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iyori
ゴルフでロストボールの処置やペナルティは?新品と性能の違いは?
ゴルフをしていてフェアウェイを狙って打ったとしても、寸分の狂いもなくその場所にボールを置くということは、プロゴルファーであっても難しい話。
ましてやアマチュアゴルファーであれば、ショートホールを除く14ホールすべてでフェアウェイキープができたという人は、ほとんどいないでしょう。
打ち込んだ場所のラフや雑草がとても伸びていた場合や、人がなかなか入り込めないくらい生い茂っていた場合、ボールが見つからないという経験をした人も多いと思います。
今回は、そのような「ロストボール」時に適用されるルールについてと、その対処法、さらにはロストボールの性質についても話していきましょう。
目次
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- ロストボールとは?
- ロストボールをしてしまった場合の3つの対処の仕方
- a.同じ場所から打ち直して1打罰のペナルティを受ける
- 【a.補足】ボールを探しに行く前に暫定球を打つ
- b.前進して特設ティーから打ち直す
- c.ロストしたであろう場所から2打罰でプレーをする
- ロストボールをしてもペナルティがない場合も
- ロストボールを拾った場合は○○罪?
- ロストボールの回収業者が存在する!
- ロストボールの行末
- 新品ゴルフボールに比べてロストボールの性能の違いは?
- 初心者はロストボールを使うのもアリ
- いま人気のロストボールの銘柄と価格はこちら
- ロストボールをしないように練習をがんばろう!
- 2019年ルールを確認しておこう!
- コチラの記事もオススメです。
ロストボールとは?
まず、ロストボールとはどういったボールのことを言うのでしょうか?
ロストボールとは、日本語では「紛失球(ふんしつきゅう)」と呼ばれています。
自分のボールが見当たらない時、ボール探しの時間を3分間と定め、時間内に見つけられなかった時は、ルールに則った救済を受け、相応の処置をすることとなります。
この「3分間」は、2019年のルール改正以前は、5分間と設定されていましたが、スロープレーにならないよう、プレーファストの観点から、3分間に改定されました。
探し始めて3分経過した時点で、そのボールはロストボールとなり、仮にその後見つかったとしても、そのボールでプレーをすることは認められていません。
ボールを探し始めたどの時点からカウントを始めたのかは正直なところ曖昧ですが、2019年の新しいルールとなった後で、同伴競技者に球の捜索時間が3分を超えていたと指摘されて失格となった例もあります。
気持ちよくプレーするためにも、プレーヤー間で確認しあいながら処置を決めることが大切です。各プレーヤーの「時短」でスムーズなプレーが期待されています。
ロストボールをしてしまった場合の3つの対処の仕方
自分の打ったボールが3分以内に見つからず、ロストボールになってしまった場合はどのような対処法が取られるのでしょうか?
以下に3つご紹介します。
ただし、こちらはゴルフ場特有・または友人知人同士のプライベートコンペなどで頻繁に使用されているローカルルールを含む対処法となります。
競技に参加していてロストボールになった場合は、その競技ではどの対処法が適用されるかをしっかり確認し、それに沿った方法を取るようにしてください。
誤った対処法をしてしまうと、それに対して罰が加えられる可能性もありますし、それに気づかずホールアウトしてマーカーにチェックを受けてしまうと、失格となる可能性もありますので、十分に気をつけてください。
a.同じ場所から打ち直して1打罰のペナルティを受ける
ロストボールとなった時には、そのボールを打った場所まで戻り、できるだけ元の場所に近い場所に他のボールをドロップして打ち直す必要があります。この際、1打罰のペナルティがつきます。
これが、競技でも使用されている、もっとも公式なロストボールの処置となります。
【a.補足】ボールを探しに行く前に暫定球を打つ
上記で、ボールを探しても見つからず、ロストボールとなってしまった場合、そのボールを打った場所まで戻り、と説明しましたが、ボールがありそうな場所に行ってボールを探してそれから戻るとなると、その分時間をロスしてしまうことになり、プレーの進行に支障をきたす可能性が予想されます。
それの防止策として、あらかじめ「暫定球(ざんていきゅう)」を打っておくことが大切です。
ただし暫定球は、正式な競技ルールでは、ハザードやOBがなく「ロストしているかもしれない」という理由では認められていませんので、暫定球についても打つ前に確認を取るようにしてくださいね。
暫定球は、もし最初のボールをロストしてしまったり、見つかったとしてもOB(アウトオブバウンズ)だった場合には、こちらのボールを採用しますという意味のものです。
1球目が見つかった場合には、2球目(暫定球)をピックアップして1球目でプレーを続けます。
