プロゴルファー
こせきよういち
ライダーカップ余録~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#92
先週、個人的に最も楽しみ、興奮したのは欧米対抗戦の「ライダーカップ」でした。
結果は、ご存じのとおりヨーロッパチームの圧勝。アメリカが狙っていた、1993年大会以来25年ぶりの敵地ヨーロッパでの勝利はまたしてもなりませんでした。
今回は、この第42回大会そのものではなく、その後に生まれた面白いエピソードを紹介しましょう。
ここまでやるか!? “モリウッド”
今回圧勝したヨーロッパチームで一番驚きをもって注目されたのが、フランチェスコ・モリナリ(出場3回目)とトミー・フリートウッド(初出場)の愛称“モリウッド”コンビでした。
彼らは、初日と2日目のチーム戦全4マッチに登場し、全勝。
しかも、17番ホールまでもつれて、結果3&1(1ホールを残して、3アップ)で制した初戦を除き、残る3戦は5&4、4&3、5&4とすべて相手を圧倒する強さでした。
その原動力になったのがチームワーク、つまりふたりの仲の良さでした。
見つめ合い、抱擁するふたりには、さっそくチームの公式アカウントが上掲のビデオを製作するほどの“愛”を感じました。
そして、彼らの力でヨーロッパチームが勝利を収めると、翌日にはさらに下掲のビデオが、ふたりの演技で作られたのでした。
「僕、どうだった?」(フリートウッド)
「4点満点の4点だったよ」(モリナリ)
「君は5点満点5点さ、フランキー」(フリートウッド)
ふたりはコンビで4戦全勝。モリナリはシングルスも合わせて5戦全勝だった戦績をネタにしての会話ですが、なにやら思わせぶりなところが笑えます(こんなこと言われたことないけど (^^ゞ )。
勝利スコアを頭にタトゥー?
ヨーロッパチームを勝利に導いた力のひとつに、トーマス・ビヨーンのキャプテンシー、チームを上手にまとめたことがありました。
そのビヨーンですが、勝利記者会見の場でチームメンバーに「頭に優勝スコア(17 1/2 to 10 1/2)のタトゥーを入れることに同意した」と発表されてしまいました。
するとビヨーンは、「今週最悪の選択だった」として、最終日の最終マッチにアレックス・ノレンを据えたことを口にしました。
というのも、ヨーロッパチームの勝利が決していたにもかかわらず、ノレンは最終ホールで、余計なことに15メートルもの超ロング・バーディパットを沈め、結果、最終スコアが「17対11」から、前記の「17 1/2対10 1/2」になってしまったのです。
このスコアを頭にタトゥー。ビヨーンが悔やんだのも納得です。
でも、勝利スコアのタトゥーは実際のところ、彼のベルトラインの下に入れられるようです。
「ガールフレンドのグレースだけが見られるところにね」(ビヨーン)
敗者・アメリカのゴルフ場にセントアンドリュースの旗が
最後は場外戦。
ライダーカップはヨーロッパとアメリカのゴルフ界の意地と名誉をかけた戦いでもあります。
そのヨーロッパを代表するパブリックコース=セントアンドリュースと、アメリカを代表するパブリックコースのパインハーストの間で、ユニークなベット(賭け)が行われていました。
これは2年前の前回大会から行われていたことで、それぞれを代表する、いわば“顔”であるオールドコースとNo.2コースの18番グリーンに、負けた側が勝った側の旗を立てるというもの。
そして、前回は負けた側のオールドコースに「パインハーストNo.2」の旗がはためきましたが(下掲の画像)、今回はそのリベンジなってパインハーストNo.2のフィニッシングホールに、オールドコースの旗がひらひらと。
粋で洒落たベットです。
こちらが昨年のセントアンドリュースの写真です。