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ショット・オブ・ザ・ウィーク!ザ・ホンダ・クラシック2019
いよいよ本格的なゴルフシーズンに向けて、一気に盛り上がりを押し上げる重要な大会、ザ・ホンダ・クラシック。
ジャッキー・グリーソン・インベラリー・クラシックとして1972年から開催されているこの大会は、1982年からホンダがスポンサーとなり、数々の名勝負を生み出してきました。
ザ・ホンダ・クラシックと言えば、毎年最後まで目が離せない激戦になるイメージが強い大会の一つです。
今年を含む過去20大会を見ても1打差またはプレーオフで優勝が決まった大会がなんと14回! さらに2打差で優勝が決まった大会も4回あり、実に20大会中18大会が2打差以内での激戦となっているのです。
今年のザ・ホンダ・クラシックも大混戦となり、最後はドラマティックな幕切れとなりました。
キース・ミッチェルが初優勝!
今年の覇者は、アメリカはテネシー州出身の27歳(独身)のキース・ミッチェルが、2017年本大会の優勝者、今季絶好調のリッキー・ファウラーと、優勝回数5回のうち3勝がメジャー大会(ちなみに他の2勝は日本のダンロップフェニックス)、日本でもお馴染みのブルックス・ケプカの猛追を振り切って初優勝を手にしました。
今年のザ・ホンダ・クラシックも最後まで、本当に最後まで盛り上がりました!
ショット・オブ・ザ・ウィーク!
いかがでしたでしょうか?
見どころはなんといっても、4位にランクインしたリッキー・ファウラーのチップインバーディーと、2位にランクインしたキース・ミッチェルのウィニング・パットです!
リッキー・ファウラーが最終日の17番ホール、グリーンのカラーから打った44フィート(約13.4メートル)のバーディーパットが緩やかなスライスラインを描きながらカップに吸い込まれます。
この時、リッキーは、すでにホールアウトしていたブルックス・ケプカと、すぐ後ろの組でプレーをしていたキース・ミッチェルの8アンダーを1打差の7アンダーで追いかけていました。そして、残るホールは2ホールのみ。
スコアを伸ばしたリッキーが、トップタイに躍り出ます。この時のアナウンサーの叫び声が大混戦を物語っています!
“リッキー イズ ゴーイング トゥー ノーウェアー!(リッキーはどこにも行かないぞ!)”
“どこにも行かないぞ”とは“優勝戦線から離脱しないぞ”という意味ですね。
また、キース・ミッチェルのクラッチパットもしびれました!
すぐ後ろの最終組でプレーをしていたクラーク・ウィンダムとビジェイ・シンは17番ホールを二人ともボギーとして、ウィンダムが5アンダー、シンが6アンダーと後退していたため、優勝争いは8アンダーで並んでいたケプカ、ファウラー、そしてミッチェルに絞られていました。
初優勝のかかった約5メートルのバーディーパット。
ミッチェルのパットが決まった時、まだ最終組でウィンダムとシンがプレーしていたため、アナウンサーも「まだオフィシャルではありませんが」と前置きし「初優勝を大きく手繰り寄せました!」とミッチェルのウィニングパットを興奮気味に伝えていました。
まとめ
今回のトップ5は「ハイライト」ではなく「ショット・オブ・ザ・ウィーク」であったため、1位に輝いたのは大会2日目のジャスティン・トーマスのチップインイーグルとなりました。
バンカー越えの難しいアプローチショットでしたが、うまくラインに乗ったきれいなカップインでした。
また、今年のザ・ホンダ・クラシックでは、すでに年齢は56歳とシニア世代になっているビジェイ・シンの活躍にも胸が躍りました。
2004年9月7日、タイガー・ウッズが264週守り続けていた世界ランキング1位を41歳(当時)のビジェイ・シンが奪い獲った時のニュースは、今でも鮮明に記憶に焼き付いています。
穏やかな表情とソフトタッチのアプローチ、そしてパワフルなショット! ビジェイは、筆者が憧れる理想のゴルファーの一人です。
56歳になったビジェイがPGAレギュラーツアーの最終日、最終組で戦える実力をキープしていることに対しては、敬意を通り越して嫉妬すら感じてしまいます。
20代の若者と、50代のシニアが同じ条件で対等に戦えるスポーツ。
ゴルフは本当に奥が深い…。