Gride

gettyimages/1287576464
getty

プロゴルファー

こせきよういち

この顔で欧州ツアーNo.1の飛ばし屋~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#192

先週、その映像は欧米のゴルフファンの間で評判になったようです。

欧州ツアー競技「ジョバーグ(ヨハネスブルグ)オープン」の初日に飛び出した、驚異の439ヤードドライブ。

放ったのは細身の体(身長188センチ、78キロ)で、顏にはまだあどけなさの残る20歳=ウィルコ・ニエナベールでした。

しかも、この大会では3日目を終えて単独トップ。ツアー初優勝の期待がかかりました。

最後は優勝したヨアキム・B・ジャンセンに逆転され、2打差の2位に終わりましたが、すぐにも欧州ツアーで大活躍し、世界的なプレーヤーになりそうな予感が漂います。

そんな大器=ウィルコ・ニエナベールについてのあれこれ。

今季欧州ツアーの平均飛距離部門1位

まずはその一打をご覧ください(上掲のYouTube動画)。

大会初日の4番パー5(597ヤード)。彼にとっての13ホール目のティーショットは、いったいどこまで飛んでいくの? といった感じ。

439ヤード!

米ツアーのNo.1飛ばし屋=ブライソン・デシャンボーが今季(2020/21年シーズン)放ったロンゲストドライブは、全米オープンで記録した395ヤードですから、それを40ヤード以上置き去りにすることになります。

しかも、デシャンボーとは違い、米ツアーのキャメロン・チャンプのようなしなやかなスイングに、さらなる飛距離アップが期待されます。

ただし、この大会記事をよく読むと、コースは標高1500メートル以上の高地にあり、しかもこのホールは緩やかなダウンヒル。また、フェアウェイはかなり硬く、ボールがよく転がるように見えます。

なので、いつもいつも400ヤード級のティショットが飛び出すわけではありませんが、それでも彼は今季欧州ツアーNo.1の飛ばし屋。平均飛距離341.14ヤードで、部門1位なのです(2020年11月26日現在)。

欧州ツアーの「ライジングスター」

getty

動画をもうひとつ。

同じ初日の9番パー4(381ヤード、上掲写真のホール)では、ティーショットをグリーンオーバーさせています(下記リンク先、ツイッター連投の2番目の動画の冒頭をご覧ください)。

2000年4月、南アフリカ生まれのニエナベールは、2017年に南アフリカで国際競技3試合を含む11試合で優勝し、同国のトップアマチュアに。

19年にプロ転向し、欧州ツアーでプレー。

ツアー2年目の今季は、この「ジョバーグオープン」まで18試合に出場し、4試合でトップ10フィニッシュ。欧州ツアーのポイントランキング62位で、最終戦の「ドバイ選手権」の出場権獲得(60位)ももう目の前です。

欧州ツアーの「ライジングスター」と呼ばれるウィルコ・ニエナベール。

その爆発的な飛距離で、欧米のトッププレーヤーと堂々と渡り合う姿を早く見たいものです。

米ツアーの選手たちも飛距離アップに着手

getty

一方、米ツアーでは先の「マスターズ」を前に、デシャンボーが48インチの長尺ドライバーを操り、400ヤードドライブを目指すと発言。

それに触発されたのでしょうか。多くのプレーヤーが従来より長いシャフトに入れ替える動きが見られました。

本番ではフィル・ミケルソンが47.5インチ・ドライバーで参戦。マスターズのスタッツを見ると、フィルの平均飛距離は293ヤードで19位。50歳のシニアプレーヤーとしては立派な“飛ばし屋”ぶりです。

また、細身で非力に見えるディラン・フリッテリ(成績は5位タイ)は44.5インチから46インチに持ち替え、デシャンボーの同323.88ヤードに次ぐ2位の飛距離=315ヤードをマーク。

そして、優勝したダスティン・ジョンソンも従来の45.75インチのほかに、47インチを用意。

オーガスタナショナルGCでも実際にテストしたのですが、火曜日の練習ラウンドの結果、他のクラブのタイミングに悪影響があるとの判断で本番投入を回避したようです。

来年はデシャンボーだけでなく、意外なところから新たな飛ばし屋が登場するかもしれません。