Gride

プロゴルファー

無頼尊

【堀奈津佳『みんなはど~してるの?』】#7 フェードの打ち方、ど~してるの?

女子プロゴルファー堀奈津佳が自身のギモンをさまざまな人に聞いていくコーナー『みんなはど~してるの?』、第7回目です。

今回のテーマは、「フェード」。狙ったところに止めやすくケガをしにくい一方、ただのスライスになって飛距離が出ないことも。「飛んで止まるフェード」をプロと上級者から学びましょう!

進行役は、放送作家の無頼尊(ぶらいそん)です。

プロゴルファーのオフシーズンは忙しい!?

無頼尊 聞くところによると、プロゴルファーの皆さんは、超寒いシーズンオフでも
かなり忙しいそうですね?

奈津佳 その質問に答える前に、聞くところによると、というのは“誰に”聞いたんですか? 「皆さん」って誰ですか?

無頼尊 えっと、その質問に答える前になぜそれを気にするんですか?

奈津佳 その質問には答えましょう! それは……ウソだと思っているからだ~! 誰にも聞いていない、もしくはなんとなく知っている情報をベースに話しているだろう!

無頼尊 ギクッ! いやいや、「聞くところによると」の用法はそんなモンじゃないのかなって安易に思っていまして、すみません。

奈津佳 うん、大丈夫! ってか、聞くところによると、この「前置き」みたいなのは皆さん読み飛ばしているらしいですよ?

無頼尊 (それはアナタ、ご自分で思ってることをさも評判のように言ってるでしょ)

奈津佳 それはそうと、プロのオフシーズンの過ごし方ですよね?

無頼尊 はい、真冬でもラウンドは結構行かれているんですか?

奈津佳 そうですね、わたしのことをお伝えすると、1月は結構トレーニングが多めです。で、2月くらいからは結構ラウンドも増やしていく感じです。

無頼尊 へえ! 寒い時期もやはりゴルフ場は行かれるんですね! かく言うアマチュアは、年がら年中行ける時はグリーンが凍っていようが嵐が吹き荒れていようが、とりあえずコースには向かっちゃおう! なんて人が少なくないと思いますが、そんな人たちのためにも、今日も実戦的なことを聞きたいと思います。

奈津佳 実戦的とは?

無頼尊 以前「スライスに悩む人はドローを打つといいよ」ということでドローの打ち方を教わったので、今回は「フェード」の打ち方を教えてください!

奈津佳 かしこまり~!

アイアンショットは曲げて狙う!

getty

無頼尊 なんですか、そのテンション!?

奈津佳 いえね、元々持ち球がフェードボールなので「渡りに船」だなと。ピンを狙う時も好んで使います!

無頼尊 そもそもの質問になって恐縮ですが、プロだから真っすぐの球も打てるんじゃないかなとも思うんですけど、どっちかに曲げて狙うことが多いんですか?

奈津佳 ドライバーショットは、比較的本当にストレートに近い球を打つ選手もいますが、アイアンショットでずーっと真っすぐ打って狙っている選手っていうのはほとんどいないと思います。そもそも、私は真っすぐ狙うっていう直線的な感覚があまりないですね

無頼尊 そうなんですねー! では、満を持して、その得意球のフェードのコツを教えてください!

奈津佳 はい! まずはアドレスで変わる点があります! ちょっとオープンスタンスにするんです。フェードを打つ時は少しだけ左サイドに振り抜いていくので、そのための準備ですね。

無頼尊 ボクは気持ちも身体もオープンです!

奈津佳 (いまいち意味がわからないなぁ)ここで気をつけてほしいのが、「左サイドに振り抜く」って説明すると、右肩をかぶせるように振り抜く方がいらっしゃるんですけど、これは上から入ってフェードというよりはスライスになっちゃいます。

(スライスになりやすいカット軌道)

無頼尊 気持ちも身体も「スライス拒否反応」です!

奈津佳 (相づちのクセがつよい!)もしくは、ドライバーだとテンプラだったり、とにかくいい結果には結びつかないので、左に振り抜くっていうのはあくまでインパクトした後に意識を強めるのが大切だと思うんですね。

無頼尊 「インパクト ノ アト」 ヲ イシキ。ワカリマシタ。

奈津佳 ビックリするくらいの棒読み! 絶対に理解できていないですよね? フォローのことでもう一つ言うと、あんまりフェースのリリースをしないというのも大事です。

無頼尊 手首を返さないってことですね?

