新・貧打爆裂レポート『T20 ウェッジ』

今回の新・貧打爆裂レポートは、2019年9月20日に発売されたミズノ『T20 ウェッジ』です。

いつものようにコースに持ち込んでラウンドしてみました。「タテ溝が、とめてみせる。」というコピーのウェッジの秘密を明らかにします。動画も含めの試打レポートです。

T20の縦溝は新しい歴史を作るのか?

T20の縦溝は新しい歴史を作るのか?

『T20 ウェッジ』は、ミズノが2019年の9月20日に発売したクラブです。

「タテ溝が、とめてみせる。」というコピーは、「なんだ?」と思わせますが、スコアラインが縦なのではなく、フェース面に細かく刻まれているミーリング溝が縦方向に刻まれているということなのです。

通常のミーリングは、「こ」という文字を重ねて圧縮した感じの横溝なのですが、縦溝は「い」を重ねて圧縮したみたいな感じなのです。

「コレで止まるの?」「滑ってしまうのでは?」と考える人も多いと思いますが、乾燥している状態なら、実は溝はほとんどスピン性能に関係ありません(フルショットの場合は)。

溝がスピンに関係してくるのは、水分があってフェース面が滑るときや、力が小さいアプローチのときだけです。

ラフからのショットにスピンがかかりづらいのは、ラフの芝生に含まれる水分が原因なのです。

自動車のタイヤも、溝の効果は水を隙間に逃がすことです。フェースの溝も同じなのです。

横溝より、縦溝のほうが水が抜けやすいという理論は、20世紀末には存在しましたので、何度かそういうクラブも市場に出ています。機能が優れていても、ゴルファーが受け入れてくれなければ広まりません。

『T20 ウェッジ』は、「ハイドロフローマイクログルーブ」という縦溝の効果を最大限に利用できるように制作された挑戦的なウェッジです。

『T20 ウェッジ』は、ソールも新しくなりました。

「新ソールグラインド設計」と呼びますが、ロフト角54度以上のトウ・ヒール側のグラインドを今までよりも大きくカットして、丸みを持たせています。これは、気持ちが良いです。

厚く入っても、抜けやすくなるからです。ソールを上手に使って、アプローチをするのは、ツアープロでも基本の基本です。ソールへのこだわりは、まさに、最先端です。

バック側のトップエッジを厚くして、ソールに向けて薄くしていく「逆テーパーブレード設計」は、スイートスポットの高さを上げることができます。上下の打点がずれたときにも、ショットの影響を最小限にします。

『T20 ウェッジ』は、素材も面白いのです。

通常のミズノと言えば「マイルドスチール(S25C)」の鍛造がお家芸ですが、『T20 ウェッジ』の素材は「軟鉄ボロン鋼」なのです。マイルドスチールに、0.003%のボロンを添加した素材です。

この素材は、摩耗に強く、溝の角の減りが遅いのです。それでいて打感は損ねない、というのです。

お借りした『T20 ウェッジ』は、「ダイナミックゴールド120」の50度のバウンス角8度と、56度のバウンス角14度です。

カラーは青く光り輝く「ブルーIP仕上げ」です。

ロフトは1度刻みで、56度や58度などの寄せで使うロフトのウェッジには複数のバウンス角があります。

このラインアップだけで、『T20 ウェッジ』はオススメです。1度刻みで選べるウェッジなんて、他ではあり得ないからです。

ブルーのウェッジは高性能で楽しい!!

動画を見てください。

まずは、「ブルーIP仕上げ」です。『T20 ウェッジ』には、普通のつや消しシルバーの『サテン仕上げ』もあります。慣れていますので、後者を選択するゴルファーも多いと思います。

僕も、集中できないかもしれないと心配したのですが、数回も打てば気にならなくなります。

ボールの大きさが違って見えたり、ボールと足との距離が狂ったりすることもゼロではないと思いますが、逆に言えば、そういうことが狂うゴルファーと同じくらい、ブルーのヘッドで安定する、合っているというゴルファーもいるのだとも考えました。

気にならなくなれば、「ブルーIP仕上げ」は、かなりカッコイイです。

遠くからも目立ちますし、ウェッジをバッグから抜くときも、気持ちに張りが出るような効果も感じました。

最初に使ったのは56度で、残りの距離は59ヤードでした。

得意の距離ですので、少しフェースを開いて、気持ち良く振りました。

打音はミズノのアイアンらしい音です。澄んだ良い音ですが、いわゆる軟鉄鍛造とはほんの少し違います。

青いヘッドの影響かもしれませんが、透明ではなく、半透明で色が付いているような感覚がありました。

打ち応えは、グッとフェースに当たって、一瞬で抜ける感じで、ボールは高く上がりました。

ピンの横2ヤードに落ちて、ほぼその場に止まりました。

この1球で、ウェッジとしての基本性能になんら問題はなさそうだと感じたのです。

次に使ったのは、残り90ヤードで50度の『T20 ウェッジ』です。

シャフトが好きで、合っていることもあって、気分良く振れました。ピンの手前1ヤードにボールは落ちて、バックスピンで3ヤードほど戻りました。

ミズノの愛好者は、通な上級者と分類されるゴルファーが多いからなのか、俗っぽい感想を嫌う傾向があるようで、あまり広まりませんが、ミズノのウェッジはスピンがトップレベルにかかります。

『T20 ウェッジ』でも、スピン性能のレベルは維持されています。

その後も、42ヤード、55ヤードなどなど、使いまくりました。

抜けも良いです。特にラフからの抜けは良くなった気がします。

巷で売れている有名なウェッジで練習したのに、イマイチ向上し切らないゴルファーに『T20 ウェッジ』はオススメです。

ロフト角52度・58度が定番だと信じて使っているゴルファーが多いですが、50度・56度も使いやすいのでオススメです。

もう少し飛ばしたい、もう少し距離を落としたい、そういう要望にも、『T20 ウェッジ』なら1度刻みで選べます。

トッププロ以外で、そんな選択ができるなんてあり得ません。自由に選択できるチャンスを逃さないようにしたいものです。

ボールにスピンがかかりやすいウェッジを欲しいというゴルファーにも『T20 ウェッジ』はオススメです。

最後に、「ブルーIP仕上げ」についてです。

他にはないウェッジを選ぶゴルファーは少数派だと思います。冒険の選択をしろ、という気はありません。

今回、この試打がなければ、僕も打つ機会はなかったと思いますが、打ってみて「コレもありだなぁ」と正直に思いました。つまり、食わず嫌いはもったいないのです。

今までのウェッジでは得られなかった感覚があるのは事実です。

ウェッジは感性の用具ですので、自分に合っていれば、生涯で最高の1本になる可能性があります。

『T20 ウェッジ』は、王道のウェッジです。機能面も、すべて高い基準でクリアしています。

使うウェッジが決まっているゴルファーでなく、定まっていないゴルファーは、無理をしても『T20 ウェッジ』を打ってみてほしいです。

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ロマン派ゴルフ作家の篠原

ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店、市場調査会社、団体職員などをしつつ、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストとしてデビュー。『Golf Planet』はゴルフエッセイとして複数の日本一の記録を保持し、恋愛小説も執筆。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。 https://blog.goo.ne.jp/golfplanet

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