ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『X4ボール』
今回の貧打爆裂レポートは、2019年11月26日に発売された本間ゴルフ『X4ボール』です。
いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。「ギューッと潰れて、爆加速!」というコピーのボールの深層に迫ります! 動画も含めての試打レポートです。
新しいX4ボールはアマチュアを助ける!
『X4ボール』は、本間ゴルフが2019年11月26日に発売したボールです。
モデルチェンジされた『TW-Xボール』と追加モデルの『TW-Sボール』と同時に発売されたのが『X4ボール』です。
まったく新しいブランドになります。
【試打ボールスペック】
構造 4ピース
カラー ホワイト
カバー ウレタンカバー
コア ウルトラソフトコア
ディンプル数 326
価格 スリーブ 1250円/ダース 5000円(税別)
安価なのに高性能のツアーボールとしてヒット商品になった『TW-Xボール』のモデルチェンジと同時に発売された『X4ボール』は、『TWシリーズ』のボールよりもソフトになり、ツアーボールではなく、一般のアマチュアゴルファー向けのボールということになるようです。
『X4ボール』は名称のまま、4ピース構造です。
本間ゴルフ史上で、最も軟らかい「ULTRA SOFT CORE」という中心のコアが、とにかくボールを飛ばす、という理屈になっています。
2層目、3層目と素材は徐々に硬くなっていって、4層目になるカバーはソフトウレタンで軟らかい素材になります。
このように中央ほど軟らかく、外側が硬い、という構造が、グラデーションになるほどに、多層ソリッドボールは広い範囲のゴルファーを助ける傾向があるのが、この数年のトレンドです。
狙い通りのグラデーションになるように各メーカーが工夫を凝らしています。
4ピースの『X4ボール』は、それだけで非力なゴルファーを助けてくれそうだと、期待させます。
スリーブ箱の裏に、対象ヘッドスピードがプリントされています。
「35m/秒~45m/秒」
驚きました。下限の記載はありますが、上限の記載はかなり珍しいからです。この部分からも、アマチュア専用ボールとしての自信を感じられて好印象です。
『X4ボール』を手にしてみると、適度なぬめり感があってツアーボールのような仕上がりです。
手で強く潰しても、かなりの変形を感じます。軟らかさは本物のようです。
期待を高めながらコースで試打をしました。
潰れて飛ばすボールの最終形を感じさせる!
動画を見てください。
『X4ボール』は、ちょっとビックリするぐらい軟らかい打ち応えです。
それでいて、軽いかというと、ボールの重さも感じます。軟らかで軽い打ち応えが多い中で、軟らかで重めというのは面白いです。
打音は、単音のやさしい音質で、音量はやや小さめです。
打ち応えも含めて、ボールを運ぶイメージが出やすいのが『X4ボール』の特徴だと思いました。
やるなぁ、と感心したのは、ショートゲームです。
ショートゲームで柔らか過ぎる感触が残ると、タッチが合わないという悲劇が起きるのですけど、『X4ボール』は、ショートゲームになると、カッチリした高音の音質に変わります。
音量は小さめですけど、こういうチューニングは、ゴルフがわかっている本間ゴルフという印象を強くさせます。
ウッドも、アイアンも、打ち出しから高いボールが出ます。高弾道の棒球系の弾道です。
『X4ボール』の最大の関心事だと思う飛距離性能は、トップクラスです。
ラウンドを通して、ドライバーで230ヤード平均、アイアンもしっかりといつもと同じ距離感でプレーできました(普段の使用球はトップクラスに飛ぶものです)。
スピン性能も高いです。
バカみたいなバックスピンはウェッジでもかかりませんが、ショートアイアンもウェッジも、落ちたところで止まろうとする感じで、しっかりとスピンが効いていると感じました。
ツアーボールを使いたいけれど、ヘッドスピードが遅いから諦めていたゴルファーに『X4ボール』はオススメです。
女子にも使ってもらい観察しましたが、女子でも『X4ボール』の飛距離性能やコントロール性能は発揮されます。非力なゴルファーにとって、強力な味方が現れた、という感じです。
ちなみに、ヘッドスピード45メートル/秒のゴルフ仲間にも打ってもらい観察しました。
飛ぶのですが、スピンがかからないようで、グリーンオーバーを何度もしていました。高機能の『X4ボール』は、使い手を選ぶようです。
軟らかいボールはトレンドなので、市場には硬いボールがほぼなくなりつつあります。
軟らかいなんて、もう聞き飽きた、という声もあります。確かに、軟らかいことを売りにするのは最新というイメージではないと思います。
同時に、軟らかいボールに助けを求めたのに、使えなかった失敗を経験したゴルファーも多いのでしょう。
そういうゴルファーにこそ『X4ボール』をオススメします。後から出てきたからこそ、『X4ボール』は究極に軟らかく、高機能なのです。
『TWシリーズ』よりも、ほんの少しだけ値段が高いようですけど、『X4ボール』は、それでもコスパが十分に良いと断言できます。