ギア猿
Gridge編集部
6月の『ギア猿』は、トラブルショットをサルベージ第2弾!
今回は、前回好評だった「トラブルショットをサルベージ!」の第2弾です。
ゴルフをしていると、しばしばトラブルに見舞われますよね。そんな時、どうやってその状況から切り抜けるか、『ギア猿』的な解決策を伝授していきます!
目次
つま先下がりではどうするのが正解?
●状況
・つま先下がり
・ピンまで155ヤード
・軽いラフ
華丸さん、つま先下がりが「右に行きやすい」ということは知っていましたが、「なぜ?」と問われて答えに窮してしまいます。
その答えは「ライ角」。つま先下がりでは、スイング時に地面に沿うようにクラブヘッドのトウが下がりやすくなります。クラブヘッドのトウが下がると、フェース面は右を向くため、ボールは右に出やすくなるのです。
さて、このシチュエーション。華丸さんは平らな場所からでも155ヤードを打つ時に使用するという6番アイアンを手にしました。
実はこれがNG。
つま先下がりなどの傾斜では、「しっかりミートをするために下半身を動かさないでスイングしたいので、必然的にスイングが小さくなり飛ばない」(QPさん)。
なので、番手は少なくとも1つは上げるのが正解。実際の傾斜地に立った時に、フルスイングできないと感じたら番手を上げることが重要です。
このアドバイスを受け、華丸さんが打ち直した結果、見事グリーンオンしました。
斜面で打つ時何が起きている?
ここで、鹿又さんから斜面から打つ時の基本的な考え方について解説。
つま先下がりでフェースが右に向きやすいように、つま先下がりではフェースが左を向きやすくなります。
それでは、左足上がりや左足下がりではどうなるでしょう?
左足上がりでは、フェース面が上を向いてロフト角が寝るため、弾道が高くなり、飛距離が出にくくなります。
一方左足下がりでは、フェース面が立ってロフトが立つため、弾道が低くなり、飛距離が出やすくなります。
それでは、実際にこのような傾斜に遭遇した時は、どのようにスイングしたらいいのでしょうか?
QPさんによると「つま先下がりや左足下がりではアウトから、つま先上がりや左足上がりではインからクラブを入れます。なぜかというと、前者は手前に地面があるためインからは振れず、後者は奥に地面があるため、アウトからは振れない」から。
クラブの振り抜きやすさと地面の関係を覚えておけば、もう傾斜では悩みません!
つま先上がり・左足下がり・左足上がりから打ってみよう!
前段の説明を踏まえた上で、つま先上がり、左足下がり、左足上がりから華丸さんが打ってみました。
●状況
・つま先上がり
・ピンまで155ヤード
華丸さんは、番手を上げてユーティリティで狙いました。結果、グリーン左のバンカーにこそつかまったものの、距離も合ったナイスショットでした。
●状況
・左足下がり
・ピンまで155ヤード
・軽いラフ
先ほど「左足下がりは飛ぶ」と学んだ華丸さん、7番アイアンで狙うことに。
1球目はボールを上げようとしてミスをしてしまいましたが、再チャレンジした2球目は低い球でグリーンの手前まで運ぶナイスショット。
「傾斜がトラブルだと認識してほしい」(鹿又さん)
「距離だけじゃなく、シチュエーションでクラブが変わる」(QPさん)
●状況
・左足上がり
・ピンまで155ヤード
・軽いラフ
「左足上がりは球が上がりやすくなり、飛ばない」ので、番手を上げてユーティリティで狙いました。
1球目は、このような傾斜でよくある左への引っかけのミス。2球目、「ひざを動かさない」とつぶやいてから打ったショットは見事ナイスオン! 普段のユーティリティよりも高い打球でグリーンをとらえました。
このように、普段だったら大きいと思われる番手でも、弾道が高くなることで飛ばなくなります。
傾斜によってロフトが変わり、その結果距離が変わることを覚えておきましょう。
芝の薄いラフからのアプローチはどう打つ?
