球も打たずに、お金もかからない。でも効果抜群な練習方法があるんです!
イメージトレーニングの実験1
オーストラリアのある心理学者が行った実験があります。
実験内容は、イメージトレーニングがバスケットボールのフリースローの技術向上につながるかどうか。
まず実験グループを3つに分け、それぞれに次の指示を与えました。
●グループA
フリースローを21日間、毎日20分間練習させ、初日と最終日のスコアを記録。
●グループB
1日目と21日目のスコアを記録。その間の日は何もしない。
●グループC
1日目のスコアを記録。次の日から毎日20分間、フリースローをしている自分をイメージさせた。そして21日目にスコアを記録。
この21日間の実験の結果は次のとおりでした。
グループA:成功率が24%上がった
グループB:進歩なし
グループC:成功率が23%あがった
グループBは当然のことながら技術の向上はなかったようです。
しかしグループCに、グループAとほぼ等しい技術の向上があったとは驚きではないでしょうか。
イメージトレーニングの実験2
次はピアノを使ったイメージトレーニングの実験です。
3つに分かれた実験グループに、次の指示が出されました。
●グループ1
5日間、毎日2時間、ピアノを弾いて練習する。
●グループ2
5日間、毎日2時間、ピアノを弾いている自分を具体的にイメージする。
●グループ3
5日間、練習を行わない。
その結果、それぞれのグループの上達度合は次のようになりました。
グループ1:3グループの中で最もピアノが上達した
グループ2:グループ1の練習3日目と同程度の上達が見られた
グループ3:上達せず
イメージトレーニングのみを行ったグループ2は、実際にピアノを弾いてトレーニングをしたグループ1の3日目と同じくらい上達していたのです。
さらにその後グループ2に、ピアノの練習を2時間行わせたところ、グループ1と同じレベルまで上達したようです。
イメトレを取り入れたほうが上達速度はアップする
さらに面白い実験があります。
アメリカ航空宇宙局(NASA)で研究員の経歴をもつチャールズ・ガーフィールド博士は、世界でトップクラスの競技選手たちを4つにグループ分けしました。
そしてそれぞれのグループに、実際に身体を使う練習とイメージトレーニングを、以下の比率で行わせました。
グループ1:身体練習100%
グループ2:身体練習75%、イメージトレーニング25%
グループ3:身体練習50%、イメージトレーニング50%
グループ4:身体練習25%、イメージトレーニング75%
そして1980年の冬季オリンピックで、それぞれのグループの成績を比較しました。
結果はグループ4が最高の成績を示し、次いでグループ3>グループ2>グループ1の順の成績だったようです。
ビックリですよね。
多くの時間をイメージトレーニングに費やしたグループが一番良い成績だったことにも驚きますが、実際に身体を使って練習したグループの成績がもっとも悪いなんて。
まとめ
このように、イメージトレーニングの効果は明らかになっているのです。
それならば、取り入れるほうが絶対に得ですよね。
しかもお金もかからず、移動中や風呂やトイレなど、いつでもどこでもスグに取り組めます。
ゴルフの神様といわれるベン・ホーガンは、試合中に実際にボールを打つ前に球筋をイメージし、思いどおりにボールが飛んでいると感じる訓練をしたと言っています。
「自分を動かす―あなたを成功型人間に変える」マクスウェル マルツ (著)、 小圷 弘 (翻訳)
いろんな制約があるアマチュアゴルファーにとってイメージトレーニングは、とても有効な練習方法ではないでしょうか。
試しに一度、取り組んでみてください。