プロゴルファー
こせきよういち
だからマキロイのゴルフは魅力的~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#61
先週の米ツアー競技「ホンダクラシック」。
ネット上には、復調しつつあるタイガー・ウッズの話題をはじめ、ジェイソン・ダフナーの「BOSS」と描かれたキャップなど、ちょっと気になる情報がたくさん溢れていました。
そんななか、今回取り上げるのは、この試合で撮られたロリー・マキロイの動画。
今年に入ってもなかなか調子の上がらないマキロイですが、ネット上では大活躍中なのです。
“セベ・バレステロス”が宿ったマキロイ
マキロイの先週のプレーで最も話題になったのがこれ。第3ラウンドの6番ホールでのリカバリーショットです。
グリーンを狙ったマキロイの第2打はグリーンをオーバー。ボールは、グリーン奥の深いブッシュのなかへ転がり込んでしまいました。
「アンプレヤブル」にするのが妥当な状況ですが、ドロップに適当なスペースがなかったのでしょう。
それで、このような格好でそのままストローク。
このプレーに、欧米ゴルフメディアの記事には、
「1ペナのアンプレヤブルをあえて選択しなかったのは、内なる“セベ・バレステロス”とチャネリング(交信)したからだ」といった表現が見られました。
セベのように、わずかでもチャンスがあれば果敢に挑戦する。マキロイの人気の理由のひとつでしょう。
ボールの行方よりも体の行方が気になる
上記6番ホールの前、5番ホール(パー3)でもこんなシーンがありました。
ティーショットのボールはグリーンをとらえきれず、手前のラテラルウォーターハザードの域内に。
ここでも、マキロイは1ペナ(1罰打)で救済のドロップをすることができたのですが、やっぱり彼らしくそのままのライからリカバリーショット!
このシーンについてメディアのネット記事には、
「ボールの行方よりも、体の行方のほうが気になる」というキャプションがありました。
確かに、そうですね。
マキロイのリカバリーショットはやっぱりすごい!
先週、マキロイがその巧みなリカバリーショットでファンを喜ばせたのは、第1ラウンドの16番パー4でのこのアプローチです。
彼の第2打はグリーン右のガードバンカーのさらに右、ウォーターハザード内の枯れ芝の上に、かろうじて止まっていました。
ピンまでの距離は約38ヤード。
そこからパンチショット気味に低く打ち出されたボールは……。お見事! 大拍手です。
「キャリアグランドスラム」となるマスターズに向けて上げ調子を期待
マキロイの魅力である、ミラクルなリカバリーショットといえば、思い出すのは昨年の全米プロのこの一打です。
第1ラウンドの10番パー5。マキロイは第2打を大きく右に曲げると、ボールは林を越え、カート道路の奥、ピンまで約50ヤードの地点まで転がってしまいました。
そこからグリーンにオンさせるには、カート道路の上のぽっかり空いた狭い空間を通すしかありません。
しかし、ボールはバミューダ芝の深いラフのなかで、ショットのコントロールはとても難しい状況でした。
ところが……。
TV中継からは「You've got to be kidding me!」(ウソだろ!)という驚きの声が上っています(下記リンク先の動画をご覧ください)。
このマキロイですが、当面の一番の目標である「キャリアグランドスラム達成」を目指し、4月のマスターズに向けて調子を上げたい時期です。
今週のWGCメキシコ選手権はスキップしますが、来週のバルスパー選手権には出場予定です。
スーパーショットとともに、彼が優勝争いに加わってくれることを期待しましょう。