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【堀奈津佳『みんなはど~してるの?』】#10 ミート率を上げたい!ど~してるの?

女子プロゴルファー堀奈津佳が自身のギモンをさまざまな人に聞いていくコーナー『みんなはど~してるの?』、第10回目です。

今回のテーマは、「ミート率」。よく「ヘッドスピードが速くならなくてもミート率を上げれば飛距離アップする」と言われますが、ではどうしたらそのミート率は上がるのでしょうか。そんな疑問に迫ります。

進行役は、放送作家の無頼尊(ぶらいそん)です。

例によって“芯を食っていない”話題から入る冒頭ですが……

無頼尊 ひとつ、最近気になっている「あるある」がありまして……。

奈津佳 はいはい。この「無駄話」から入る、という「無頼尊あるある」ですよね?

無頼尊 そうそう“何も得るものがない”で評判の、この冒頭のやりとり……ってなんでやねん! 少なくともGridgeの編集長は楽しみにしてるわ!(たぶん)

奈津佳 (それも、あやしいな。むしろカットしたいはず)

無頼尊 ボクが言いたいのは、動画に自分の声が入ったり、自分の姿が出たりすると、その声や外見にガッカリしますよね、っていう「動画あるある」です。

奈津佳 ああ~! たしかに無頼尊さん、自身でゴルフのYouTubeチャンネルをやってますもんね。『デシャンボーになりたい!』って。あれは恥ずかしいですよね。

無頼尊 違う違う! 気になるのは中身の話じゃなく、そもそも、自分の声や“動きのクセ”です。

奈津佳 この『堀奈津佳チャンネル』でもバリバリしゃべってますよね?

無頼尊 そう、その声もしゃべり方も……自分自身では全然慣れません。

奈津佳 まあ、わたしは無頼尊さんの声やしゃべり方よりも、この「フリのトークとテーマとのつながりのなさ」に全然慣れませんけどね。

無頼尊 なんですと!? 今日はバッチリつながっていますよ! 今日のテーマは「ミート率」の上げ方です!

奈津佳 ん? 前振りトークとどうつながるんですか?

無頼尊 ほら、ボクのトークが全然「芯を食っていない」という……。

奈津佳 ああ! たしかにミート率悪いですよねー。トークもさることながら、先日一緒にラウンドさせてもらいましたけど、まあ当たらない当たらない。

無頼尊 うぅ……悩みが深いです。飛距離を出すにしても、方向性を良くするにしても、やっぱり芯に当てるのが大事とはわかりつつも、じゃあ、どうやったらいいの!? と。

奈津佳 ミート率ですかぁ。説明するのは難しいですね。打つ時に芯に当てることを意識してはいますが……。

無頼尊 その「意識」を具体的に説明してもらうことは可能ですか?

奈津佳 うーん……なんで「芯に当たるか」は説明しづらいけど、逆ならわかります。

無頼尊 逆!?

奈津佳 そう、わたしは調子が悪くなると「ヒールに当たることが多い」ということは自分自身で理解しています。

無頼尊 なるほど~! ご自身のミスの傾向をご存知なんですね!?

奈津佳 そうそう、自分の「ミスの傾向」を知ることが、ミート率アップの近道だと思うんです。で、これは例によってわたしの考え方なので、ほかの人にも聞いてみたいですよね。

井上透コーチ登場!

奈津佳 ということで、今日は素敵なゲストをお招きしました。わたしのコーチでもある井上透さんでーす!

井上  どうも~!

奈津佳 今日は来てくださってありがとうございます!

井上 来たのはそっちですけどね。

奈津佳 ああ、そうだ。今日は井上透コーチのスタジオにお邪魔しています。

無頼尊 さきほど奈津佳プロは「調子が悪くなるとヒールに当たる」と言っていましたが、試合の中でそれを修正したいと思った時はどうするんですか?

奈津佳 試合の中ですかぁ。ヒットする瞬間ってのは「一瞬」なので、いじれないんですよね。なので、打つ前に素振りを多くしてイメージを良くすることを心掛けています。

無頼尊 打ち方ではなくイメージを修正するんですね?

奈津佳 そうです。打つ瞬間に小手先で何かを変えようとすると、手で調整しちゃうことになっちゃうのでいい結果にはならないかなと。

無頼尊 ミート率が悪くなる、っていうのは「つかまりが悪くなる」ってことかなって
思うんですが、無理につかまえにいく、なんてことはしないんですね?

