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ゴルフスイング

レッスンプロ・クラフトマン 河野

記憶に残る同伴競技者「逆しなり」で飛ばすトップアマのzさん。

こんにちは。

レッスンプロ・クラフトマンの河野です。

以前書いた「スライス、プッシュアウトを生む「振り遅れ」。発生の原因と治し方。」の記事で、ヘッドを走らせるためには逆しなりをさせる必要があると書きました。

今回は、私がラウンドの現場で見た「逆しなり」の事をお話ししたいと思います。 

それは、20年も前の事です(名手は理論を深く理解しているのです)。

目の前で「逆しなり」で飛ばす人を見た!

getty

以前、ヘッドが手元を追い越す時に「逆しなり」という現象が起きるという解説をさせていただきました。

今回は、その「逆しなり」の現象を初めて見た時のお話をさせていただきます。

20年前に遡ります。

私が、ハンディキャップ(HC)3になって関東月例(一都六県のHC3以内の方が出場できる試合)に出場するようになり、3度目に出場した時に、その方「zさん」と同組になり、目撃しました。

「zさん」は、伝説のアマチュアゴルファー中部銀次郎氏(日本アマチュア選手権に6回優勝)の本の中にも登場する方です。

トップアマの中でも抜きん出た状態を永年にわたり維持している方です。

関東月例の組み合わせが決まってからzさんとラウンドした方数人からアドバイスをいただきました。

要約すると。

「zさんのスイングはインパクトが見えるんだよ」(アドバイスをくれた方全員が言っていました)

「プロ並みの飛距離だよ」

「良い機会だから、プレーを良く見たほうが良いよ」

zさんは、感性がすごく研ぎ澄まされた方。

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とても楽しみにして当日を迎え、ティーショットを少し離れた正面から見ていますと、本当にインパクトが見えました。

シャフトが真っすぐになりボールをとらえるのが見えるのです。

私の思うインパクトのイメージでは「シャフトは順しなり」になると当然のように思っていましたので、聞いてはいましたが、頭の中で理解できませんでした。

それと、もうひとつ驚いたことがあります。

160ヤードくらいのバンカーに囲まれたショートホールでの出来事です。

私がティーショットを打った直後にzさんが「あ、入った」と言ったのです。

思わずzさんを見てしまいました。

私の打ったボールは、ピン近くに落下しカップから1メートルの所に止まり、バーディーでした。

zさんは、「感性のすごく研ぎ澄まされた方」なんだなと感じました(感性以上の物かも知れません)。

その当時(約20年前)、まだ誰も「逆しなり」という事を言っている方はいませんでした。

そんな時に逆しなりの原理を利用していたのですから、zさんは当時のゴルフ理論の2歩も3歩も先に行っていた訳です。

理論が先行していてボールも20から30ヤード私より飛ぶのですから、周りにいる人は全員格下に見えていたでしょう。

「逆しなり」を理解するのに15年かかりました。

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結果は、なぜか調子の良かった私が75打でzさんは77打でしたので、面目を躍進させていただきました。

翌日、私の店(ビッグキャリーゴルフショップ)に置いてある写真集「世界の歴代トッププロ50人」(1997年発行)の連続写真のインパクトの形を見比べてみましたがzさんのようにインパクトの時にシャフトが真っすぐか、「逆しなり」をしている方が何名かいました。

男子プロではベン・ホーガン氏、トム・ワトソン氏、ニック・プライス氏、モー・ノーマン氏、女子プロではローラー・デービース女史です。

タイガーのデビュー時の連続写真もありましたが、順しなりでした。

現在のトッププロの連続写真を見ると、多くの方がドライバーでは「逆しなり」をさせています。

私は、「逆しなり」を目の前で見てそれを理解するのに15年以上かかりました。

理に適ったスイングをしていれば、長い間良いゴルフを維持できるという良い見本を見せていただきました。

zさんに感謝申し上げます。

レッスンプロ・クラフトマンの河野でした。