ゴルフスイング
Nick Jagger
ティーアップの高さをいつも同じにすれば、フェアウェイウッドも安定!?
「打ち上げホールやフォローの風が吹いている状況では、当然高い弾道で打ちたいので、ティーアップを高めにしてハイボールを打ちましょう」
あるいは「打ち下ろしやアゲンストのホールでは、ティーアップを低くしてローボールを打ちなさい」
このようなレッスンが一般的ですが、どんなティーアップの高さにもスイングをアジャストできるプロや上級者と違い、アベレージクラスのゴルファーでは、毎ホール状況が変わるティーグラウンドでティーアップの高さを変えて、弾道を打ち分けるというのは難し過ぎやしませんか?
季節によって変わってしまうティーアップの高さ
それでなくても、ティーグラウンドの芝の刈り高は、季節によって変わります。
夏は芝が伸びていて、冬は芝が枯れて短くなっています。
アマチュアゴルファーは、この芝の長さによる視覚的イメージでティーアップの高さを決めている傾向があります。
芝が伸びている夏場は、いつも通りティーアップしているつもりでも低く見えるため、極端に高いティーアップになりやすいのです。
その結果、いつものスイングでボールをヒットしたら、思いがけないテンプラが連発なんてという経験もあるのではないでしょうか?
また、パー3のティーショットはもっと顕著にミスショットが出ます。
アイアンショットを高過ぎるティーアップで打てば、当然クラブフェースの芯ではヒットできず、上部に当たるわけですから、ナイスショットの確率は低くなります。
アマチュアは高過ぎる傾向が見られます
アベレージクラスのゴルファーであれば、常にティーアップの高さは、ホールロケーション、風の向き、季節に関係なく同じ高さにしたほうがいいのです。
同じ高さにしているつもりでも、前述したように視覚的イメージの影響でティーアップが高く見えたり、低く見えたりします。
そこで目安として、ドライバーをソールしたとき、ボールの赤道をクラウン(クラブフェースの上部)に合わせるといいでしょう。
これはパーシモンヘッドの時代からの基本で、460㏄の大型ヘッドの現代ではパーシモン時代と比較すると、ヘッドが大きい分高いティーアップになっています。
それでも、一般的な傾向として、ティーアップが高過ぎる人が圧倒的に多いようです。
その理由は、ダフることの多いゴルファーはティーを高くしたほうが、安心感を持ってアドレスできるからです。
ここで誤解してほしくないのは、ティーを低くするのではなく、高過ぎないように注意するということです。
余談ですが、今から30年ほど前、ドライバーヘッドの素材がパーシモンからメタルヘッドになりました。
ジャンボ尾崎は長期間のスランプから見事に復活し、第2次黄金期が始まりました。
そのときテーラーメイドのメタルウッドに超ロングティーを使い、誰よりも高いティーアップで驚異的なロングドライブを放っていたことを覚えているゴルフファンも多いのではないでしょうか。
当時、多くのアマチュアがジャンボに触発されて、メタルウッドをアッパーブローに打つというスイングが大流行しました。
しかし、ジャンボは実際にはアッパーには打ってなく、レベルブローに振って、インパクトゾーンを長くして、低い弾道のボールを打っていたのです。
高いティーアップでレベルに振るというのは、非常に高度な技術であって、他のプロや上級者クラスでもなかなか真似のできない難度の高いものだったのです。
同じ高さでレベルに振るのが理想
基本的には、ティーアップはいつも同じ高さにすることが理想で、その高さをベースにしてレベルブローに振れるようにスイング作りをすることで、打点、軌道の安定につながっていきます。
レベルに振るということは、インパクトゾーンでのクラブヘッドの動きを緩やかにすることで、長いゾーンでボールをとらえるということです。
ドライバーショットを極端なアッパーで打っているアマチュアは、フェアウェイウッドやユーティリティクラブを苦手にしているはずです。
高いティーアップは、下から上がってくるクラブヘッドに十分な空間がありますが、地面にあるボールをヒットするには、その空間がないからです。
ドライバーショットをレベルに振れるようになれば、当然長いインパクトゾーンでとらえなくてはいけないフェアウェイウッドなどでは、ダフリ、トップといったミスは激減することでしょう。
そういう意味でも、ティーアップの高さはいつも同じであったほうがいいのであって、スコアを安定させるためのポイントになるといってもいいでしょう。