ゴルフスイング
Nick Jagger
1つのショットに2つの“保険”をかけないことで、余計なミスショットを防ぐ
ここ数年、ゴルフ界でよく使われる言葉が「保険をかける」というショットです。
「保険をかける」とは、ミスが出やすい状況からミスを最小限に食い止める工夫です。
つまり、このような場面では、こんなことが起こるだろうという予測の下で、対策を施すことです。
2つの保険を同時にかけない
例えば、アゲインストの風が吹いているケースです。
ピンまで150ヤード、普通なら7番アイアンを使う人であれば、一番手大きめの6番アイアンをチョイスして打つのも、保険のひとつといっていいでしょう。
大きめの番手を持つことで、飛距離不足かもという不安がすでに解消されていますから、あとは普段通りのスイングをすればいいのです。
ところが、これに加えて、アゲインストの風に影響されないように低いボールを打とうとして、普段あまりやらないパンチショットを試みてしまうゴルファーをよく見かけます。
上からボールを潰して鋭角的に打ち込むショットですから、ダウンスイングで上体が突っ込んでしまったり、インパクトで頭が下がって、上手くヒットできずにミスショットしてしまったという経験を持つ人も多いのではないでしょうか?
低いボールを打つというのも“保険”のひとつですが、2つの保険を同時にかける必要はないのです。
保険は1つかければ十分です
低いボールを打つだけでならば、クラブの番手まで変える必要はありません。
ボール1個分だけ右足寄りに置いて、あとは普通にスイングするだけで十分です。
上級レベルのゴルファーになると、風に影響されてスイングリズムが狂ってしまうことを嫌いますから、アゲインストの風のときは番手を上げるだけで、普段のスイングをすることを心がけます。
通常7番アイアンを持つところを6番アイアンで打てば、弾道もやや低くなり、多少風に押し戻されても、自分の狙った想定内のエリアに収まってくれるはずです。
2つの保険がミスを呼ぶ
スライサーがティーショットの狙いどころを、左サイドのラフに向かって打つというのも保険のひとつです。
このケースも、狙いを定めたら、あとは普段通りにスイングするだけです。
スライスボールを予測して左を向いて構えているのに、スライスさせたくないとばかりに、インパクトで両手を急激に返してしまうと、左に引っ掛けてしまいます。
左を向いてチーピンという最悪のミスになってしまうのです。
右に曲げないための対策を取るなら、左を向いて構える必要はないわけです。
ラウンドを終えて、冷静に自分のプレーを振り返ってみると、意外に2つの保険をかけて打っていた場面があったことに気づくことでしょう。
そして、そのほとんどがミスに終わっていたはずです。
次のラウンドからは、ぜひこの点に気をつけてラウンドしてみてください。