暫定球を打つ前には「暫定球を打ちます! 1球目は◯◯◯の◯番、2球目は△番です!」というように、キャディさんや同伴者に対して、ブランド名とボールナンバー(もしくは自身で付けたボールマークの違いなど)をはっきりと伝えます。
こうすることにより、2球目も同じ場所に行ってしまった時に、どちらが1球目かわからないといったミスを防ぐことができます。
ボールを打ち直しに戻る必要がないため、プレー時間短縮という意味では、積極的に使いたい方法です。
b.前進して特設ティーから打ち直す
こちらは、ティーショットがロストボールになってしまった場合に選択できる方法です。
ロストボールではなく、あきらかにティーショットがOBであった場合にも、この方法が選択できます。
「特設ティー」と呼ばれるゴルフ場が設置した場所があるため、2打罰を受けてその場所からプレーを再開します。
ティーショットがロストボールまたはOBで、特設ティーからプレーをし直す場合、そのショットは「4打目」となります。
特設ティーを設置していない、設置していてもすべてのホールではないというゴルフ場もありますので、その場合は暫定球を打っておくか、下でご紹介するc.の方法でプレーを再開していくようにしましょう。
c.ロストしたであろう場所から2打罰でプレーをする
2019年以前はロストボールに対する処置は、上記2つの方法だけでした。
しかし、2019年のルール改正で、新たに3つめの方法が加わりました。
それが、ロストしたであろう場所から2打罰でプレーをする、というものです。
ボールを探して3分経過して見つからなかった時、この辺りでロストした、という場所に、別のボールを膝の高さからドロップし、そのままプレーを続行します。
例えば、ティーショットでロストボールをしてしまった場合はボールをドロップをしてロストした辺りから4打目でプレー、セカンドショットでロストボールをしてしまった場合は、ロストした辺りにボールをドロップして5打目でプレー再開となります。
ロストボールに対する処置は以上3つです。
もし自分のボールが見つからなかった場合でも、焦らずにいずれかの方法でプレーを再開してくださいね。
ロストボールをしてもペナルティがない場合も
ロストボールをしてしまった場合、取られる処置としては上記3つですが、例外として、ロストボールの場合でも、ペナルティを課されないことがあります。
1つはボールが明らかに人工の障害物の中にある、あるいはコースの「異常な状態」とみなされる箇所に入っているということが、ほぼ確実である場合。
もう1つは局外者によって、ボールが持ち去られたり、紛失させられた場合、という、2つの場合です。
前者は、見える位置にある動かせない障害物や修理地、カジュアルウォーターなどにボールが入ったことが確認できている、またはほぼ入ったことが確実で、ボールが見つけ出せない場合などが該当します。
後者の局外者には、競技者以外の人間や、動物などが挙げられます。
これらの場合、その障害物などを救済のニアレスポイントとし、ペナルティなしにドロップ、プレーを続行することが可能です。
ロストボールを拾った場合は○○罪?
ロストボールについて、ルール等の説明は以上となります。
ところで、ゴルフコースでプレーをしていて自分や同伴者のボールを探しに行った時に、ロストボールを見つけたという経験を持つ人も多いですよね。
そのロストボール、皆さんはどうしていますか? こっそり自分のポケットに入れてしまおう、と考えてしまいませんか?
実は、ロストボールは、そのボールの持ち主が探すのを諦めた時点で、本人による回収は困難とみなされ、所有権がゴルフ場に移ります。
つまり、そのボールを勝手に持ち帰るということは、法律上「窃盗罪」に当たることになるのです。
現実的には、偶然見つけて拾ったボールの1個や2個、こっそりと持ち帰ったり、次のホールで使用したりなど、そのくらいであればゴルフ場から罪に問われることはありません。
しかし、最初からロストボールを持ち帰る目的で、ロストボールで鞄をいっぱいにしたり、積極的に林の中に入ったり池の底をさらったりという行為は、もってのほかですので、絶対にしないようにしてください。
ロストボールの回収業者が存在する!
それでは、ロストボールはずっとそのままコースに放置されているのかと言うと、そうではありません。
実は、ロストボールを回収することを業務としている会社が存在しているのです。
ロストボールは、通常、人が簡単には入っていけない林の中や池の中にたくさん集まっています。
特に水深の深い池の中などは、専門の業者でなければ命の危険を伴う作業となります。
池のロストボールは、「ゴルフボールダイバー」と呼ばれる、ダイビング経験を持つ人たちが、ゴルフプレーヤーのいない時間帯に、酸素ボンベをつけて池に潜り、手作業でボールを回収します。
ゴルフプレーヤーのいない時間帯となると、作業は早朝や深夜にかけて行われることもあり、また、冬の寒い時期などは、氷を割ってその中から池に入るということもあるため、過酷な業務であることが伺えます。
ロストボールの行末
ロストボール回収業者によって拾われたボールは、機械できれいに洗浄され、買取業者やインターネット上で、一般ユーザーに向けて販売されます。
よく、インターネットオークションで「ロストボール1ダースいくら」といった表記を見かけたことはありませんか?
