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コースボールと大違い!練習場で使用するレンジボールの特徴とは?
練習場で何気なく打っているゴルフボール。
実は、コースで使うために販売されているボールとは、まったくの別物だということを知っていましたか?
言われてみると確かに、打感も違うし飛距離もコースと比べてないような?と、合点が行った人も多いと思います。
今回は、練習場で使用するレンジボールの特徴や、実際に使用するコースボールと比べて、どんな点が異なるのか、などをご紹介していきます。
目次
レンジボールとは?
レンジボールとは、練習場で使用されているボールの名称です。
見た目はコースボールと同じですが、その性能はコースボールとは全く違います。
最近ではコースボールを使用できる練習場もあると聞きますが、それは数あるゴルフ練習場の中の、ほんの一部の話。
ゴルフ練習場のほとんどが、練習場専用球である、レンジボールを使用しているのです。
レンジボールの特徴
それでは、レンジボールは、どのような特徴を持っているのでしょうか?
一番にコレと挙げられる特徴は、耐久性です。
ゴルフ練習場には、毎日オープンからクローズまで、たくさんの人が訪れ、たくさんのボールを打っていきます。
通常のコースボールと同じものを使ってしまうと、すぐにボールが消耗して交換が必要になってしまいます。
そのため、レンジボールは飛距離よりも、多くのゴルファーが利用していく中でも、なるべく入れ替えの少ないよう、耐久性が重視されているということです。
次に特徴として挙げられるのは、コストが安いという点です。
いかに耐久性に優れているといっても、打ち続けられていれば、いつかはボールは使い物にならなくなってしまいます。
練習場の規模にもよりますが、ボールを一気に入れ替えようと思うと、かなりのコストがかかります。
定期的に来るそのコストを抑えるために、レンジボールは、コストの安いものが使用されているのです。
レンジボールを作っている主流のメーカーは?
さて、そんな特徴を持つレンジボールですが、どんなメーカーによって作られているのでしょうか?
実は、レンジボールには2大メーカーと呼ばれるメーカーが存在します。
それが、ダンロップの「スリクソン」と、ブリヂストンの「ツアーステージ」です。
どちらも、ゴルフをしている人なら聞いたことがある、有名メーカーですよね。
2大メーカーとはいえ、その普及率には差があるようで、全国の練習場で使用されているレンジボールは、スリクソンが圧倒的に多いです。
詳細な理由は不明ですが、前述したレンジボールの特徴である、耐久性と低コストをより兼ね備えているのがスリクソンの方であったのかと思われます。
皆さんが通っている練習場のレンジボールは、どこのメーカーのものですか?
一度チェックしてみてくださいね!
レンジボールの種類
レンジボールの2大メーカーをご紹介しましたが、さらに、レンジボールには種類があるということはご存知でしたか?
その種類は、ボールに書いてあるメーカーのロゴの色で表され、赤、緑、青、黒の4つに分けられます。
赤が一番飛距離が出やすく、続くのは緑。青は緑と似たような飛距離で、その次に黒が続きます。
一番飛ぶ赤と、一番飛ばない黒では、同じように打っても、飛距離が大きく変わる可能性があるのです。
この話を聞いて、赤一種類にしてしまえば良い、と思う人がいるかもしれません。
しかし、練習場の広さにより、近隣に迷惑をかけないための施策のひとつとして、黒を導入している練習場もあるのです。
練習場で使っているレンジボールのロゴは、何色か?を確認することで、いつもより飛距離が出ないと焦って練習し、結果、スイングの形を崩してしまうという悪循環に陥ることを防げます。
レンジボールとコースボールの5つの違い
それでは、上記の特徴を踏まえた上で、実際にレンジボールとコースボールには、どのような違いがあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
1.飛距離
レンジボールは、コースボールよりも飛距離が落ちます。
その理由は、レンジボールとコースボールの構造の違いにあります。
合成ゴムだけで作られているものをワンピース、外殻に1層のラバーコアのものをツーピース、ラバーコアが2層になればスリーピース、3層になればフォーピースと言います。
練習場で使われているレンジボールはワンピース~ツーピースのもの、コースボールで使われているものは、スリーピース~フォーピースのものが主流です。
層の構造の違いが飛距離の差を生み出しており、レンジボールはコースボールに比べ、5~10%程度、飛距離に差が出てきます。
2.スピン量
レンジボールは、コースボールと比べて層が少ないことと、肘や手首への衝撃を少なくするため、柔らかく作られています。
その柔らかさから、インパクトの瞬間にボールは大きく潰れることとなり、クラブフェースとの球離れが悪く、フェースに長くボールが乗っているような状態となります。そのため、スピンが多くかかります。
そして、バックスピンだけではなく、サイドスピンも比較的多くかかる傾向にあります。
コースではあまり出ないのに、練習場ではスライスの連続で、悩まされているという人はいませんか?サイドスピンが多くかかると、ボールはやや右に飛んでいってしまいます。