奈津佳 (これはわかってもらえたみたい)そう、インパクト後のフェースを閉じる動きっていうのは、ドローに比べて少なくなると思います。では、打ってみます。

フェードのフィニッシュはスリークォーターで止める!

奈津佳 いま、フィニッシュがスリークォーターくらいで止まったのがおわかりいただけたかと思うんですけど、これは、よりフェースが返るのを防いでる意識の現れです!

無頼尊 距離感でいうと、そのスリークォーターのフェードが「普通のアイアンの距離感」って感じですかね?

奈津佳 そうですね、はい。

無頼尊 これはかなり安定しそうで、すごくマネしたいです! そんな中、今日もゲストの方がいらっしゃるということですが?

奈津佳 今日も! トップアマチュアの風間さんにお越しいただいてます。よろしくお願いします!

風間 はい! きょうもやってきちゃいました。

奈津佳 もう、登場の動きがかなり「場慣れ感」出ちゃってますけど。

風間 すみません。

奈津佳 前回の動画でドローヒッターとおっしゃっていたんですけど、今回のテーマはフェードです。

風間 自信ないです

奈津佳 無頼尊さん、トップアマが「自信がない」とおっしゃってます。

無頼尊 では、今日はもうお引き取り願うということで。

奈津佳 ありがとうございました!

風間 ちょいちょーい!

奈津佳 (無頼尊さんの物言いがうつってきたな)

無頼尊 ドローヒッターということですけど、やっぱりシチュエーションによっては
フェードで攻めることもあるんですか?

風間 そうですね、ドローだと持ち球なんで気持ちよく打てることは確かなんですが、ひとたびミスすると、曲がり幅が本当に大きくなっちゃうんです。なので、左サイドが怖い時などにフェードを選択して打つこともあります。

元々ドローなんでフェードを意識しても「右には曲がりづらい球」が出て、右へのミスはほぼ心配いらないんです。そういうメリットを踏まえて、あえてフェードを打つケースもあります。

無頼尊 聞くところによると……。

奈津佳 (「誰に聞いたんですか」って、話の腰を折るのはやめておこうっと)

無頼尊 「井上透ゴルフ大学」でもいまフェードを練習されてるということなんですけど、それはまた、どういった理由から?

風間 それはですね、私、打点がヒールに寄りがちなんです。ドローはインサイドアウト気味に振るので、どうしても手元が前に出やすいんです。ですので、逆のフェードを打つことで打点の修正もできるのかな、と。

胸の向きを飛球線方向に向ける

無頼尊 では、ぜひ風間さん流のフェードの打ち方を教えてください。

風間 はい。ドローの時にも言ったのですが、意識するのは「目線」ですね。あと「胸の向きです。ドローとは対称的に胸がちょっと飛球線のほうを向くイメージで構えます。

フェードを打つ時は意識してオープンスタンスを取らないと左に振り抜けないので、事前準備というか、構えを大事にしています。じゃあ、打ってみます。

無頼尊 フィニッシュで肘を抜くような動きに見えたんですけど、そこは意識していますか?

風間 はい、インパクトでのイメージはボールに対してストレートに入ってきて、最後インに抜けていく感じです。その際、フェースローテーションを抑える意識も強めにします。ローテーションを抑える分、自然に肘を抜くようなフィニッシュの形になります。

無頼尊 プロ、いかがですか?

奈津佳 目線であったりとか体の向きであったりとか、練習場でもコースでも実践しやすいことがたくさん入っているなと思いました! 日頃からよく練習されているんだろうなっていうことが伝わってきました。ナイスショットです!

風間 ありがとうございます!

無頼尊 風間さんからは「目線」というお話がよく出るんですが、プロはそういうところは意識しているんですか?

奈津佳 はい、目線はすごく大事です。目線がズレているとアライメント(体の向き)そのものもズレてきて、全然違うところに飛んでいっちゃうので。無頼尊さんは「トークの目線」を大事にしてくださいね!

無頼尊 はい! “お笑い目線”を強めて頑張ります!

奈津佳 (“トークのアライメント”がもうズレているような)