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競技ゴルフのススメ 競技の対極である「究極緩和ルール」について考えてみる

今までに、競技ゴルフのススメというシリーズ名で、「正式ルール」でプレーするアマチュアの競技ゴルフの世界をいろいろご紹介してきました。

今回は視点を180度変えて、「正式ルール(ノータッチ完全ホールアウト)」の対極である「究極緩和ルール(何でもアリアリ)」のゴルフについて考えてみます。

「緩和ルールのゴルフ」について知ること・考えることは、競技ゴルフと普段のゴルフの違いを理解でき、競技ゴルフを続けていく上で有益な知識になると考えています。

「いくらなんでもこれでは緩和し過ぎ! もはやゴルフではない!」というくらいの緩和ルールを書いてみます。

この緩和ルールは、あくまでも仮定・空想の話であることをご了承くださいませ。

等距離ならどこまででも動かし放題

庶民の親睦ゴルフコンペには「6インチリプレース」と「パットの1グリップOK」という有名な2つの緩和ルールがあります。

この緩和ルールって意外と中途半端です。かなり救済されることもあれば、まったく救済されないこともあります。

「究極緩和ルール」と言っても「ゴルフはボールをカップに入れるまでの打数の少なさを競うゲーム」だという点を考慮すれば「カップまでの残り距離を勝手に縮めることだけはNG」とするべきでしょう。

コース内には、林、隣のホール、池、OBゾーン、などの心理的・物理的障壁が存在します。ここからグリーンのほうへ向かって打つのは至難の技! という場所はたくさん存在します。

「カップに近づかなければボールを動かしてOK」ということに対して、100%完全救済をするならば、「6インチ以内」などというケチ臭いことは言わず、「(カップに近づかなければ)どこまででも好きな場所へ動かしてOK」という太っ腹が欲しいです。

写真のように「動かせない障害物である生垣」の近くにボールがある時などは、6インチではなく、2クラブくらい動かさなければ、普通にスイングすることはできないでしょう。

競技ゴルファーならば、こんな時には「左打ち」などで脱出しようとするでしょうけど。

ティーアップを含めてライ改善し放題

ボールの位置を移動させた後の処置、競技ゴルフではドロップ、一般的な緩和ルールの6インチリプレースではプレース(手で地面に置く)、です。

ところが、写真のように、「辺り一面が湿ったベアグラウンド」なんていう場合には、近くにリプレースしたところでライは変わりません。

「ライを自分で整えて良い」という点についても、100%完全救済を目指すなら「ティーイングエリア以外の2打目以降でもティーアップしてもOK」としたほうが良いでしょう。

競技ゴルファーならば、「ボールだけをクリーンに打つ技術」について日夜研鑽をしており、こんな場面は日頃を成果を試すチャンス、と思うのでしょうけど。

グリーン上では1クラブ以内ホールアウト

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グリーン上でのパットのOKについても、「一般営業でも高速グリーンを誇る名門コース」や「(普通のコースでも)カップが急傾斜の場所に切られているホール」などでは、1グリップという距離範囲では短過ぎて、意外と厳しいと思っています。

「1クラブぐらいの距離からカップインできず、同じくらいの距離をオーバーし、カップの周りを何往復もしてしまう」という悲しいシーンは、競技会・親睦コンペ・プライベートラウンドなどを問わず、しばしば見かけますよね。

パットのOKの距離範囲も「1クラブレングス」くらいまで拡大して緩和したほうが良さそうです。

ついでに、「1クラブ以内OK」ではなくて、「1クラブ以内はホールアウト」にして、OKボギーはパー、OKパーはバーディにしてしまったほうが良いくらいです。

競技ゴルファーなら、1クラブ未満のショートパットの重要性は痛感していますから、自宅でのパット練習、ライン読み(傾斜と芝目の読み方)の勉強を必死にやっている人が多いですけど。

競技ゴルフでのミスには要らないオマケが付いてくる

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今回は、競技ゴルフの「正式ゴルフルール」の対極と言える「究極緩和ルール」のゴルフについて、考えを巡らせてみました。

ゴルフ場でこんなに緩和したルールでプレーしている人はいないでしょうから、あくまでも仮定・空想の話です。

こうして究極の緩和ルールを考えてみると、正式競技ルールのゴルフと緩和ルールのゴルフの違いが浮き出て見えてきます。

緩和ルールにおける「ミスのマイナス面」は「狙ったよりもピンに近づけなかった」という1点だけです。

ナイスショットだろうが、ミスショットだろうが、次のショットは必ず良い場所から打つことができます。

一方で、正式ルールの競技ゴルフには「狙ったよりもピンに近づけなかった」というマイナスに加えて、「次のショットはライが悪くてアングルの厳しい場所から打たなければならない」という「要らないオマケのマイナス」が付いてくる可能性があるのです。

つまり、正式ルールの競技ゴルフでは「要らないマイナスのオマケ」への対処が必要になります。

ライが悪かったりアングルが厳しい場所から打つ「リカバリーショット能力」、および、厳しい場所へ打ち込んでしまうほどの手痛いミスをしない「マネージメント能力」です。

抽象的な言葉にすると「ディフェンス(防御)能力」が必要になってくるのです。

「ディフェンス能力」について、勉強してトレーニングして、コースで試してみる、というのが、競技ゴルフの1つの大きな醍醐味なのだと思えます。

写真のように、子どもはお菓子にオマケのおもちゃが付いていたら大喜びです。

大人のゴルファーにも、ミスショットに付いてくるオマケを喜んで楽しむ心の余裕が欲しいですね。

正式ルールで行う競技ゴルフのツボ

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普通の人は、「競技ゴルフで必要となる主な能力」に関して、例えば「パー5で会心のナイスショットを2つ連続で打てたらベタピンに2オンして、イーグルが取れるか否か?」など「ナイスショットを連続できた時にすごく良いスコアを出せる能力」、ハイレベルな「オフェンス(攻撃)」とも言える能力を想像するのではないでしょうか。

ところが、多数のアマチュア競技会に参戦した私の見方は違います。

「競技会のスコアと順位は「オフェンス」の能力差よりも「ディフェンス」の能力差で決まる」ように感じています。

「競技ゴルフで必要となる主な能力はディフェンス能力」という意識です。

競技ゴルフに対してこのように考える私、ラウンド中に「独特に怪しい負のオーラ」を出してしまうようです。

「爽快なバーディ合戦」を想定して競技会に参戦してきた同伴競技者(同組の他のプレーヤー)達をいつの間にか「我慢比べのボギーセーブ合戦」へと引きずり込んでいるようです。

“スマイリング・シンデレラ”と呼ばれ、常に笑顔で、ボギーを打ってもすぐにバーディを取り返す渋野日向子プロ、その素晴らしきメンタリティとは大違い! ですね。

自分は未熟者です。毎日、精神修行を続けております。