スライス系のボールが出てもあまり悩むことなく、ナイスショットの範疇であると気にしないことも大切です。
3.ボールの弾道
同じようにスイングをしても、レンジボールの弾道は、コースボールよりも低く出る傾向があります。
これは、ドライバーで打ったときに練習場のネットを越えていってしまうようなことがあれば、近隣の施設や住宅に迷惑をかけることになってしまうので、わざと低く出るように、弾道を抑えていると言われています。
ただ、こちらも練習場によっては、コースボールと同等の高さまで上がるボールを使っているところもありますので、自分の打ち方で弾道が低いのか、レンジボールの特性により弾道が低いのかを、確認する必要がありますね。
4.ボールのつかまり
ボールのつかまりとは、インパクト時のフェースローテーションを利用して、ボールが外側に逃げないようにすることを言います。
「つかまりが良い」は、ボールが左に飛びやすいことを表し、「つかまりが悪い」は、ボールが右に飛んでいってしまうことを表します。
つかまりが悪いとスライスやチーピンのミスショットとなってしまいますが、つかまりが良すぎても引っ掛けなどで思い通りの場所にボールを運べないため、そこそこつかまるボールやゴルフクラブが求められています。
スピン量の項でもお伝えしたように、レンジボールはその構造により、柔らかく作られており、バックスピンだけでなく、サイドスピンも多くかかります。
それにより、スライス系のボールが出やすくなるため、レンジボールは、つかまりにくいボールであると言えるでしょう。
5.初速
ボール初速が速ければ速いほど、短時間でボールを遠くに飛ばすことができ、結果的に飛距離がアップすると言われています。これは、エネルギー保存の法則で示されています。
練習場で使用するレンジボールは、そもそもこの初速が抑えられるよう設計されています。
これも、ボールが飛びすぎることによる事故を防ぐためと言われています。
練習場の各打席に計測器がつ初速とは、ゴルフクラブがボールにヒットして、ボールが打ち出された速度のことを言います。ボールスピードと呼ばれることもあります。
いていて、自分で飛距離や初速、ヘッドスピードなどを計ることができる場合、一度、どれくらいの初速なのか数字で見てみるのも良いでしょう。
色々な面から、コースボールとレンジボールの違いを見てみました。なるほどと納得できる点も多かったのではないでしょうか?
自分の行く練習場の距離を計ってみよう
さて、レンジボールは、コースボールよりも飛距離や初速が落ちることを説明しました。
その特性から、練習場のヤード表示は、実測より近い距離に置かれていることがあります。
練習場の距離感を身に着けていると、コースに行った時に、例えば100ヤードが、「こんなに遠かったかな?」と、違和感を覚えることがあります。
レーザー距離計などを持っている人は、一度実際の距離を把握して、自分が練習している距離が本当に表示通りなのかどうかを確認してみることも大切です。
ヤード表示が実測より近い距離に置かれていれば、実際には何ヤードと頭に留めておかなければ、コースでズレが生じてしまいかねません。
練習場でコースボールを打つことはNG!その理由は?
練習場では、コースボールの使用をNGとしているところがほとんどです。
それはなぜか?コースボールのほうが、レンジボールよりも、球速も飛距離も出ることがその理由です。
ほとんどの練習場では、限りがある敷地の広さに合わせて飛距離が出ないレンジボールを採用し、さらに敷地をネットで囲って、近隣の住居や施設に配慮をしています。
もしも、このような練習場でコースボールを使ってガンガン飛ばせば、ネットを突き抜けて近隣の建物や人に被害を及ぼす危険性があるのです。
なかには、それが原因で近隣住人と裁判沙汰になったり、廃業する練習場も。
一球くらい、と、自分のキャディバッグに入っていたコースボールを使ってしまう人もいるかもしれませんが、決められたルールやマナーはしっかりと守るようにしてくださいね。
練習場ではレンジボールの特性を理解して練習しよう
練習場で使うレンジボールには、さまざまな特徴があることを踏まえて取り組むことが、コースで飛躍的にアップする秘訣のひとつです。
レンジボールは基本的に飛距離も弾道も、コースボールに比べて落ちます。
それを無理に高弾道のボールを打とうとしたり、飛距離を出そうとすることで、アッパースイングになったり、無駄な力みが出るようになったりと、スイングを崩す原因になりかねません。
せっかく上手くなるために練習に来ているのに、そうなっては元も子もないですよね。
コースボールとは構造からして違うということを理解し、無理矢理打たないことが大切です。
まとめ
ゴルフの腕を磨くため、日々、練習場で練習に励む人も多いと思います。
しかし、練習場で使用するレンジボールと、ラウンドで使用するコースボールとでは、ボールの構造が違い、飛距離や弾道、スピン量など、いろいろな点で違いが生じます。
練習場では、飛距離が落ちても、ボールが低くても、球筋が少し右に逸れてしまっても、「そういうものだ」くらいに軽くとらえて、無理にそれを治すためのスイング改造には着手しないようにしましょう。
日々の練習が、ゴルフの上達へ導きます。がんばっていきましょう!