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プロゴルファー

こせきよういち

バンカー内の新ルール~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#152

今年の年初から採用された新ルール。

従来あった規制の多くが緩和されたのが、ボールがバンカー内にあるときの禁止事項です。

例えば、ルースインペディメントはいつでも取り除けますし、バンカー内で(砂につけた)クラブに寄り掛かって休むこともできるようになりました。

ところが、今年のツアーでは、緩和されたために新たなトラブルが起きています。

話題になった事例を振り返ってみましょう。

石と思ったら、砂の塊だった

マキロイは、8月の米ツアー競技「ザ・ノーザントラスト」の2日目、バンカー内のボールのそばにあった小石を取り除こうとつまみ上げました。

小石はルール上の「ルースインペディメント」ですから、ストローク前に砂の上から取り除くことができます。

ところが、マキロイがつまみ上げたのは小石ではなく、砂の塊で、指の間でバラバラになってしまいました。

新ルールでも「砂の状態をテストしたり、次のストロークについての情報を得るために手、クラブでそのバンカーの砂に故意に触れること」は認められていません。

そこで、マキロイは競技委員を呼び、事情を説明したのですが、その場で「規則12.2b」違反として2ペナの裁定が下されました。

でも、その裁定にはテレビ観戦の大勢のファンが納得せず、SNS上で、「故意に砂に触れたわけではないのに、おかしな裁定」と大ブーイング。

すると、ツアー側がこれに反応したのか、マキロイのラウンド終了後に再度協議。最終的に無罰となりました。

スロープレーに注意

バンカー内のルースインペディメントは取り除けることになりましたが、そこで注意したいのがスロープレーです。

特に、落ち葉が周りにたくさんあるときなどは、ボールを動かさないように慎重に取り除くあまり、時間がかかり過ぎる、ということも。

今年の欧州ツアー競技「ポルシェ・ヨーロピアンオープン」では、上掲のツイッター動画のような、ファンの不興を買うシーンがありました。

小石を丹念に取り除いているのは、マット・クーチャです(ただし、この場所はバンカーではなく、ウェイストエリアですが)。

あまりに時間をかけたために、ネット上ではやはりブーイングが起こったようです。

バンカー内で禁止されている行為を再確認

新ルールでは、バンカー内のルースインペディメントは取り除けることになりましたが、「ボールの直前・直後にクラブをソールすること」、さらには「練習スウィングでクラブが砂に触れること」「ストロークをするためにバックスウィングしたクラブが砂に触れること」は依然として違反です。

2ペナが課せられます(上掲の動画を参照)。

おまけ:パトリック・リードは「ライの改善」

最後は、これもバンカーではなく、ウェイストエリア内でのルールトラブルなのですが、今月(12月)初めに開催された「ヒーロー・ワールドチャレンジ」3日目のこと。

最近は「ヒーロー」ではなく、すっかり「ヒール」扱いのパトリック・リード。ここはバンカー内ではないのでボールのすぐ後ろにソールをすることはできます。

が、そのあとがいけなかった。

練習スウィングを行うようにして、バックスウィングでボールのすぐ後ろのライを改善(規則8.1a「砂やバラバラの土を取り除く、または押し付ける」違反)したと判断され、2ペナの付加となりました。

そして、この行為が翌週の「プレジデンツカップ」で、世界選抜を応援するギャラリーの「非難の的」に。

「身から出たサビ」でした。