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Gridge編集部

ヒッティのThe U.S. Open 2018レポート④フィルの“特別な”バースデー

ごきげんよう、全米オープン3日目を現地で迎えているヒッティです。

大会3日目を6オーバーからスタートしたフィル・ミケルソン。

この日、48歳の誕生日を迎えた彼は、ギャラリーからたくさんの“ハッピーバースデー”ソングを受けていました。

にこやかな笑みを浮かべながら、親指を空に向ける“サムアップ”で声援に応えます。

フィルは人気者だなぁ。ゴルフファンに愛されているなぁ。と思って微笑ましく送り出しました。

しかしその後。

12番までに4つスコアを落としていた彼は、13番のグリーンでまさかの2ストロークペナルティーを受けてこのホールを「10」とします。

一体何があったのでしょうか?

4オン4パット+2ペナ=10

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(写真は13番ティーボックス)

ティーショットをフェアウェーの左サイドへ置いたフィル。

2打目はグリーンの奥へ行き、3打目のアプローチは下り傾斜のグリーンからフロントサイドにこぼれ落ち、4打でグリーンオンします。

しかし、約3メートル奥につけた下りのパットのボールはカップをかすめ、また下り傾斜をコロコロと転がり落ちて行きました。

というか、落ちかけていました。

カップを過ぎ、ボールが下りを加速していきそうになった時、フィルは小走りにボールに近づき、なんと動いているボールをカップに向かって打ってしまったのです。

え? と、観ていた誰もが唖然。

しかもその打ったボールはまたカップを過ぎ、また下りの1メートルほどの距離。それも構えてすぐに打ち、カップに蹴られて4パット。

動いているボールを打ったので、ゴルフ規則[14-5]に則り、2ストロークペナルティを科せられ「10」としました。

わざとやった?

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フィルのようなベテランの選手が、その基本的なルールを知らないはずがありません。

プレー終了後のインタビューで非難されると、次のように答えていました(※以下、ヒッティ意訳)。

「2ペナルティーになることは知っていたけど、あのままでは転がり落ちて、(アプローチをした)バンカーの後ろの元の場所に戻ってしまうと思ったんだ。それよりは、2ストロークペナルティーを受けて、ホールに近いところから次を打ちたかったんだ」

それはチャンピオンシップに対して無礼(disrespect)な行為では? との問いには、冷静にこう答えていました。

「そういうつもりではなかった。けれど敬意に反する行為と取る人がいたなら、謝罪する」

「今日は素晴らしい日だった。ここに来てくれた人々はみんなバースデーソングを歌ってくれたし、素晴らしいバースデーになるよう祝福してくれた」

約2分ほどのインタビューの間で、その行為についてどう思うか? ファンはどう思うと思うか? など非難がこもった質問が繰り返されましたが、フィルは「ディスるつもりはなかったんだ」と4回も弁解しました。

早速トレンドになりつつある

動画はFOX SPORTSのオフィシャルインタビューです。

YouTubeではフィルが問題の行為をした部分を撮影した個人アカウントの動画が乱立、再生回数は3時間で1万回を超えるなど、話題となっています。

コメント欄やギャラリーの反応や評価をみると、フィル擁護派と批判派で論争が巻き起こっているようです。

伝統あるコース、伝統ある大会で、ペナルティーが科されると知りながらルールを意図的に破って利用したとされる今回の行動。

「ゴルフのスポーツマンシップを汚す行為」という声が多い印象です。

最後に、インタビュアーから「(13番での出来事の後)ギャラリーの反応はどうでしたか? サムアップしているように見えましたが」と問われたフィル。

「ここに来ている人たちは素晴らしい。彼らは僕の誕生日を特別なものにしてくれた。そのことに感謝している」と答えました。

茶目っ気たっぷり、愛嬌のあるプレーヤーとして親しまれているフィル・ミケルソンですが……今回ばかりは笑って許されないのではないかと思います。

本当にグリーンが速く、難しいセッティングでしたから気持ちはわかりますけど、ね……。

気持ちはわかるけど、プロとしてやっちゃあいけないことですよね。

最終的にはこの日のスコアを11オーバー、3日間トータルは17オーバーとしたフィル。
首位と15打差で明日の最終日を迎えます。

彼だけでなく、観ている我々にも特別な日となったのでした。