●状況
・ピンまで20メートル
・エッジまで3メートル
・芝が少ないラフ
華丸さんは、まず「ラフも少ないので」という理由でパターを選択。少しオーバーしたものの上りのパットを残すというまあまあな結果に。
次に「本当はしたい」という56度でのアプローチに挑戦。「普段と同じ」打ち方で挑んだところ、結果はパターとまったく同じ場所で止まりました!
そして、鹿又さんやQPさんが「プロだとこういうところでよく使う」と言うユーティリティで、パターのように打ってみます。パターだとラフの分食われてしまい距離感が出しづらいのが、ユーティリティなら関係なくなります。
ちょっとオーバーしてしまいましたが、これは練習して距離感を身に付ければ解決できそうです。
最後に、ウェッジでヒールアップして打つやり方。ボールを右に置いて、パターのように振ります。雨が降った後などのぐちゃぐちゃな地面から打つ時にツアープロなどがよくやる方法です。
この打ち方に慣れない華丸さんはグリーンオーバーしてしまいましたが、鹿又さんがお手本を示すと、見事ベタピンに!
これは、ぜひ覚えておきたいテクニックです。
距離のあるバンカーはどう打つ?
●状況
・ピンまで35ヤード
・グリーンエッジまで30ヤード
・砂は軽め
「エクスプロージョンショット(※)って何?」という華丸さんでしたが、この距離のバンカーショットでは60度で砂を薄く取って打つか、56度で強めに打つかという選択だそうです。
※ボールの手前の砂にクラブを打ち込んで砂と一緒にボールを飛ばす打ち方
QPさんいわく「それは(バンカーショットが得意な)丸山茂樹先輩の打ち方ですよ」と言われた華丸さんでしたが、心配する2人をよそにナイスアウトを連発!
華丸さんによると、「(2021年1月放送の『ウェッジをサルベージ』回で)バウンスの使い方を教えてもらってからバンカーが怖くなくなった」とのこと。
実は、ここで用意していた“答え”は別にありました。
このような距離のあるバンカーショットで、サンドウェッジを持ってしまうと、飛距離が足りずにバンカーの外まで届かないというミスがとても多いのです。
QPさんによると「本当はロフトが立っているクラブで打ったほうがやさしい」とのことで、このようなシチュエーションではピッチングウェッジやアプローチウェッジを開いて打つのがおすすめです。
「バンカーショットでは、砂が飛ぶ方向にボールが飛ぶので、砂が前に飛んだほうがバンカーから出ます」(QPさん)
トラブルショットのラスボス!? バンカーの大目玉は?
●状況
・ピンまで20ヤード
・あご下に大目玉
・砂は軽め
華丸さんは、「60度のウェッジを使い、フェースを立てて上からドン」という作戦。結果はバンカーから出ず……。
なぜ脱出に失敗したのか。
「フェースをかぶせる」は正解だったが、問題はスタンスにありました。
「クローズ(スタンス)にはできないよなぁ」という華丸さんに、「いいからクローズで打ってみて」と打たせてみると、見事脱出成功!
オープンスタンスにするとクラブの軌道がアッパーになってしまい上手く打ち込めないのが、クローズスタンスにすることで、クラブが打ち込みやすくなるのです。
最後に鹿又さんがデモンストレーションでベタピンのスーパーショット! 必見です。
クラブの機能を上手く使ってトラブルを乗り越えよう!
ギアをどう使うか、傾斜によって弾道にどんな変化が出るかなどを理解しておくと、どのクラブをどう使ったらいいかがわかってきます。
このような状況が難しいとわかってやるのとわからないでミスをするのとでは、まったく違います。
自分の中に様々なトラブルショットに対する“処方箋”を持っておくと、実際にラウンドする時にトラブルに遭遇しても、クラブ選びする時から面白くなり、ゴルフがより楽しくなります。
皆さんもぜひトラブルショットの打ち方を学んで、トラブルを楽しみましょう!
今月の放送予定は下記のゴルフネットワーク内『ギア猿』公式サイトまで!