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パット音に耳を傾けてみよう!~ディスタンス系とスピン系の違い

耳を澄ませて聞くと、パット音にも様々な音色があります。

その音色の意味を考えてみました。

ディスタンス系のボールはスピン系に比べて音色が高い

タブレットを使って、パット音の周波数を分析してみました。

マイクは結構ノイズを拾うので、深夜か早朝、ノイズレベルの下がる静かな時間を狙って実験する必要があります。

いろいろなボールを分析してみましたが、どのボールも5KHz近辺に強度の山が現れます。

ディスタンス系のボールは、スピン系に比べてこの強度が強い傾向にあり、比較的高い音色を発します。

パッティングはヘッドスピードが遅いので、インパクトではボールの表面層しか変形しません。

従って、ボール表面層の材質が音色に影響していると考えられます。

ディスタンス系のボールは、一般的に表面層に硬い材料が使われていますので、これが高い音色になって現れていると見られます。

個人的には高い音色が好みなのですが、話はそう単純ではありません。

ディスタンス系ボールはショートゲームで暴れやすい!?

ディスタンス系ボールは、コアは柔らかく表面層に比較的硬い材料が使われています。

これは、ヘッドスピードの速い領域でスピンが少なく低・中弾道になり、サイドスピンも減らす効果あります。

逆に、スピン系ボールは、コアは硬く表面層に比較的柔らかい材料が使われています。

これは、ヘッドスピードの速い領域でスピンが増え高弾道になり、サイドスピンもかかりやすくなります。

ところが、ヘッドスピードの遅いショートゲームでは、ボール表面層の変形が支配的になりますので、ディスタンス系とスピン系ではヘッドスピードの速い領域とまったく逆のことが起きる可能性があります。

つまり、ショートゲームではスピン系ボールの方がコントロール性が良く、ディスタンス系ボールは表面層が硬いためにコントロール性が悪くなる可能性があるわけです。

どのボールにも一長一短がある!

このように考えると、どんなボールにも一長一短があることがわかります。

最近では、インナーコア、アウターコア、ミッド、カバーで役割を分担させる4ピースや5ピースボールも出ていますが、そういったボールを試してみるのも良いでしょう。

ボールはやはり飛距離性能を重視したいところですが、ドライバー・アイアン・パターなどシチュエーションによってボールの変形度合が異なり、支配的に変形する箇所や材料が飛距離やコントロール性能に影響することを理解しておくと、ボール選びの参考になるでしょう。