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こせきよういち

正確なアイアンショットがときにあだとなる ~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#45

先週は中国で世界ゴルフ選手権の「HSBCチャンピオンズ」が開催されました。

最終日は2位を6打リードしてスタートしたダスティン・ジョンソンが77と大きく崩れ、4位タイからスタートしたジャスティン・ローズが8打差をひっくり返して優勝する、大逆転劇になりました。

そして、2位には2打差でジョンソン、ブルックス・ケプカ、ヘンリック・ステンソンの3人が入りました。

そのステンソンですが、大会2日目と3日目の2日連続で、ナイスショットのはずがアンラッキーな結果に終わるというシーンがありました。

今回は、正確なショットはときにあだとなるというお話です。

アイアンの切れ味抜群のステンソンは2日連続

ステンソンのアイアンショットの正確さはツアーでも屈指です。

でも今回は、その正確性が自分の足を引っ張る結果になってしまいました。

というのは、ピン(旗竿)を狙ったショットがそのピンを直撃。

カップの奥に落とし、バックスピンで寄せるつもりが、ボールはピンに弾かれ、カップから遠ざかることになってしまったのです。

最初は2日目の5番パー4。第2打がピンの上部にヒット。ボールはピンから大きく離れ、このホールはパー。

翌日は、11番パー4で同じく第2打が……。

しかし今度は、弾かれたボールはカップ近くに止まったため、無事バーディをマーク(下記リンク先の動画をご覧ください)。

でも、2日目も狙いどおりバーディを奪っておれば、最終日の展開はちょっと変わり、ステンソンの優勝のチャンスは広がっていたことでしょう。

正確過ぎるショットは、ときに困りもの?

2年前の大会ではジョンソンが涙を飲む

ルール上、ピン(旗竿)にサイズの規定はありませんが、一般的に直径は2センチ弱です。

その細いピンを、いくら狙って打ったと言っても、2日連続で直撃するとは……。

実は、この大会では2年前にも勝負の行方を左右した、ピン直撃がありました。

そのプレーヤーは、現世界ナンバー1ランカーのダスティン・ジョンソン。

最終日の8番パー5。7番アイアンで放った第3打は不幸にもピンをまともにヒット。

ボールはグリーン手前のクリークに転がり落ちてしまいました。

結果はダブルボギーの7。ジョンソンにとってパー5は大きなチャンスホールですから、これは3打ロスした感じでしょうか。

ジョンソンは最終的に、優勝したラッセル・ノックスに4打及ばなかったのですが、このホールの3打ロスがなければ勝負の行方は分からなかったでしょう。

タイガーからメジャータイトルを奪った一打かも

ピン直撃の一打がタイトルの行方に影響したといえば、真っ先に思い出されるのがこれです。

2013年のマスターズの2日目、タイガー・ウッズは15番パー5で、第3打がピンを直撃。

ボールはグリーン上を勢いよく逆戻り、そしてグリーン手前の池に落ちたのでした。

しかも、その後のドロップの処理にルール上の誤りが認められ、翌日に改めて2罰打が付加。

そして、その裁定が直後から大きな物議を醸すなど、タイガーはプレー以外のところで大きな騒ぎを呼び、最終的には優勝したアダム・スコットに4打及ばない4位タイに終わったのでした。

あのピン直撃がなければ、タイガーは15個目のメジャータイトルを獲得しただろう、という人は少なくありません。