ゴルフスイング
しだしんご
「フェアウェイバンカーから10打!」月例競技でAさんに何が起きた?
こんにちは♪
先日ホームコースでの月例競技でのこと。
私の組の同伴競技者のAさんは、ショット、パットとも絶好調。前半を2オーバーで折り返し、Aさんは優勝候補筆頭に。
しかし、後半のとあるホール。Aさんの放ったティーショットは少しこすれて右サイドのフェアウェイバンカーに。グリーンまでの距離は約150ヤードです。
しかし、Aさんは結局このバンカーから脱出するのに何と「10打」を費やしました。
その後のホールも崩れに崩れて、意気消沈の結果になってしまいました。
Aさんに何が起きた?
では、スコアが崩れる原因となったあのフェアウェイバンカーで、いったいAさんに何が起きたのでしょうか?
Aさんは、残り距離が150ヤードということで、7番アイアンを手にしました。
ショットがよかったAさんにとって、フェアウェイバンカーからクリーンにナイスショットをすることは容易に思えました。
Aさんのショットは少しハーフトップめではあったものの、ボールをクリーンにヒット。
しかし、低く出たボールは前方のアゴに突き刺さってしまいました。
次のショットはサンドウェッジに持ち替えて、目玉から脱出しようと試みるも、無情にもボールはバンカーから脱出することができずに、元の位置に近い場所まで戻ってしまいました。
ここからがAさんにとって地獄の始まり。
バッグからサンドウェッジ以外、7番アイアンしか持って行っていなかったAさんは、再度7番アイアンでグリーンを狙うも、先ほどのミスが頭をよぎり、今度はボールを上げようとしてダフり、その次のショットでは最悪のシャンク!
右の林に消えていき、無念のOBです。
その後も「ミスショット」を重ねたAさん、結局バンカーから脱出できるまでに費やした打数は「10打」でした。
クラブ選択は「絶対にバンカーから出る」番手を選ぶ
フェアウェイバンカーでは、ボールをクリーンにヒットすることが必須です。
クラブとの間に少しでも砂が挟まると、ダフって大きく飛距離をロスしてしまいます。
そのため、フェアウェイバンカーのセオリーは「トップめに打つ」ことなのですが、トップめに打つということは、当然ボールの高さが低くなります。
調子の良かったAさんは、そのことが頭に入っていませんでした。
通常の芝の上から7番アイアンで打った時の球の高さを想定していたんですね。
フェアウェイバンカーでは、グリーンまでの残り距離ではなく、「ハーフトップでも絶対にバンカーから出るクラブ」を選択すべきなのです。
さまざまなケースを想定し、3~4本クラブを持っていくべき
Aさんは、残り距離が150ヤードだからという理由で、カートから7番アイアンを抜いてバンカー方向に歩いて行きました。
ライが悪かったりアゴが高過ぎたりした場合に備えて、保険の意味でサンドウェッジを1本だけ足して。
しかし、ライは悪くなく、アゴもさほど高くない。加えてそのホールまで絶好調という「おいしい状況」が、Aさんを誘惑しました。
そして、その誘惑は次第にAさんに「こんなハズでは」と動揺を与え、冷静な判断力を奪っていったのです。
7番アイアンで出ないと判断したなら、本来ならサンドウェッジでとりあえず脱出するか、他のクラブを使用するべきでした。
後続組が後方で待っている状況だったので、Aさんは焦ってしまったのかもしれません。
やはり、どういう状況であろうと、クラブは3~4本持ってボール地点まで行くべきです。
これはフェアウェイバンカーだけではなく、その他のショットにも言えることです。
失敗を取り返そうとしてはいけない
前半まで2オーバーだったAさん。優勝のみならず、自分自身のベストスコアが見えていただけに、フェアウェイバンカーでの「ミスショット」(単なる「クラブ選択ミス」ですが)は想定外だったのでしょう。
そのミスを何とか取り返そうとしているのは、周りから見ても明白でした。
ゴルフは「ミスをするゲーム」です。打ち方が悪いミス、Aさんのようにクラブを選び間違えるミス、方向を間違えるミス……数えればキリがないほど、ゴルフではミスが発生します。
1ラウンド中まったくミスをせずにプレーする人など、プロでもいません。
上級者になればなるほど、ミスをしないのではなく、ミスをした事実を「受け入れて対処する」ことに長けています。
「ミスしたことは仕方がない。次のショットは同じミスにならないように、とりあえず次のショットを打てるところに確実に運ぼう」
このように考えることができるようになると、確実にスコアは縮まっていくのではないでしょうか?