Gride

https://www.instagram.com/p/B1TxVjzgiW4/?utm_source=ig_web_copy_link

プロゴルファー

こせきよういち

遅刻騒動のてんまつ~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#135

先週の米ツアー競技「BMW選手権」では選手がスタート時間に遅れるのでは? という遅刻騒動が立て続けに起こりました。

ともにトッププレーヤーによる、ちょっとユニークな展開の騒ぎでした。

振り返ってみましょう。

宿泊するホテルが落雷で火事!

まずは、これまでもここに何度も登場しているフィル・ミケルソンの騒動から。

大会最終日、日曜日の朝9時過ぎのことです。

フィルが突然、自身のツイッターにびっくりする内容の話を投稿したのです。それが冒頭のインスタ画像の中に貼られたテキストです。

「宿泊するホテルに落雷。泊まっていた最上階の部屋からは避難したが、ホテルが火事になって部屋に戻れない(部屋には今週使うものだけ持ち込んである)。クラブもウェアも部屋の中だ。スタート時間には間に合わないだろう」

ところが、それから40~50分後、

「消防の緊急隊員はなんて素晴らしいんだろう。クラブを手にできた。トーナメントに間に合いそうだ。ラッキー!」という新たな投稿。

幸い、大会側は前夜から早朝にかけて嵐が通過するという天気予報を考慮し、この日はスタート時間を大幅に遅らせていました。フィルのスタート時間は10時52分。

しかも、泊まっていたのは開催コースのメダイナカントリークラブに隣接するホテルでした。

フィルは10時15分にコースの駐車場に着くや、サンダルからシューズに履き替え、ウォームアップ代わりに2、3度素振り。そして、練習場へ。

それから、わずか30分後にティーオフしていきました。

今度はパトカーの先導で会場入り

getty

もうひとり大きな話題になったのがロリー・マキロイです。

マキロイは、2012年にここメダイナCCで行われたライダーカップの最終日、あわや遅刻という切迫した事態に陥り、宿泊するホテルからパトカーに乗せてもらってコース入りするという大騒動を起こしてます。

メダイナCCに着いたときは、スタートまで10分もありませんでした。

原因は彼の勘違い。スタート時間はアメリカ東部時間で表示されていたのですが、彼はそれを現地の中部時間(1時間遅れ)と誤解したのです。

ところで、このとき主催のPGAオブ・アメリカの職員として、遅刻しそうになったマキロイをアテンドしたのが、2017年に結婚したエリカ・ストールさんでした。

マキロイには「救いの女神」に見えたのでしょう。

それはともかく、今回はそれほど緊急事態ではなかったのですが、土曜日にやはり遅刻の恐れがあるからと、コースまでの経路をパトカーに先導されて会場入りしたのです。

今度は、ちょっと余裕。

でも、この事態をスタートアナウンサーはほっときません(下のツイッター動画を見てください)。

「続いては午後1時15分スタートの選手ですが、彼はまた時間を混乱しているのかもしれません。東部時間午後2時15分、太平洋時間午前11時15分、アイルランド時間午後7時15分です。ありがたいことに、今日はオンタイムでここにいます。北アイルランド出身のロリー・マキロイ」って(笑)。

すっかり遊ばれてしまいました。

実際に遅刻で失格となったトッププロ

getty
getty

最後は実際にスタート時間に遅れ、競技失格になった2選手です。

ひとり目は2010年にフェデックスカップ王者となったジム・フューリック。

彼は、その年のプレーオフシリーズの初戦でスタート時間に遅れ、競技失格となりました。

ただし、遅刻したのはそのトーナメント本戦ではありません。

前日に行われるプロアマ競技に遅刻した結果、当時のツアー規定によって翌日からの本戦の出場権を失ったのです。

遅刻の原因は、目覚ましをセットしてあったスマホが夜中にバッテリー切れしたため。

それでも彼はスタート時間(7時30分)の7分前、7時23分に付帯する宿泊施設の部屋を飛び起き、そこから脱兎のごとく駆けつけたのですが、わずか5分ほど及びませんでした。

当時の記事には、フューリックは靴下を履かず、ズボンにはベルトも通しておらず、シューズのひもは結ばれてなかったとあります。

恐らく、当時はまだ残っていた頭髪はバラバラに逆立っていたに違いありません。

もうひとりは、まだ記憶に新しい今平周吾です。

2017年、中国で開催される世界ゴルフ選手権HSBCチャンピオンズでのこと。

今平は翌日のスタート時間を日本ツアーのホームページで確認。そこに記載されていた11時35分を現地スタート時間と勘違いしたためです(1時間の時差があるため、現地スタート時間は10時35分)。

スタート時間は、英語表記で多少わかりにくくても、やっぱり現地のサイトで確認しましょう!