プロゴルファー
もーりー
“ゴルフの科学者”デシャンボーが悲願のメジャー初制覇!!【全米オープン2020】
皆さんゴルフを楽しんでいますか?
こんにちは、ライターのもーりーです。
ニューヨークを舞台に開催されたメジャー大会の『全米オープン2020』。
新型コロナウイルスの影響で6月開催から9月開催に変更、さらに無観客試合という中でも開催にこぎつけることができて、ゴルフファンとしては喜ばしい限りです。
そんな異例ずくめの今大会を制したのは、“ゴルフの科学者”の異名を持つあの男でした。
風と長いラフ、硬く締まったグリーンが選手たちを苦しめた!
アメリカPGAツアーは新シーズン(2020-2021シーズン)2戦目、メジャー大会である『全米オープン2020』(9月17日~9月20日、ニューヨーク州 ウィンゲッド フットGC 7477ヤード パー70)が開催されました。
今年は新型コロナウイルスの影響で全米オープンが9月開催、『マスターズ』が11月開催に延期が決定したこともあり、2020-2021シーズンでは全米オープンとマスターズが各2回ずつ開催されるという変則スケジュールになっています。
そして今回の全米オープンが開催されたのは、アメリカではかなり北に位置するニューヨーク州。
長袖でプレーするほどの低めの気温に強い風、そして生い茂る深いラフに日を追うごとに硬く締まったグリーンが選手たちを苦しめました。
それが証拠に初日に5アンダーで首位に立ったジャスティン・トーマス選手、2日目を終えて首位に躍り出たパトリック・リード選手、そして3日目に5アンダー(ノーボギー)を叩き出して最終日を主で迎えたマシュー・ウルフ選手はいずれも首位に立った翌日にオーバーパーの大乱調でスコアを崩していきました。
今年の全米プロ覇者のコリン・モリカワ選手やタイガー・ウッズ選手が予選で姿を消すような厳しいコースコンディション。
ちなみにこのウィンゲッド フットGCでは6回目の全米オープン開催となったのですが、過去5回で優勝スコアがアンダーパーだったのは1回だけ。
今大会も優勝スコアはトータルでオーバーパー(+1以上)になるかと思われました。
圧倒的なパワーゲームで全米オープン初制覇
そんな大方の予想を見事に裏切って見せた選手がいました。
それはブライソン・デシャンボー選手。
デビュー当時から“ゴルフの科学者”と呼ばれ、今や彼の代名詞ともなったワンレングスアイアンやアームロック式のパター、そしてハンドアップの構えからの独特なスイングといった新たなゴルフプレースタイルを披露してきました。
そして何よりゴルフ関係者を驚かせたのが、前シーズンのコロナ中断期間に行った肉体改造でした。
中断されたツアーが再開された時に、デシャンボー選手はまるで別人のごとくひと回り、ふた回りも大きくなって登場しました。
体重を10キロ近く増やして筋肉を大幅に増量して、食事制限からプロテイン摂取まで徹底的に管理、スイングスピード、ボールスピードも研究しつくしロフト角5.5度のドライバーの飛距離は380ヤード超えも当たり前というパワーヒッターに大変身したのでした。
そんなデシャンボー選手は、今大会前に、たとえ深いラフに入るとしてもとにかくドライバーで飛距離を稼ぎ、ウェッジでグリーンを狙っていくと豪語。
そしていざ大会に入るとその宣言どおり、狭いフェアウェイなどお構いなしにドライバーで攻めまくり、終わってみればただ一人4日間でオーバーパーラウンド0を達成。
トータル6アンダーで2位のウルフ選手に6打差をつける圧勝、悲願のメジャー初制覇となりました。
ドライバーの飛距離は4日間の平均飛距離は325.8ヤードで7位と、1位のダスティン・ジョンソン選手(333.6ヤード)や2位のマシュー・ウルフ選手(333.6ヤード)には及びませんでしたが、他の選手と決定的に違ったのは、あの深いラフからでもボールを打ち出してグリーンオンさせるパワー。
アメリカPGAツアーを代表する選手たちが苦しめられるほどの深いラフと硬いグリーンの組み合わせをいとも簡単に攻略して見せたのでした
ゴルフというのはフェアウェイをとらえショット力で勝負するのが本来の姿だと思われていたですが、その常識をパワーで覆したデシャンボー選手。
やはり今後のプロゴルフツアーはパワーゲーム化がさらに進んでいくのか、今回のデシャンボーの勝利で新たな論争が巻き起こることは間違いないですね。
松山選手は最終日に大きな試練が……
さて今大会で3日まで首位争いを演じていたのが松山英樹選手。
3日を終えてトータルイーブンパー、首位と5打差の4位タイで最終日を迎えました。
しかし最終日のスタートホールでティーショットを大きく曲げてしまいダブルボギー発進。
その後も3連続ボギーとしてしまい、前半の時点で優勝争いから脱落してしまいました。
首位と5打差のスタートということで、前半で少しでも差を縮めようと力が入ったのでしょうか。
個人的には3日目の15番でボギー、17番をダブルボギーでスコアを落としたのが痛かったと思っています。
あの2ホールをパーでしのいでいれば、トータル3アンダーで首位とは2打差で最終日を迎えることができていました。
2打差なら序盤から無理をする必要もなかったはずですので、もっと面白い展開になっていたのではないでしょうか(タラレバですが……)。
今大会は最終日に残念な結果となってしまいましたが、3日目までのゴルフが今後も続けられるようなら、今後のメジャー大会でも十分に勝機はあるはずです。
というわけで松山選手には悲願の日本人メジャー初制覇を目指して頑張ってもらいたいと願いつつ今回はこのへんで。
それでは、また!