ゴルフスイング
Nick Jagger
お金をかけずに、確実にレベルアップする素振り練習法をご紹介
私たちアマチュアゴルファーは、プロのように毎日ラウンドしたり、練習したりすることはできませんよね。
仕事を持っている人であれば、週1回練習場でボールを打って、月1回ラウンドするというパターンが一般的ではないでしょうか?
だから、なかなか上達しないと思っている人も多いことでしょう。
しかし、あるプロに言わせると、「週1回練習場でボールをたくさん打つ人よりも、毎日5分でも素振りをしている人では、圧倒的に素振りを日課にしている人のほうが絶対に上手くなる」と断言しています。
そこで、今回は確実にレベルアップする素振りの方法を紹介しましょう。
素振りの本当の目的とは?
ある男子プロゴルファーは、研修生時代にヘッドプロから毎晩1000回の素振りを命じられたそうです。
1000回もクラブを振り続けると、体の動きに無駄がなくなりますから、正しいスイングを体に記憶させることができると同時に、筋力アップの効果もできたと言います。
300グラム程度のクラブでも、腕に余計な力が入っていますと、途中から全然振れなくなってしまいます。
1000回もスイングしようと思ったら、自然とスイングの効率を考えるわけです。
逆説的に言えば、1000回のスイングが効率のいい動き、つまり反復性が高くて一定した動きを教えてくれるのです。
1回ずつアドレスの姿勢をしっかり作ってからクラブを振るのですから、1分間で10スイングがいいところです。
このプロは、1000回の素振りを終えるまでに2時間近くかかったそうです。
正しい素振りを続けていますと次第に背中や足が痛くなり、体幹部や体の裏側に張りが感じられてきます。
体のその部分を使っているから、1000回もスイングすることができるというわけです。
また、日本アマに出場したあるトップアマの選手は、練習場にほとんど行かないけど、竹ボウキを使った素振りを日課にしていると言っていました。
竹ボウキは、ゴルフクラブに比べてかなり長いので、腕だけで振ることはできません。
ダウンスイングでタメを大きく作って、リリースしながら打つなんてことは不可能です。
要するに、手先だけの動きを捨てて、体の回転から自然に発生するタメやリリースのタイミングをつかみやすいという利点があるのです。
竹ボウキの重量に任せて、体が振られる感覚を体感すると同時に、ゴミを掃きながらスイングすることで、正しいスイングがマスターできるのですから、これはお勧めです。
ショット前の素振りは本番のリハーサルであり、常日頃の素振り練習は正しい動きを身に付けることが本当の目的です。
同じ素振りでも目的が違うことを覚えておきましょう。
遠心力を体感するタオル素振り
まずタオルを利用した素振りを紹介しましょう。
バスタオルのような大きくて長めのタオルを用意しましょう。タオルの先端を結んで団子状にし、反対側を持ってスイングします。
腕や手を使って振ろうとすると、タオルの形が崩れてきれいに振れません。その極端な例がインパクトで手をこねるような動きです。
体幹を主体としたスイングをすることで、先端を結んだ団子部分の遠心力を利用できます。
おへそを右に向けてバックスイングをして、トップでタオルの団子で背中を叩いたら、おへそを一気に目標に向ける気持ちでダウンスイングをします。
タオルが遅れて下りてタメが自然に作られて、ダウンスイングからインパクト、フォロースルーにかけて、タオルがピーンときれいに伸びます。
フィニッシュではタオルが背中に巻き付きますが、タオルを何度振ってもタオルが同じ位置に巻き付いてくるかもチェックしましょう。
タオルを使ったトップとフィニッシュの間を往復させる連続素振りもいいでしょう。
遠心力のイメージがよくわからないという人には、まさにうってつけの素振りです。
クラブを持つだけの素振りなら、間違った動きでもクラブが振れますが、タオル素振りでは正しい動きをしないと振れないのです。
間違った動きを絶対に教えない素振りですから、クラブを振るよりもタオルを振っていたほうが確実に上達すると断言してもいいくらいです。
体に正しい動きを教えてくれるという意味では、竹ボウキの素振りもまったく同じです。
クラブを2~3本持つ素振りも同様で、正しい動きのイメージを常にチェックする上で役立つことでしょう。
飛距離をアップさせるバット素振り
野球のノックバットをキャディバッグや車のトランクに入れているプロゴルファーが多くいます。
普通のバットに比べ、ノック専用のバットはグリップが細くて、ゴルフクラブに近いからです。
また、ノックバットはヘッドに重量が集中していることもゴルフクラブに近いので、お金に余裕がある人には、お勧めの上達ツールです。
バットがなければ、クラブを3本持って素振りをするのも効果的です。ウェッジ3本では重過ぎるので、6~8番アイアンの3本がいいでしょう。
女性や年配の方なら、ウェッジ2本で素振りをすることをお勧めします。
通常の握り方では3本のクラブをしっかりつかめないし、手首を痛めてしまう怖れがありますから、両手を離してしっかりつかんで持ちましょう。
ポイントは腕力でビュンビュン振ろうとしないで、体がクラブに振られる感覚を意識することです。
クラブの重量に任せて振っているうちに、体幹を使ってスイングするイメージがつかめてきます。
下半身を安定させて腹筋や背筋などを使うので、スイング軸が太くなることも実感できます。
筋力アップの面でもとても効果的ですし、なによりも「スイング力」が向上します。
重めのバットや3本のクラブ素振りの後は、通常のクラブを持つとかなり軽く感じられますが、ここで手先に頼ってスイングしてはいけません。
クラブを1本持っても、クラブに振られる感覚でスイングすることが大事なのです。
このクラブに振られる感覚こそ、大きな飛距離を生むのです。
お金をかけなくても飛距離アップや筋力アップはできるんです。