ゴルフスイング
あやの
左サイドを低くするローテーションのバイオメカニクス!その3・下半身編
こんにちは! ライターのあやのです!
さて今回はバイオメカニクスシリーズの最終章、下半身編です。
マニアなニーズにお応えするのがわたしの使命だと思っていますので、そのニーズにお応えするため、今回も敬愛するケルビン・ミヤヒラさんの理論に基づいて、鼻息荒めで行きたいと思いまーす。
ちなみにケルビン・ミヤヒラさんはあの有名なインパクトスナップを考案した方です。
それでは行ってみましょう(◍ ´꒳` ◍)b
切り返しでのお尻の動き・高さに注目!
切り返しで左骨盤を下げる動きは、切り返しをスムーズにし、かつパワフルなローテーションの動きの連鎖を生み出すんだよ〜ってことをここまでのシリーズでお話ししてきました。
ここへ来てこの動きの鍵となるお尻の動きを、後方から見てみましょう。
上の画像、左のトップポジションをご覧ください。
左膝は曲がり右膝は軽く伸びた状態です。
そこから真ん中→右とダウンスイングに入る画像を見ると、左サイドを低くし、左お尻をグッと屈曲しているのが分かります。
そして、トップポジションと比べて右膝は曲がっていっているのに、右お尻の高さ(黄色線)が落ちていないのが分かりますね。これは仙骨をターゲットから遠ざけるように回し、右お尻を軽く伸展しているためこのようなポジションになります。
切り返しの流れの中でお尻をこのように動かせると、腸脛靭帯とハムストリングと前脛骨筋を連動させたパワフルなローテーションをすることができます。
もしトップや切り返しで両方のお尻が屈曲してしまったら、お尻が落ちてしまったり、左サイドが高くなってしまいその後インパクトでジャンプしてしまう確率が非常に高くなります。
ダウンスイングでスクワットする目的は?
ローテーションを使ったスイングのダウンスイングの序盤では、お尻を両サイドに外旋させ、仙骨をターゲットから遠ざけるように動かします。
この型が、いわゆる「サム・スニードスクワット」と言われる動きです。
そう、今巷を騒がしているアレです。ジョージ・ガンカスの「GGスクワット」がこれの究極版と言ったところでしょうか。
ネットなどで目にしているものは誇張して見えるかもしれませんが、実際のスイングの一連の動きの中では上の画像のようになります。
これまでに説明してきた動きを詰め込むと結果この形になるんですよね。
厳密に言うとケルビンさんは「スクワット」という表現はされていません。
ここは私の解釈です。後記のご自身のブログの中で「サム・スニードスクワット」はよしとして、あまりに誇張した動きは個人的に好きじゃないとおっしゃっています。
さじ加減は人それぞれで、ポイントは「両お尻を外旋させる」ということです。
アップだとこんな感じ。そんなにガニ股にはなってないですよね?
一連の流れの中でこのくらいに見えるのが私も個人的に好きです(◍ ´꒳` ◍)b
なかには、「スクワットって・・・。マジで言ってんの?」なんて思う方も多くいることでしょう。
ええ、大マジのマジの助です。
仮にもし、左膝が右膝より前に出た状態でP5(※)を迎えたら、体のローテーションはスローダウンしてしまい、右お尻は内転、左お尻は外転という状態になり、左の四頭筋はジャンプする準備が万全に整い、腕ロケット発射!! となってしまいます。
※P5…上画像の右、腕と地面が平行になるポジション。
ローテーションを積極的にするスイングでは、ジャンプや、左サイドの鉄壁、腕ロケット発射といった動作はしたくないのでこの状況は避けたいですよね。
ジャンプする力でパワーを出すスイングもありますが、ローテーションの流れを止めてしまうのでわたし、ケルビンさんなどなど一部の人はそれが好きじゃないな〜ってだけです。
何度も言いますが、ジャンプしてヘッドスピードを上げる、切り返しでほどよくスライドして動きの連鎖を作るというスイング方法もあります。
ただ我々は好きじゃないっていうだけです。
このスクワットのメカニクスを入れたスイングを背中側から見るとこのようになります。
ちなみにこの方、ジョニー・ルイズ!!
カリフォルニア、ロサンゼルス北西部出身、身長180センチ、24歳、現在ウェブ・ドットコムツアー参戦中です!
彼の美しいローテーションスイングのファンは多く、PGAツアーでの活躍が待たれている選手の一人です。
わたしも彼の活躍を熱望しているファンの一人ですw
インパクト前後の地面反力を使うポイントはこれ!
