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プロゴルファー

Taddy Bear

2020年LPGAツアーはステップ・アップ・ツアー昇格組にも注目!

2020年のLPGAツアーは3月5日のダイキンオーキッドレディスが開幕戦。

オリンピック開催のため、2試合減となったものの37試合が行われます。

見どころは昨年同様、賞金女王の鈴木愛選手、渋野日向子選手を始めとする黄金世代。それに絡んでくるのが古江彩佳選手や安田祐香選手などのミレニアム(プラチナ)世代。

群雄割拠、ますます激しい闘いが予想される今年のLPGA。

その中で、目立ってはいないけれど注目したいのが、ステップ・アップ・ツアーからの昇格組です。

河本選手も渋野選手もシーズンフル参戦!

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ステップ・アップ・ツアーは、LPGAツアー出場資格を持たない選手や新人を対象に、試合経験を積ませる目的で1991年から始まりました。

2020年はLPGAツアーには届かないものの、年間18試合が開催されます。

観客が入場できる試合もあり、ヌック・スカパン選手が2試合連続優勝を飾った昨年の九州みらい建設グループレディースは3日間で約3300人の観客を集めました。

「でも所詮はLPGAの下部ツアーでしょ?」などと侮ってはいけません。

たとえば2019年3月のLPGAレギュラーツアー、アクサレディスゴルフトーナメントin MIYAZAKIで優勝、さらにアメリカのLPGAが主催するQシリーズ(ツアー参加資格最終予選会)で9位タイに入った河本結選手。

2018年シーズンのステップ・アップ・ツアーでは4勝を挙げ、獲得賞金第1位の資格で2019年LPGAツアーに参戦しました。

渋野日向子選手も2018年の試合フィールドはステップ・アップ・ツアー。優勝こそありませんでしたが16試合に出場、年間獲得賞金ランクは10位をゲット。

ファイナルQTの最終結果は40位という、LPGAの試合出場資格ボーダーライン上にいました。

この頃、渋野選手を注目していた人、かなり少なかったはずです。

ステップ・アップ・ツアーからの昇格組、大化けする可能性を持った選手がいっぱいいるのです。

スカパン選手のLPGAツアー優勝が見たい!

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昇格組の筆頭は19年シーズンのステップ・アップ・ツアーで河本結選手と同じく4勝を挙げたヌック・スカパン選手。

微笑みの国、タイの出身だけに優勝した時の合掌ポーズは観客を穏やかな雰囲気に包んでくれます。

172センチの身長が繰り出す飛距離はLPGAツアーでも引けを取らず、アプローチの小技も多種多彩、さらに強気なパッティングが大きな魅力となっています。

早期優勝の可能性、十分にあり。

と言いたいところですが、春先3連勝の後は少しずつ失速。

10月の日台交流うどん県レディースで優勝したものの、19年度LPGA最終プロテストに落ちてしまいました。

LPGAツアー参加資格は賞金獲得額第1位に与えられる第1回リランキングまで。なんとか、それまでの間に優勝してLPGAツアーの常連になってほしいですね。

仲宗根選手の魅せるゴルフ!

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続いてはステップ・アップ・ツアー年間獲得賞金ランク3位、20年度(19年に実施)QTファイナルで5位に入った仲宗根澄香選手。

19年シーズンのステップ・アップ・ツアーでは2勝を挙げています。

記憶に残っているのが7月のSkyレディース ABC杯。

2日目にステップ・アップ・ツアー18ホールの最小記録となる62をマーク、通算18アンダーでぶっちぎりの勝利を挙げました。

ちなみにSkyレディース ABC杯、ミレニアム世代の古江彩佳選手、西村優菜選手(ともにアマ時代)も参加しており、それぞれ2位タイ、6位タイに入賞しています。

仲宗根選手、得意クラブはドライバーと言うだけあって、その飛距離は圧巻。

LPGAツアーでも魅せるゴルフを展開すれば、第1回リランキング通過はけっして難しい関門ではないでしょう。

仲宗根選手を推す理由はもうひとつ。

年間2勝目を挙げた9月の山陽新聞レディースカップの一コマが印象深かったことです。

表彰式が終わってクラブハウスに引き上げる時、わずかしかいなかった観客の中で、最後まで見守っていた子供がサインをお願いしました。

その時、仲宗根選手は手元に何もなかったのですが、すかさずグローブを外し、笑顔でサインをして渡しました。

ちょっと心温まる光景ですね。

LPGAツアーでも、仲宗根選手に限らずこのような光景がもっと見られると、LPGAツアーのファンは確実に増えていくはず。

他にも注目選手がいっぱい!

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上記2選手以外にも注目株、たくさんいます。

たとえばQTファイナルで9位に入ったセキ・ユウティン選手。

19年9月のステップ・アップ・ツアー、日医工女子オープンで優勝後は「美女ゴルファー」として注目を集めましたが、その実績は黄金世代やミレニアム世代に劣りません。

16歳で中国CLPGAのプロに転向すると2016年には早くも初優勝を遂げ、その年の賞金女王にも輝いています。

LPGAプロテストも3回目の挑戦で合格しているので、2020年はたっぷりセキ選手を見ることができます。

もう1人注目したいのが19年ステップ・アップ・ツアーの開幕戦、rashink×RE SYU RYU/RKBレディースで優勝した吉川桃選手。

身長156センチと小柄ですが、優勝コメントで「同期がLPGAツアーで活躍しているので、私も早くLPGAツアーに上がって活躍したい」と語った希望を半分、実現させました。

その負けん気に期待です。

89期プロテストで1位タイになった沖せいら選手、ツアー競技外とはいえ、早くもグアム知事杯で優勝した川岸史果選手などからも目が離せません。

黄金世代にミレニアム世代、まだまだ負けられないベテランや中堅、さらに手強い韓国勢。

これら強豪の中に入って上位に食い込むのは大変なことでしょう。

それでも、ステップ・アップ・ツアーで積み重ねた経験を糧にして、LPGAツアーで華やかな活躍を見せてください。