プロゴルファー
Nick Jagger
【最年長メジャー優勝記録更新!】徹兄さん、かっこいい!
72ホール目、22歳年下の藤本佳則に追いつくパットを沈めた谷口徹に、テレビ解説をしていた丸山茂樹が「徹兄さん、かっこいい!」と叫んでいましたね。
「日本プロゴルフ選手権」で、50歳92日の谷口徹が、ジャンボ尾崎の49歳109日を塗り替える国内メジャートーナメント最年長優勝記録で制しました。
50歳谷口徹の苦言
プレーオフ2ホール目、約5メートルのウイニングパットを放り込んだ谷口は、豪快にこぶしを突き上げました。
直後の涙のインタビューに感動した人も多いことでしょう。
勝負を決めたウイニングパットについては「入れなきゃいけないときは、入れるしかない」、うーん、かっこいいぜ、徹兄さん。
しかし、「最近の若手は貪欲さがない。勝つ気があるのかよと思う。こんな年齢の俺が勝ってはいけない」と若いプロに苦言を呈していました。
「ちょっと調子が悪いと、もうダメみたいな…」
20代選手の活躍がツアーが活性化をし、隆盛を見せている女子ツアーに比べて低迷している男子ツアー。
谷口も若手のふがいなさに黙ってはいられなかったのでしょう。
パッティングはYESかNOかだ
若手プロは谷口のすごみを生きた教科書にしなければいけません。
最終日、残り2ホールで2打差。
そこから約5メートルのパットを連続で沈め、プレーオフに持ち込み、勝負を決めた5メートルを執念でねじ込みました。
観ていて鳥肌が立ったという人も多かったのではないでしょうか。
元々パットの上手さには定評があった谷口、その1打に賭ける集中力はすさまじいものがありました。
かつて谷口の合宿に参加した上田桃子はこんなことを言っています。
「パッティングはYESかNOか。そこに打つか、打たないか。打ちたいのか、打ちたくないのか。それが大事なんだ。あそこに打とうかなじゃ、ダメなんだって…。谷口さんに勝利に対する貪欲さを教えられました」
「絶対に長嶋さんから優勝カップをもらう」
2002年と2007年に賞金王になった谷口だが、彼にとって一番印象的な優勝は07年の「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」だといいます。
長嶋氏が病から復活し、初めて北海道の大会会場に訪れたのです。
子供の頃野球少年だった谷口は興奮し、「絶対に長嶋さんから直接優勝カップをもらう」と宣言して、見事優勝しました。
「長嶋さんに初めてお会いしたのですが『昔から谷口君はパットが上手いねぇ』と言われて、タイガーならまだしも、僕を覚えてくれるなんて、天にも昇る気持ちでした」
その年、谷口は2度目の賞金王に。
当分レギュラーツアーで戦ってください
メジャーに勝つと、5年間のシード権が与えられますが、最終日の前日、「5年シードなんていらない。3年でいいよ。そんなに戦えないよ」と話していましたが、実際本気でゴルフを辞めたいと思っていたそうです。
PL学園のクラスメイトだったKK(桑田、清原)が華々しい活躍をしましたが、とうの昔に引退。
「プロゴルファーには引退はない。引導を渡すのは自分。シード落ちしたら、そのときが…」と以前語っていました。
いやいや、まだまだレギュラーで戦ってください。50歳超でのツアー優勝は8人目です。
最年長は55歳と241日(02年全日空オープン)のジャンボ尾崎で、50歳以上で12回勝っています。
「ジャンボさんに比べれば、まだまだ全然です」という谷口ですが、もうしばらくはふがいない若手のお手本でいてもらいたいものです。
く~っ、徹兄さん、かっこいいぜ!