ゴルフスイング
おっ3
“無段階変速機”のようななめらかなスイングの始動を目指そう!
2018-2019シーズンにおいて大躍進を見せたザンダー・シャウフェレのちょっと個性的なアドレス。
グリップ位置は遠く、右膝を内側に絞った感じですね。しかし、ここからの始動は極めてスムーズで淀みがありません。
上級者やプロは、この状態からの動き出しがとても軽やかですよね。
スイングの始動が良ければ、スイング全体のバランスが整い、グッドショットの可能性はグンと高まりますよ!
静止しないほうがスムーズです!
若かりし日のビッグ・イージー! アーニー・エルスの始動直前の状態です。
前傾姿勢はすでにできていますね。
そして、両股関節が入った状態のままで目標を確認しています。
こうしている間も、両足はパタパタと動かし、クラブヘッドをソールしても静止しません。
始動のきっかけを作るために、『ミルキング(※)』と言われる動作をします。
数回この動作をした後、スッとバックスイングに入ります。
ゆったりと静かなスイングの印象があるエルスですが、全身が静止する瞬間は、フィニッシュまでありません。
※ミルキング:右手の親指と人差し指を開いたり閉じたりする動作。乳しぼりをしているかの動きのため、こうした名称で知られています。動きがかなり小さいので、アドレスのバランスを崩す心配がない、というのがミルキングの利点とされています。
動き出しでやってはいけないこと!
それでは、動き出しでやってはいけないことは何でしょうか? その理由と併せて考えてみましょう。
・お地蔵様のように静止すること→身体が固まり、動き出しで力みが入ります。
・手先や指先でグリップをギュッと握ること→さらに力まないと身体は動きません。
・重心がへそよりも上にあること→上半身しか使えません。
・飛ばそうと考えること→身体は見事に反応して、力みが入ります。
・過剰に素振りをしたり、時間をかけ過ぎること→余計な欲が出て、動きにくくなります。
いかがでしょうか?
思い当たる節がある方、即改善しましょう!
無段階にギアを上げる!
動き出してから急激にトップを作ろうとするのは危険です。
肩も腰も回らず、手で作ったトップになってしまいます。理想は、少しずつ加速するイメージでトップができることです。
クルマやスクーターを運転する方は、『無段変速』というギアをご存知の方がいらっしゃると思います。
スイングの始動からトップまでは、まさにそのイメージです。
通常のAT(オートマチック車)の場合、1速→2速→3速とシフトアップする度に「ガクッ」とシフトショックが起きます(最近の車はだいぶ小さくなりましたが)。
ゴルフのスイングでは加速の度にショックが起きるのは、どんどん力んでいるのか、握り直ししているのかのどちらかです。
スイングの始動までの間も静止することはなく、ミルキングのようなきっかけを合図に動き始め、無段階にトップまで加速を続けられるようになると、高いレベルでスイングが整って来ると思います。