スクワットの後、インパクト前(P6)から両サイドのお尻は内旋し始めます。
そうなんです、さっき外旋したのに、もう内旋するんです。
お尻を両サイドからギュッと締める感じで脚も一緒に内旋させ、インパクト直後から左お尻は再び外旋していきます。
地面反力、地面反力と言って、地面だけ押そうとしたり、蹴ろうとしてもスイングには還元されません。
このインパクト前の一瞬の内旋がポイント。この内旋でジャンプしたりするドラコン選手もいますよね。
このとき、右お尻は内旋し伸展していきます。
この伸展はお尻を高く伸ばすのではなく、骨盤をターゲット方向へプッシュしていく感じのことです。
海外のゴルフ動画をよく見る方にはお馴染みの、P6からペルヴィス(骨盤)をプッシュする! っていうやつです。
もしここでP6から右お尻が伸展しなかなったらどうなるのか? と言うと、インパクト前に骨盤が後傾、右骨盤が低すぎる状態になってしまいます。
これはスイングプレーンを間違ったタイミングでシャローアウトしてしまうことになるのでブッブーです。
つまり、左お尻は外旋→内旋→外旋と動いていきます。
この左足、お尻の2回目の外旋で骨盤は左側を軸に後傾しながら一気にローテーションしていきます(※)。
ですので、骨盤自体が実際にここでターゲットへ近づいていきます。
もしあなたがローテーションスイングは横へ(左へ)スライドする動きが一切ないスイングだと思っていたらそれは間違いです。
わずかですがP6からフォローに向かって骨盤は後ろへローテーションしながらターゲット方向へ動いてくのが正解なのです。
※P7~P8(P7:インパクト、P8:フォローでシャフトが地面と平行なポジション)で骨盤の前傾を穏やかにしていき、P8で少し後傾の状態に持っていきます。
一気に前傾から後傾へポジションチェンジする訳ではないです。
足首の動きが足元のトルクを生む!
ここで足首の動きにも注目してみましょう!
これって意外と見落とされがちですが、足首や足裏の使い方はどんなスポーツでもスーパー大事です。
足裏はバランス、瞬発力、バネ、すべてのパワーソースですからね!
左足首はダウンスイング序盤は回内させます。これはパワーを逃さずに貯めるためです。
そしてそれをインパクト直前のP6までキープし、一気に回外して解放します。
右足首はインパクト直前まで回内させません。
この右足の回内と左足の回外をインパクト前の早い段階で行ってしまうと、右膝が早くにキックインしてしまい、結果右サイドが低くなり、体のローテーションが止まり、横に動くスライドや、腕が体の正面で大きくひっくり返るストールにつながってしまうのでご注意ください。
最後に、足裏のプレッシャーを「つま先側とかかと側」の2分割(※)で、バッバ・ワトソンの画像で簡単に説明していきます。
上の画像左はトップ、右はダウンスイングに入ったところです。
トップでバッバの左足はヒールアップし、ダウンスイングでは右足がわずかにヒールアップしています。
ここまで明らかにやらずとも、靴の中でこのような感覚は持てるようにしたいですね(◍ ´꒳` ◍)b
ステップを踏むような、歩くような感覚です。
このプレッシャーシフトもスイング全体のローテーションを下半身からサポートするという大きな役割を果たします。
※通常は内側、外側も含めた4分割で足裏の話をしますが、ここでは省きます。
おわりに
3回に分けてお届けたしたこのシリーズ、お付き合いいただきありがとうございました。
今回はローテーションにフォーカスして体のパーツのマクロな動きをお話しました。
こうしなければならない! ではなくローテーションを上手く使うプレーヤーはこんな風に体を動かしているよ、ってことです。
スイング理論がたくさんあるのと同様にバイオメカニクスもたくさんあり、それぞれの説を提唱する人の好みなどで内容は少し変わります。
それは当たり前のことで、ゴルフでいい球を打つ方法は無限にあるからです。
プロを見てもスイングはさまざまですよね?
道具が進化すれば、理論もそれに合わせて進化しますし、また変わらない部分もあります。
そんな中で、ローテーションや地面反力にフォーカスしたスイングが好きな私は、ケルビンさんのお話がとても分かりやすく、自分の中で引っかかっていたものが解消され、自分のゴルフに生きるものがたくさんありました。
ケルビンさん推しを公言しているインストラクターやゴルフYouTuberは世界中にたくさんいるんです(◍ ´꒳` ◍)b
ケルビンさんの理論を基に、わたしなりにいろいろ調べたり、実践、プロにインタビューなどをしてちょっと2018年風に書いてみました。
基になる記事は2015年のものです。ローテーションスイングが好きな人たちのお役に少しでも立てたならうれしいです。
それでは、また次回お会いしましょーう♪バーイ!