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ストロングロフトアイアンって何?賛成・反対意見をまとめてみた
近年その立ち位置を確立しているストロングロフトのアイアン。その裏で、ストロングロフトの肯定派と否定派でかなり意見が分かれています。
そんなストロングロフトアイアンについて突っ込んで考えたいと思います。
肯定派と否定派の意見どちらも一理あり、今後のゴルフ界でなくなることのない議論かと思います。
目次
ストロングロフトアイアンとは?
ストロングロフトアイアンをまだ知らない人のために簡単に説明します。
ストロングロフトアイアンとは、一般的なアイアンよりもロフトを立ててシャフトを長くして性能を飛距離を伸ばすために特化させたアイアンです。
なんと言ってもストロングロフトアイアンのパイオニアといえば、ヤマハから発売された「UD+2」。
文字通りプラス2番手飛ぶことをうたい文句に、発売当時から絶大な支持を得ました。
初代UD+2の7番アイアンのスペックがロフト26度、長さ37.5インチ(スチール)でした。
同時期に発売されたYAMAHAのツアーモデル「RMX116ツアーブレード」の7番アイアンのロフトが34度、長さが36.75インチでした。
ここから見ると同じ7番アイアンなのにUD+2のほうが2番手分立ったロフトで長いシャフトを採用していることがわかります。
恐らく現在では、このジャンルは「ぶっ飛びアイアン」と称しているメディアが多いかと思います。
特に明確な基準が決まっているわけではないですが、目安としては7番アイアンのロフトが26~28度くらいがぶっ飛びアイアンとなるのではないでしょうか?
ただロフト立てて長くしただけ?
安直に考えると、ただロフトを立てて長くしただけだと「長い番手持ったのと同じじゃん」となりますが、各メーカーはテクノロジーをしっかり詰め込んでます。
比較的全メーカー共通している機能として採用されているのが、立ったロフトでもしっかり番手なりの球の高さを出せる低重心と深重心設計です。
重心を低くするために、超が付くほどワイドなソールも特徴的です。
なぜ否定派の意見があるのか
このストロングロフトアイアンは賛否がかなり分かれています。参考までに、比較的多く聞かれる否定派の意見を上げてみます。
・アイアンは飛ばすクラブじゃない
アイアンはグリーンを狙うクラブなので当然と言えば当然ですね。
・飛び過ぎて距離の計算ができない
確かに初めて使う人はその飛距離性能に驚くかもしれません。
・アイアンより下の番手がおかしくなる
ストロングロフトアイアンのピッチングウェッジは38~40度の場合が多く、ウェッジは52度からの人には明らかにロフトの差があり過ぎますね。
・ロフト立てて刻印が違うだけのアイアン
カタログスペックだけで見ると、確かに刻印の数字が違うだけのアイアンになりますね。
先述の4つの意見それぞれに肯定派の意見は?
このように否定派の意見でも頭ごなしに否定している訳でなく、それぞれしっかりとした理由があります。
そこでその4つの意見にそれぞれストロングロフト肯定派側の意見で対応してみましょう。
・アイアンは飛ばすクラブじゃない
・飛び過ぎて距離の計算ができない
この二つは、因果を逆に考えれば非常に理に適った使い方になります。
「飛ばすために使う」ではなく「飛ばなくなったから使う」と考えるのです。
例えばご自身の7番アイアンの飛距離をイメージしてください。130ヤード、140ヤード、150ヤード、各々がイメージする飛距離があると思います。
しかし数年後に飛距離が落ちてきたとします。長年ゴルフをやってると「届いたはずの距離が届ない」という状況が早かれ遅かれやってきます。そこで役に立つのがストロングロフトです。
ストロングロフトを使えば、今までのイメージと同じ距離が打てるんです。問題はどれくらい立ったロフトを使うか? ってだけなんです。
・アイアンより下の番手がおかしくなる
アイアンセットはピッチングウェッジが一番下で、その下には50度とか52度というイメージだと確かに非常におかしいセッティングになりますが、基本的にこういうメーカーは、ピッチングウェッジの下にもしっかり流れを考えて単品アイアンを用意しています。
50度前後まではアイアンセットの流れで問題なくセッティング可能なんです。
・ロフト立てて刻印が違うだけのクラブ
これはアイアンだけが言われる不遇の言葉じゃないでしょうか?
7番アイアン基準で現代のマッスルバックアイアンだと34度付近が多く、ストロングロフトアイアンは26度くらいです。
そのロフト差は8度です。
これがドライバーだったらどうでしょう?
現行で購入できる(レディース除く)ドライバーだと3度から12.5度まで存在します。
「SLDR」(テーラーメイドが2013年に発売したドライバー)には、男性用でも14度というロフトのドライバーもありましたね。その差は何と11度です。
アイアンよりもロフト差が大きいのに否定的な意見はあまり聞きません。
立ったロフトを使っていると「パワーがあるんだね」、寝たロフトだと「球を上げたいんだね」ってなりませんか?
なぜアイアンだけ、ロフトが違うだけでここまで「インチキだ」みたいな言われ方をするのでしょう?
使い方をしっかり理解すればハードヒッターにも強い味方
ストロングロフトアイアンといえば少なからず力の衰えてきたシニア層向けなイメージありませんか?
実はしっかりセッティングすればハードヒッターにも十分支持される相棒になり得ます。
こういうアイアンは単品で4、5番アイアンがラインナップされています。
通常のアイアンセットの上にストロングアイアンをユーティリティとして入れるゴルファーも意外といるんです。
有名どころだとフィル・ミケルソンが挙げられます。
彼のアイアンセットは「Apex プロ」(6~9番)で、その上に「エピック フォージド」(4、5番)を入れています。
良し悪しを見極めて最適なアイアンのロフトを見つけてください
まとめになりますが、アイアンのロフトは使用者が使いやすいなら何度でもいいんです。
イメージしている距離とイメージしている番手がリンクしていれば、7番アイアンが26度でも35度でも問題ありません。
「ゴルフ仲間に距離では負けたくないからアイアンも飛ばすんだ!」って使い方でもいいんです。
ゴルフは楽しんだ者勝ちですからね!