。
悟りとゴルフは通じるところがあるような……
ミスは起こるものとして考え、焦ってバタバタしたり、イライラしないこと。
丁寧な一打の積み重ねでスコアはできていきます。
最後まで前を向いて頑張り抜いた人は、笑顔でクラブハウスに帰ることができるでしょう。
大きな心ですべてを受け入れることができたら、人間的にもゴルフの中身もスコアもすべてが向上すると言っても間違いではないと思います。
ゴルフが上手な人はお坊さんに向いているかもしれません。
少なくとも精神的に修行を乗り切るだけのものはあると思います。
ただいくらゴルフが上手くても正座は痛いものです。