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ゴルフライター嶋崎

お茶屋さん「伊藤園」のトーナメントが面白い!

伊藤園レディスゴルフトーナメントは今年で35回目。「お~いお茶」の伊藤園らしいユニークなトーナメントだ。

鈴木愛がLPGA史上2人目の3週連続優勝

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伊藤園レディスゴルフトーナメンは今年で35回目、舞台は千葉県にあるグレートアイランド倶楽部である。

35回目の優勝者は鈴木愛。伊藤園レディスはトータル14アンダーで初制覇だが、今季7勝目、三菱電機レディス、TOTOジャパンクラシック、伊藤園レディスとLPGA史上2人目の3週連続優勝を達成した。

鈴木愛のパッティングの上手さが際立っていた。この優勝で、申ジエを抜いて賞金ランキング1位に躍り出た。

現在の賞金ランキングは2位申ジエ、3位渋野日向子である。

初日は賞金女王争いの鈴木・申ジエ・渋野が同組

トーナメントの初日、この3名が同じ組でラウンドして大会を盛り上げた。

この初日、11月15日はちょうど渋野の21歳の誕生日であった。スタート時にはファンから「誕生日おめでとう」の声もかかっていた。

渋野のバースデーケーキは伊藤園からのプレゼント

初日終了後、主催者の伊藤園からバースデーケーキが贈られ、報道陣が取り囲み盛大にお祝いをした。

渋野も「今までで一番たくさんの人に祝ってもらえたので、生まれて良かったなと思います」と笑顔を見せていた。

このケーキは報道陣にも振舞われた。イチゴのショートケーキに抹茶がかかっていて、さすが伊藤園が用意したケーキであった。もちろん、おいしかった。

ただ、残念なことに渋野はこの試合8カ月ぶりに予選落ちして、賞金女王争いから一歩後退した。

女子ツアーは残り2試合、まだ逆転の可能性があり、この3名の賞金女王争いは、最終戦まで目が離せない。

「お~いお茶」

伊藤園レディスは「お~いお茶」で有名な伊藤園が主催している。

「お~いお茶」の原料である茶葉の栽培を茶生産者とともに行い、国内荒茶生産量の2割を超える茶葉仕入れ実績のある、お茶のリーディングカンパニーである。

また、1985年、世界初となる緑茶飲料“缶入り煎茶”を発売し、1989年には、現在の主力ブランド「お~いお茶」の販売を開始している。

このトーナメントは、至る所にお茶屋ならではの特色が表れているトーナメンである。クラブハウスに入ると「お~いお茶」を始めとする、伊藤園の飲料が置かれている。

選手も「お~いお茶」飲み放題

また、コースへつながるキャディマスター室の前には、選手用として伊藤園の商品を自由に飲んでもらえるように冷蔵ケースが置かれている。

伊藤園の扱う商品には、タリーズコーヒー、ナチュラルミネラルウォーター「エビアン」などがあり、冷蔵ケースにはお茶以外にもそれらのコーヒーやミネラルウォーターが並べられていた。

当日券が1000円!ギャラリーに優しいトーナメント

伊藤園レディスの特徴の一つは入場料が安いことである。

大会の金曜日、土曜日の当日券が1000円。最終日の日曜日が2000円で、より多くのギャラリーに来場してもらいたいとの主催者の思いが伝わってくる。

最終日、日曜のギャラリーは6632名で、3日間トータルでは、過去最高の1万8731名のギャラリーが詰めかけた。

ギャラリーにも無料のコーヒー

一般ギャラリーの入り口では、パンフレットや選手組み合わせ表と同時に、「タリーズ」のペットボトルコーヒーが無料で配られていた。

ティーマークは「お~いお茶」

トーナメントの特徴はスタートホールにも表れている。

それは、ティーイングエリアのティーマークである。

「お~いお茶」のペットボトルがティーマークにアレンジされていて、ギャラリーからも「飲料メーカーらしい」「面白い」などの声が聞こえた。

選手にも話を聞いたが、選手はプレーに集中するせいかティーマークが通常と違っていることはあまり気にしていないとのことである。

お呈茶でのおもてなし

また、ギャラリーへのサービスとして、「お呈茶(ていちゃ)でのおもてなし」がクラブハウス2階のテラスに設けられた特設テントで無料で実施されていた。

立礼式でお抹茶とお菓子をいただける。

1日3回(午前1回、午後2回)、各1時間ずつ実施されていた。

サービスは伊藤園の社員30名が担当していた。伊藤園には社内資格としてティーマスター制度があり、レベルにより、3級、2級、1級がある。

人前でお点前を披露できるのは2級以上の資格が必要となっている。

伊藤園の社員に伺ったが、この資格を取るのにはそれなりに勉強しなければならないとのことである。

抹茶のサービスは着物姿の社員

サービスをする社員は、女性は着物、男性は和装で袴を着用して、本格的なお茶席の雰囲気を出していた。

社員の方に伺ったが、着物はレンタルで準備しているとのことである。

お茶を出す所作は、皆さん堂に入っていて、お茶席らしく静かにサービスをされていた。

このサービスは今年4年目で、来場するギャラリーも楽しみにしていて、1回1時間で最大300名サービスできるが、毎回長い行列ができていた。

伊藤園のおいしい抹茶

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並んでお茶とお菓子をいただいたが、抹茶は伊藤園自慢のもので、おいしくいただくことができた。

サービスする社員の方に伺ったが、トーナメントでこのイベントが定着し、毎年同じ方も来場し声をかけてくれるので、社員としても直接お客様の声が聴けるので楽しみにしているとのことである。

トーナメントで静かに抹茶を味わえるのはこのトーナメントだけである。来年はぜひトーナメント会場に足を運んでもらいたい。

トーナメントのボランティア活動も積極的

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伊藤園では10回大会から、現在開催されているグレートアイランド倶楽部に会場を移している。

地域に根差したトーナメントを目指して、ボランティア組織として2003年から「伊藤園グリーンクラブ」が組織化され、「地域に根ざしたトーナメントの実現」、「アルバイトに頼らない運営」、「チャリティの推進と社会貢献」を目指して活動している。

リーダー制のもとに、ボランティアが主体的に、積極的に活動する体制が整い、これまでの16年間で延べ2万人が参加している。会場にも参加するボランティアのお名前が掲示されていた。

LPGAトーナメンは年間39試合あるが、それぞれのトーナメンが特色を出して、いろいろなギャラリーサービスをして、お客様を楽しませている。

その、それぞれのトーナメントの特色が、試合観戦だけでないトーナメントの楽しみの一つとなっている。