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ライフスタイル

Nick Jagger

ゴルフに筋トレやストレッチは必要でしょうか?

プロレスラーや力士のゴルフを取材したことがあります。

筋肉モリモリの彼らがドライバーをぶっ飛ばしたら、さぞかし飛距離が出るかと思いきや、我々アマチュアゴルファーとそれほど変わりません。

むしろ、胸の筋肉が邪魔で、上体の捻転がまったくできず、手打ちになっているからです。

皆さんの中にもジム通いをしている人もいるかと思いますが、ゴルファーに筋トレはプラスになるのでしょうか?

いつの間にか消えてしまったデビッド・デュバル

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デビッド・デュバル(写真)というゴルファーを覚えていますか?

1999年、それまで世界ランク1位だったタイガー・ウッズを抜いて、ナンバー1になったゴルファーです。

ところが、タイガーのライバルと言われたのは、わずかに1~2年でした。

デュバルはまったくトーナメントに勝てなくなり、やがて予選落ちの連続、数年で世界ランクも300番台まで落ちてしまいました。

その理由として指摘されたのが、過度の筋トレとダイエットでした。

タイガーの出現によって、アメリカのプロゴルフはアスリートのスポーツに変わりました。

その流れに乗ったデュバルは筋トレとダイエットに異常といえるほど励んだのでした。

一時は人相まで変わるほどでしたが、これがスイングに悪影響を及ぼしたのです。

鍛えるのは体幹と下半身

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ゴルフスイングは、上半身と下半身のバランスがとても重要ですが、誤った筋トレをすると、そのバランスが崩れてしまいます。

体幹や下半身を鍛えるのは、ゴルフにとって大きなプラスになりますが、上半身までムキムキのマッチョになってしまっては、それこそレスラーや力士のように腕力に頼ったスイングになりかねません。

そこまで鍛えなくとも、体に筋肉がつくと、ヘッドスピードが上がり過ぎて、クラブヘッドの走り方がそれまでの感覚とは違ってきます。

それでインパクトのタイミングが狂ってしまうこともあるのです。

ゴルファーに必要なのはバランス

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体の柔軟性にしても、柔らかいほうが関節の可動域を増やすことになりますが、だからといってグニャグニャになるほどの体になっては、スイング軸が不安定になることもあります。

また、ストレッチのやり過ぎで腰を痛める人が中年ゴルファーには多いようですが、それでは本末転倒です。

さらに、ゴルフはリストが強いほうがいいからといって、手首ばかり鍛えるのも害のほうが大きいのです。

1つの関節を鍛えても、あまり意味がないどころか、淀みのないゴルフスイングの流れを断ち切ることになりかねません。

ゴルフのためのトレーニングは、結局のところあらゆる意味で「バランス」が大事なのです。

それはゴルフスイングと同じなのです。

というわけで、タイトルの問いに対する答えをまとめると、「必要とまでは言わないけどやったほうがいい。ただし、身体全体のバランスを考えてやるべき」となります。

具体的には、腹筋や背筋、下半身(特に太ももやおしり)を鍛えると、飛距離アップやショットの安定などが望めます。

また、肩甲骨と股関節の柔軟性アップには、飛距離アップだけではなくケガの予防効果も見込めます。