奈津佳 しないですね~。アイアンショットの時は「つかまえにいく」ことはありますけどね。

無頼尊 と言いますと?

奈津佳 アイアンではボールのコントロールのためにするんです。具体的に言うとドローが打ちたいって思った時はつかまえにいくって感じです。……で、合ってますか? 井上コーチ。

無頼尊 不意にコーチに振った!

プロが言うことはすべて正解?

getty

井上 コーチからすると基本的に「プロが言うこと」がすべて正解なんです。

無頼尊 すべてが正解!?

井上 そう、選手がやっていること、そして「上手くいくこと」はすべて正解なんです! 逆にその話ができないってことは、手段がわかっていないってことなので、そのほうが問題があるんです。

無頼尊 わあ、なんか深い話! では井上コーチはミート率に関してはどう思われますか?

井上 ミート率はね、明らかにハンディによるんですよ。例えば、ハンディキャップ36の人はまんべんなくフェースのいたるところに当たるんですよ。そして、ローハンディになっていくと、そこが芯かどうかはさておき、どこかに安定して当たるようになるんです。さらにそこから芯に近づいていく、というのが「上達の流れ」なんです。

無頼尊 なるほど! わかりやすい!

井上 なので、皆さん、始めたての時は「当たらない」のが当たり前なんです。逆に言えば、奈津佳はそういう年齢の記憶がないので奈津佳にとっての正解と一般アマチュアの正解とは違うんですよね。

奈津佳 そう、たしかに「勝手に芯に当たる」みたいな感覚なので違うかもしれません。あ、でも、ミート率上げるためにフェースにシール貼ったりするのってよくないですか?

井上 それは、超大事!

奈津佳 ミート率改善ってひと言でいっても問題は人それぞれですし、どこに当たっているかわからないと修正できないですよね! となると、フェースにシールを貼って確認するのは効率的ですよね! 目で見えて形になるからわかりやすいですもん。

井上 もう、大正解! アマチュアの方に「どこに当たったかクイズ」をやると全然当たらないんだよね。よくジュニアの選手にも試すんですが、当たったと思う場所を聞くと、フェースのものすごい先に当たっても「ヒールだ」っていうこともザラなんですよね。

無頼尊 へえ!

アマチュアは「フェースのどこに当たったか」がわからない!

井上 どこに当たったかそもそもわからないから、次にどうすればいいかわからないんです。

無頼尊 なのでまずは自分がどこに当たっているかを知ることが大事なんですね?

井上 そうです。シールは一番安価に簡単にチェックできる方法ですよね。

無頼尊 いろいろ伺っていると、ミート率はやっぱり練習量にかなり関わるってことでしょうか?

井上 例えば、パターだと「芯に当たるかどうか」というのが軌道とかなり関係があることがわかっていて、動きが安定しないと同じところにクラブが通過しないわけです。良かれ悪かれ「動きが安定する」ということが大事ってことなんですよね。

奈津佳 「軌道を安定させる」のが先決ってことですよね。

井上 基本はどんなに運動神経がいい人でも、ミート率が悪いところからスタートするんです。そこから短期で上達する人もいるけど、やっぱりかなり練習が必要ですね。

無頼尊 それも闇雲に練習するよりも、自分のミスの傾向を「フェースシール」などで
可視化して修正するのが大事ってことですね?

井上 そう、どこに当たるかをわかることによって「次にするべきこと」がわかるんです。ヒールに当たる人は、インパクトでフェース開きやすいってことだし、フェードを狙う人もなりやすいですよね。ライ角の影響も考えられるし。

無頼尊 そうやって「ミスの犯人」が狭められていく、と。

井上 はい、「ミスヒットが安定」してくると要因が想像できるんです。それさえわかれば、皆さんのお近くのコーチ、インストラクターに相談すれば、明確な回答が出てくるはずです。

無頼尊 よし、まずは自分を知るために自分の動画をチェックするか! ……って観たくないんだよなぁ自分の姿。

奈津佳 大丈夫です! 動画での振る舞いの「ミスヒット」も続けることで芯に近づいていきますから(ドヤ顔)。

無頼尊 (なんだろう、この「上手いこと言ったった」感)