プロゴルファー
こせきよういち
祝・世界ナンバー1!~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#174
先週の米ツアー競技「ザ・メモリアル・トーナメント」で圧勝したジョン・ラームは、今週発表の世界ランキングで初めて1位にランクされました。
そこで、今回はラームと世界ランキングにまつわるトリビアをあれこれ。
歴代24人目の世界ナンバー1
世界ランキングは1986年4月(当時の名称はソニーランキング)にスタートした、世界中のプロゴルフツアーの競技成績をもとに算出されるランキングです。
歴代最初のナンバー1は、当時西ドイツのベルンハルト・ランガーでした(歴代ナンバー1は下記リンク先を参照)。ラームは歴代24人目のナンバー1プレーヤーになります。
また、現在25歳の彼はタイガー・ウッズ、ジョーダン・スピース、ロリー・マキロイ、ジャスティン・トーマスに次ぐ史上5番目の若さでの「世界一」です。
彼は2015年~16年にかけて世界アマチュアランキングで合計60週間、ナンバー1の座に就いていますが、これは歴代トップの1位在位期間記録です。ちなみに2位はパトリック・キャントレーの55週間です。
そして、プロとアマ(2007年にスタート)、両方の世界ランキングで1位になったのは、ロリー・マキロイ、ジョーダン・スピースに次いで3人目となります。
スペイン人としては2人目
スペイン人で世界ナンバー1になったのは、母国の英雄=セベ・バレステロス(写真左)に次いで2人目です。
同国の先輩には、ともにマスターズチャンピオンのホセ・マリア・オラサバル(写真右)とセルヒオ・ガルシアがいますが、世界ランキングの最高位は2人とも2位でした。
ラームの次の目標はメジャー制覇でしょう。
さっそく来月には全米プロが待っています。大会が近づけば、タイガーやブライソン・デシャンボー、さらに勝てばキャリアグランドスラムが完成するスピースなどと並んで注目されるはず。
しかし、世界ナンバー1の在位中にメジャーを制したプレーヤーは過去4人しかいません。
イアン・ウーズナム(1991年マスターズ)、フレッド・カプルス(92年マスターズ)、タイガー(過去11回)、そしてマキロイ(2014年全米プロ)。
注目がプレッシャーに? ラームにとっても簡単なことではないでしょう。
ラームもすごいけど、フィルもすごい
ラームの世界ランキングに関して、面白い話が伝わってきました。
2016年6月、セントジュードクラシックが雨で中断中のこと。
フィル・ミケルソンはコルト・ノスト(今年2月にツアー引退を宣言、現在はコメンテーターとして活躍)相手に、当時アリゾナ州立大ゴルフ部でプレーするジョン・ラームの強さを力説。
そして、「ラームが1年以内に世界ランキングのトップ10に入ることに賭けてもいい」と賭けを持ち掛けたのです。
ミケルソンはラームと同じアリゾナ州立大出身で、弟のティム(現・フィルのキャディ)は当時、同大ゴルフ部のヘッドコーチを務めていました。
ラームの実力を良く知る立場ですが、このときラームの世界ランキングは766位! そこから1年でのトップ10入りは並大抵のことではありません。
当然、ノストはこの賭けに乗りました。
ところが、ラームは同じ月の全米オープンで23位タイの成績でローアマのタイトルを獲ると、すぐにプロ転向。翌週のトーナメントでさっそく3位タイになるなど、その後は快進撃。
そして、翌17年1月にツアー初優勝。同5月に世界ランキング9位に躍進したのです。
確かにラームはすごい! けど、世界766位のアマチュアが1年後に世界トップ10入りすると信じ、それに賭けたミケルソンのギャンブラーぶりもすごい!
一方、可哀そうなのはノスト。彼は「コンマが付く額」、つまり少なくとも「1,000ドル」以上の額をミケルソンに奪われたそうです。