ゴルフショップに行っても、ロストボールを何個か詰め合わせたセットが、新品のボールよりもかなり割安に販売されている光景を見かけたことがあると思います。
価格帯としては、30球〜50球のセットで、2000円〜3000円といった具合でしょうか。
もちろんこれは、集められたロストボールの状態や、メーカーによってもばらつきが生じます。
ゴルファーの手を離れロストボールとなったそれらのボールは、このような経緯を経て、店頭に並んでいるのです。
新品ゴルフボールに比べてロストボールの性能の違いは?
ロストボールがいくら安く販売されていたとしても、その性能が新品と比較して大変劣るようであれば、使用することをためらってしまいますよね。
店頭で販売されているロストボールを良く観察してみると、見た目は新品同様、きれいなものが大半かと思います。実際に、中には一度ショットされただけで紛失となったボールもありますので、そのようなものは新品同様の性能を持つと言って良いでしょう。
しかし、実情を見てみると、ロストボールは、池の中から、上記でご紹介したゴルフボールダイバーが回収してきたものが大半です。
なぜ池の中が大半かと言うと、回収業者にとって、林の中などをくまなく探すより、池の、ボールが集まりやすい特定のポイントに重点を置いてボールを回収するほうが、圧倒的に効率が良いからです。
ゴルフボールに用いられているゴムなどの素材は、水に浸けておくと、加水分解という化学反応により、性能が変化するものが含まれています。
そうなると、飛距離に大きく影響をもたらす反発性能がダメージを受けている可能性が大きいのです。
新品のボールに比べ、飛距離性能が落ちていたり、同じ速さ、同じ幅でパッティングしたとしても、均一性に欠けていたりなど、ボールにより当たり外れが大きい可能性があります。
初心者はロストボールを使うのもアリ
平均スコアが90を切る集団の中で、実際にロストボールをラウンドで使用しているというゴルファーは、非常に少ないです。
上級者になるほど、ロストボールを使用することはせず、新品のボールを使っている、ということです。
しかし、それではロストボールを使わないほうが良いかと言うと、決してそうではありません。
ゴルフを始めたばかりの初心者の方や、ラウンド経験が少ない人は、ボールがどこに飛んでいってしまうかスイング自体が不安定な方も多いため、ロストボールやOB、池ポチャなど、さまざまなミスをするリスクが生じます。
その分、他のゴルファーに比べてボールをなくす数が多いため、そういった方は、ロストボールを購入し、まずは経験を積むことをおすすめします。
次第に自分のスイングを身に着け、安定してきたときに、ロストボールを卒業し、新品のボールを使うのも、ステップとして良いかと思います。
ただし、ロストボールと同じくらいの価格帯の新品の廉価ボールもありますので、そちらを選んでもいいかもしれません。
いま人気のロストボールの銘柄と価格はこちら
ロストボールにも、人気の銘柄が存在します。
性能にばらつきがあると言っても、ボール自体が良いものであれば、安心感は強いというもの。
インターネット通販の大手「楽天市場」でのロストボールの売れ筋を見てみると、「TITLEIST(タイトリスト)PRO V1」や、「ブリヂストンゴルフ TOUR B JGR」、「ツアーステージ PHYZ」、「SRIXON(スリクソン)Z-STAR」などが上位にランクインしており、3000円〜6000円くらいの価格帯で販売されています(2020年11月現在)。
ほかにも、カラーにより分別されていたり、ロストボールの状態によりランク分けされていたりと、いろいろなボールを試すことで、自分に合ったボールを見つける足がかりになるかもしれません。
ロストボールをしないように練習をがんばろう!
ここまで、ロストボールについて説明してきました。
ロストボールをしてしまった場合の処置については、そこまで難しいルールは定められていないため、簡単に理解できたかと思います。
また、ロストボールを見つけた場合に勝手に持ち帰ることは許されておらず、専門の業者が回収して買取業者に買い取られたあと、ロストボールとして店頭に並ぶというルートも紹介しました。
たかがロストボールと思わず、なかには新品ボールの市場でも人気のゴルフボールが販売されているなど、掘り出し物もあるかもしれません。
まずは、自分でロストボールをしないように、気をつけてコースでプレーを楽しみましょう!