ゴルフスイング
もーりー
“フルスイング”と“目いっぱい振る”は似て非なるものです!【パート1】
皆さんゴルフを楽しんでいますか?
こんにちは、ライターのもーりーです。
ところで皆さんは“フルスイング”と聞いて、どんなことを想像しますか?
10割、100%、思いっ切り、力いっぱい、マン振り、目いっぱい……。
これらを思い浮かべた人は黄色信号ですよ!
“フルスイング”と“目いっぱい振る”というのは、英語と日本語の違いだけで同義語のように感じますが、実際は似て非なるもの。
この勘違いがあなたのプレーを難しくしているかもしれません。
プロゴルファーも目いっぱい振っていない!
2020年のゴルフ界を席巻したといえば、ブライソン・デシャンボー選手でしょう。
元々“ゴルフの科学者”と呼ばれ、ワンレングスアイアンや独特なスイング理論が話題となりましたが、決して飛距離で勝負するような選手ではありませんでした。
それが突如、コロナ禍のツアーが休みの期間中に肉体改造に取り組み、体は一回り以上サイズアップ、今やアメリカPGAツアーを代表する飛ばし屋となりました。
圧倒的なパワーで全米オープンを制したのは記憶に新しいですよね。
ドライバーの平均飛距離は320ヤード以上、コース条件によっては350ヤード以上のビッグドライブを記録することも珍しくないデシャンボー選手。
我々アマチュアからすると、まさに異次元の世界ですよね (;'∀') 。
しかし私が思うに、デシャンボー選手は本気を出せばもっと飛距離が出るはずだとにらんでいます。
いや、デシャンボー選手に限らず、ほとんどのプロゴルファーは試合での飛距離以上に飛ばすことができるはずです。
そうです、彼(彼女)らはフルスイングとはいっても目いっぱい振っているわけではないのです。
そもそもゴルフというのはただただ遠くに飛ばすことを競っているわけではありません。
18ホールとも決められた場所(グリーン)に設置されたカップに対していかに少ない打数で上がれるかを競っているわけです。
なので、どれだけ遠くに飛ばしたところで、大きく曲げてしまえば、むしろグリーンから遠ざかってしまいますし、ハザードにつかまってしまえば、罰打が加算されてしまいます。
ということでプロゴルファーは方向性を損なわない範囲の中で、最大飛距離が出るように調整しながら打っているというわけです。
しかし、100%の力で目いっぱいスイングしなくったって300ヤードを超えるようなビッグドライブを連発できるなんて、なんとも羨ましい限りですよね。
飛ばしの要素はヘッドスピードだけではない
ゴルフにおける飛ばしの要素として真っ先に思い浮かぶのはヘッドスピードでしょう。
これは皆さんご承知のとおり、ヘッドスピードが速ければ速いほど飛距離が出ます。
ちなみにヘッドスピードとはインパクト時のゴルフクラブのヘッドの速さのことであり、インパクトとは、ゴルフクラブのフェースにボールが当たる瞬間を指します。
自分のヘッドスピードがよくわからないという人は、ゴルフショップの試打コーナーやゴルフ練習場の測定器などで測定できますよ。
そして一般的にはドライバーの飛距離はヘッドスピードの5.55倍程度になると言われています。
一般的な男性ゴルファーだとヘッドスピードは40メートル/秒(m/s)ですので、ドライバーの飛距離は約220ヤードくらい、45m/sだと約250ヤード、男子プロゴルファー並みの50m/sだと約280ヤードといった具合になります。
しかしながら、ここで『おやおや?』と思った方がいらっしゃるかもしれません。
『ヘッドスピードは40m/sだけど、ドライバーは200ヤードくらいしか飛ばないよ』
『女子プロはヘッドスピードが40m/s前後でも240ヤードくらい飛んでいるよ』
そうなんですよね。
飛距離というのはヘッドスピードにはある程度比例しますが、別の要素のおかげでバラつきが出てしまうものなのです。
その要素というのがミート率です。
ミート率とはスイングの際にヘッドスピードで得たバワーをゴルフボールにどれだけ効率的に伝えられているかを示した数値になります。
要はどれだけしっかりクラブヘッドの芯で正確にとらえられているかということですね。
どれだけヘッドスピードが速くても、ミート率が低かったら飛距離は大幅にロスしてしまうことは理解しておきましょう。
フルスイングとはスイングスピードとミート率のバランスを取れるスイングでなければダメ!
ですから、フルスイングというのは、ミート率をしっかり担保できる範囲内での最大ヘッドスピードを出せる力感のスイングということになります(自分で書いておいてなんだか小難しいですね (;^_^A )。
具体的には7割くらいの力感でスイングする感じになるでしょうかね。
例えば初心者なんかでは5割くらい力感でスリークォーターショットのようなコンパクトなスイングのほうが飛距離が出る場合がありますが、これはそれ以上の力感だとミート率が損なわれるからに他なりません。
いずれにしろ力任せに目いっぱいスイングしても最大飛距離は出せないというのは間違いありません(このあたりのことは【パート2】で触れていければと思います)。
“フルスイング”と“目いっぱい振る”は似て非なるもの、ということを知っておくだけで、あなたのスイングは劇的に改善するかもしれませんよ!
(【パート2】に続く)