『インナーゴルフ』に学ぶゴルフの難しさ

みなさんは「インナーゲーム」という言葉を聞いたことがありますか?

「インナーゲーム」は、スポーツにおけるセルフコントロール術、自我との向きあい方について説かれた、その名も『インナーゲーム』という本の中で提唱された概念です。

その本は、1974年、テニスコーチだったティモシー・ガルウェイによって書かれました。

様々なスポーツの勝利インタビューで「何が起きたか覚えていない。無我夢中だった」「ゾーンに入っていた」という、集中の極致の状態であったというコメントを耳にすることがあると思います。

『インナーゲーム』は、雑念を排除し、真の集中状態に自分をセットするためにはどうしたらいいのかを、これまでの価値観やスポーツ観とはまったく異なった視点から呈示する実戦的な発想方法について解説しています。

1970年代当時は、今ほどスポーツのメンタル分野に関してフォーカスされることはなく、『インナーゲーム』シリーズは、衝撃をもって受け入れられました。そしてスポーツ分野に限らず、ビジネス分野でも用いられるようになりました。

今回ご紹介する『新インナーゴルフ』は、『インナーゲーム』のゴルフ編として、テニスプレーヤーだったガルウェイ自身が実際に100切りプレーヤーからシングルプレーヤーになるまでの経緯を、メンタルの部分フォーカスしながら解説し、実践していく形で紹介しています。

「インナーゲーム」は、心と身体の連携に着目し、「最高の能力発揮とは何か」に迫った「集中力の科学」です。

みなさんも最高の一打を打つために、心はどうあるべきか、どう集中力を高めるか、ゴルフとの向き合い方について考えていただければと思います。

ゴルフは極限のプレッシャーを受け続けるスポーツ

ゴルフは極限のプレッシャーを受け続けるスポーツ

getty

ゴルフはその他のスポーツと違い、特有の難しさがあります。

それは、「ミスの許容度」が極端に少なく、「集中力の要求度」が並大抵ではないという部分です。

例えば、インパクトの瞬間にフェースが1〜2度開いてしまうだけで、その結果ボールは10ヤード以上右にずれて着弾します。

テニスと比較すると、ダウンスイングの腕の速さ自体はそれほど差がありませんが、ゴルフクラブの長さとシャフトのしなりによって、ヘッドスピードははるかに速くなります。

一方、クラブもボールもテニスで使用する道具より小さく、はるか先の目標を狙わなければなりません。

またテニスでは最初のサーブを失敗してももう1度チャンスがありますが、ゴルフでは基本的に無罰での打ち直しはできません。

そしてテニスであれば、小さなミスショットがあっても試合結果としては、ゲームカウント6−3、6−2という様な形で記録されます。また、テニスの場合では3ポイント連取されてもまだゲームに勝つ可能性が残っています。

しかし、ゴルフは冒したミスを1つ残らず記録しなければなりませんし、そのまま結果として現れます。

つまり、ゴルフはスキル面、メンタル面でのミスの許容範囲が極端少なく、絶え間ないプレッシャーの中でプレーし続けなければならないのです。

ゴルフ特有のペースによる心の乱れ

ゴルフ特有のペースによる心の乱れ

getty

ゴルフのラウンド中の時間の流れは、スポーツ競技としては極めて特殊なものがあります。

それは、「考える時間」が有り余っている点です。

テニスやサッカーなどのスポーツでは、ミスプレーによる自己不信が心の中に芽生えても、次の瞬間には飛んでくるボールに対して反応しなければなりません。

そのため、自問自答の時間は即座に強制終了します。

しかし、ゴルフでは違います。

テニスの試合を4時間プレーした場合と、ゴルフで1ラウンドを4時間で回った場合を比較してみましょう。

テニスの場合、4時間プレーすればショット数は1000〜1500回に達するでしょう。

しかしゴルフの場合、一般的なアマチュアゴルファーであればショット数は90〜120回でしょう。

テニスの場合、プレーヤーは前後左右に絶え間なく動き続け、ショットを繰り返します。

ゴルフの場合、1ショットに必要な時間は2秒程度ですから、4時間プレーした場合のうち、実際にショットに必要な時間は3~4分程度しかありません。

ゴルファーは、次のショットに移るまでの間、今打ったばかりのショットについて思考を巡らします。

何が良くて何が悪かったのか、どうしたら修正できるのか。このホールをボギーとしたらスコアはどれくらいになるのか……。

必ずしも移動時間をポジティブな思考で過ごしている訳ではなく、むしろネガティブな思考や感情に支配されているかもしれません。

ゴルフのようにインターバルが長いと心の中に湧きだす雑念に囚われ、本来の力を発揮することが非常に難しくなるのです。

潜在能力を出し切る難しさ

潜在能力を出し切る難しさ

getty

「練習場シングル」とはよく言ったもので、練習場ではナイスショットを連発するプレーヤーながら、実際のラウンドではなかなかスコアがまとまらない人も少なくありません。

また、同じコースを回ってもアマチュアゴルファーはスコアがバラつきます。

このことから、ゴルフスコアの影響は技術力以上に、個々の「自分の落差」に影響を受けていると考えることが自然でしょう。

ここでいう「自分の落差」は、自己不信による筋肉の萎縮や、スコアを過度に求めることによる力みによって、メンタル面から潜在能力の発揮を妨げてしまうことを指します。

いいショットを打つ上で、基本的なスイングのメカニズを理解し、ある程度習得している必要はありますが、ラウンド中の心のコントロール能力を増すことも非常に重要なのです。

「インナーゲーム」の基本法則は

・我々が発揮する能力=本来の潜在能力ー能力発揮を妨げる妨害活動

として表され、いかにして心の妨害行為を抑制するかに着目します。

『インナーゴルフ』では、潜在的に内在している能力と実際に発揮されるパフォーマンスの無用なギャップを埋め、常に潜在能力の上限まで実力を発揮し、ゴルフを楽しむためにどう心を整えるべきかということを説いています。

スイングはいいのにスコアが出ずに悩んでいる人は、ぜひ一度読んでみてください。
お気に入り
Yanagi@TPIトレーナー兼ドラコンプロ

TPI認定トレーナー兼JPDA(日本ドラコンプロ協会)所属のドラコンプロです。 168cm(60kg)とドラコンプロとしては小柄ですが、ドライバーの飛距離は300ydを超えています。 身体の使い方、クラブの使い方を工夫するだけで、飛距離は簡単に伸びます!! TPIのメソッドやドラコンプロとしての知識や経験を活かし、フィジカルやメンタルのコントロール方法に関して、専門的な知識を噛み砕きながら、能力をフルに発揮するための豆知識をお伝えしたいと思っています。 Twitter("Yanagi"で検索! https://twitter.com/Out_Drive300)やブログでも情報発ししていますので、気になる事があればお気軽にお問い合わせください! https://drive4show.org/

このライターについてもっと見る >
フォーティーン RM4 20200916-1016

カートに追加されました。