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メジャー第三戦、全英オープン2017の見どころをご紹介します!
年4回あるメジャー大会の第三戦、全英オープンの開幕が目前に迫っています。
1860年に第1回大会が行われてから今年で146回目を数え、メジャーの中で最も歴史と権威あるこの大会。
見どころをお伝えします。
目次
大会の概要
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日程:7月20日(木)~23日(日)
会場:ロイヤル・バークデール@イングランド サウスポート(パー70/7,156ヤード)
賞金:総額1,025万ドル/優勝185万ドル(約2億720万円)
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全英オープンはイギリスのゴルフ競技団体、R&A(全英ゴルフ協会:Royal and Ancient Golf Club of St Andrews)が主催する大会です。
ゴルフは15世紀にスコットランドで生まれたスポーツですが、そのルールを統一したのが1754年にセント・アンドリュースで設立されたR&Aです。
全英オープンはその聖地セント・アンドリュースで5年に1度開催されることが慣例となっていますが、それ以外の年は7つのコースで持ち回り開催されており、今年の舞台となるロイヤル・バークデールでは過去9度全英オープンが開催されています(直近は2008年大会)。
その名のとおりオープン競技であり、世界各地で開催された15の予選を含む参加資格は43を数えます。以下はその一例です。
・2007年から2016年までの全英オープン優勝者
・世界ランキング50位以内(5/28時点)
・2016年欧州ツアー賞金ランキング30位以内
・2016年フェデックスカップポイントランキング上位30名 など
日本においては5月に開催されたミズノオープン上位4名に出場資格が与えられましたが、残念ながら海外勢が独占する結果となりました。
予選会以外の優先資格で参加する日本人は、松山英樹、谷原秀人、池田勇太、宮里優作の4名です。
コースとセッティング
全英オープン最大の特徴は、自然のあるがままに活かしたリンクスコース、ということであり、しばしば人工的と言われるアメリカPGAツアーのコースと対比的に表現されます。
アンジュレーションの大きいフェアウェイ、生い茂るフェスキュー、深くて小さいポットバンカーなどの罠が選手を待ち受けています。
また、シーサイド特有の海風や、変化の激しい天候と4日間上手に付き合い、時には耐え忍ぶことが求められ、通常のツアー以上に経験が有利に働くとされています。
今年の開催地であるロイヤル・バークデールは、中でもスコアが出にくいコースであり、1998年開催時の優勝スコアはイーブン、2008年は3オーバーとなっています。
パー5が2つのセッティングであり、それらはバックナインの15番と17番。
この数少ないチャンスをモノにできるかがキーになることでしょう。
練習ラウンド後、松山英樹は「すごく狭い」と感想を述べたそうです。単にフェアウェイ幅を指しているのではなく、風やハザードを考慮した狙い所が狭いことが表現されているのでしょう。
トッププロたちがどのような攻め方を見せてくれるのか、とても楽しみです。
開催直前の個人的な楽しみ方をひとつご紹介します。選手や関係者がSNSで練習模様をアップしてくれるありがたい時代ですので、ぜひそれらをチェックしてみてください。
以下に挙げる動画はポットバンカーからの脱出をシミュレートしているものですが、こんな打ち方を日本人選手が披露しないことを望みます…。
注目選手
最後に注目選手を5名ご紹介します。
●トミー・フリートウッド(写真)
今季2勝を挙げている注目の26歳は、ヨーロピアンツアーのポイントランキング「レース・トゥ・ドバイ」でトップを走っており、今大会の優勝候補に挙げられています。
開催地であるサウスポート出身であることも、当然ながら大きなアドバンテージでしょう。
知り尽くした地形と天候、そして地元の応援を力に、優勝を争うことができるでしょうか。
そんな注目選手と予選を一緒に回るのは、全米オープンの覇者ブルックス・ケプカと我らが松山英樹! 期待がペアリングに表れており、とても誇らしいですね。
●セルヒオ・ガルシア
悲願のメジャー制覇をマスターズで成し遂げたガルシアも、スペイン出身とあってヨーロッパでの十分な経験を持ち合わせています。
加えて全英オープンは2014年以降、2位タイ、6位タイ、5位タイと非常に相性が良い大会。
ここ1ヶ月、同郷のジョン・ラームやラファエル・カブレラ・ベロが活躍しているため、刺激を受けているに違いありません。
プライベートでは翌週に結婚式を控えており、最高の結果とともにその日を迎えることができるでしょうか。
●ジョーダン・スピース
先日出場したトラベラーズ選手権で完全優勝を果たしたスピースは、PGAツアー公式のパワーランク(優勝予想)で堂々の1位に挙げられています。
マスターズ、全米オープンに連勝し、圧倒的な強さを誇っていた2015年。セント・アンドリュースで開催された全英オープンは惜しくも4位となり、メジャー3連勝とはなりませんでした。
今季はパッティングの不調が続いていますが、持ち前の勝負強さで上位を争う姿を期待します。
●ブライソン・デシャンボー
先週行われたPGAツアー、ジョン・ディア・クラシックでの初優勝で、全英オープンの切符を手にしたデシャンボー。
勢いがあることはもちろん、かねてよりこの大会への出場を切望しており、心身ともに充実した状態で乗り込んでくることでしょう。
ウェッジを含めたアイアンのシャフトをすべて6番の長さに揃えるなど、独自の理論で戦う“科学者”が、どのように難コースに立ち向かうのか楽しみです。
●谷原秀人
今季欧州ツアーメンバーとして海外を転戦している谷原秀人は、40歳を目前にして自身のゴルフを進化させており、その努力は今季BMW PGA選手権の3位タイや、アイルランドオープンの10位タイといった素晴らしい結果となって表れています。
飛距離よりも正確性が重要となるロイヤル・バークデールは、彼と相性が良いのではないでしょうか。
現在世界ランク50位に位置していますが、さらに上を目指すためにも今大会での好成績を期待したいです。
以上、全英オープンの直前情報をお伝えしました。
注目選手では敢えて松山英樹を挙げませんでしたが、優勝候補であることはもはや言うまでもありません。
近年メジャー大会では初優勝者が次々と誕生しており、今季もマスターズのセルヒオ・ガルシア、全米オープンのブルックス・ケプカと、そのトレンドは続いています。
次こそ松山英樹の番となって欲しいという、今や夢ではない現実的な期待を抱きながら、全英ウィークを楽しみましょう!