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【見て楽しい、活かして上達!】ゴルフをより楽しむためのスタッツ解説

スタッツ(stats)とはstatisticsの略で、統計・成績という意味です。

正しく知ることで、トーナメント中継・観戦をより様々な視点で楽しめるようになります。

上手く使いこなすことができれば、自身の上達にも役に立つこと間違いなし。そんなスタッツについてご紹介します。

よく目にするスタッツとその定義

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まずは日本ツアーにおいて集計・公開されているスタッツから。意外と正しい定義が知られていなかったりします。

・ドライビングディスタンス
ティーショットの平均飛距離を表し、ランを含んだ距離で計測されます(フェアウェイ以外に止まった球も対象)。

18ホールのうち選ばれた2ホールで計測されますが、それらは風による影響を考慮し反対方向に向かって打つ2ホールとなることが一般的です。

・平均パット数
パーオンしたホールの総パット数÷総パーオンホール数、つまりパーオンしたホールのみが対象となります。

パーオンしなかった場合は、当然ながら寄せワンの確率が高くなりますからね。

グリーン外からのパターを使ったストロークやチップインは計測対象となりませんが、最初にグリーン上から打ったあとのストロークは、グリーンから出てしまったとしても全てパット数に加算されます。

・フェアウェイキープ率
パー3を除くホールで、ティーショットがフェアウェイを捉えた確率です。

この数字、「アマチュアのスコアには影響度が低い」という統計もあるそうです。

ファーストカットに残ったもの、林に入ったもの、OB…フェアウェイキープ率を算出するにあたっては全て同じ扱いですから、アベレージゴルファーは狭いフェアウェイだけでなく目標を広く取り、OBなどの致命的なミスを減らすことを第一に考えましょう。

・サンドセーブ率
グリーンサイドのバンカーから2打以内でカップインする確率、いわゆる「砂イチ」です。

男子トッププロは60パーセント前後を記録します。

この数字はパーで上がるかどうかは関係ありません。つまり砂イチボギーでもサンドセーブと扱います。

似たような指標で、パーオンしなかったホールにおいて、パーまたはバーディーで上がる確率「スクランブリング」があります。

PGAツアーではボールの状態(バンカー/フリンジ/その他ロケーション)や距離毎にスクランブリングが集計されており、より詳細なスタッツを確認できます。

・平均ストローク数
調整値加味総ストローク数÷総ラウンド数で求められます。

「調整値加味」とは、パー72以外のホールをパー72に換算する、ということ。

例えばパー70のコースで65を記録した場合、パー72換算の66.86で計算されることになりますね。

PGAツアーで用いられるストロークス・ゲインド

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ここまでに挙げたスタッツは、あくまでも選手ごとの平均値であり、出場する試合が異なれば単純な比較はできません。

PGAツアーのタフなコース、中でもメジャーなど難しいフィールドに出場する上位選手においては、平均パット数やフェアウェイキープ率が必ずしも高くないということが言えるでしょう。

そこでPGAツアーでは、2011年からストロークス・ゲインド(Strokes Gained、以下SG)の導入が進められました。直訳は「獲得した打数」です。

SGは同じコースにおける平均ストローク数と比較して算出されます。例えば平均ストローク数が72であるコースにおいて、68をマークした選手のSGは「+4」、逆に74の選手は「-2」となります。

SGは細分化され、以下のとおり各ホールのショット毎に集計されます。

①SG:オフ・ザ・ティ(SG:OFF-THE-TEE)
ティーショットを平均と比較した数字です。パー4とパー5で集計されます。

②SG:アプローチ・ザ・グリーン(SG:APPROACH-THE-GREEN)
30ヤード以上のアプローチショットを平均と比較した数字です。パー3ではティーショットもここに含まれますが、パー4とパー5では含まれません。

③SG:アラウンド・ザ・グリーン(SG:AROUND-THE-GREEN)
30ヤード以内のアプローチショットを平均と比較した数字です。グリーン上でのストロークは含まれません。

④SG:パッティング(SG:PUTTING)
グリーン上でのパッティングを平均と比較した数字です。

⑤SG:ティ・トゥ・グリーン(SG:TEE-TO-GREEN)
①~③の合計、つまりショットのスコアへの貢献度です。さらに④のパッティングを加えたものが、⑥SG:トータル(SG:TOTAL)となります。

SGは、各選手のどのストロークが優れているか(スコアを稼いでいるか)、劣っているか(スコアを失っているか)を、公平に比較することができるのです。

参考までに、松山英樹選手の今シーズンのSGを見てみましょう。(2017年5月8日時点、カッコ内はランキング)

①SG:オフ・ザ・ティ 0.719(8位)
②SG:アプローチ・ザ・グリーン 0.435(39位)
③SG:アラウンド・ザ・グリーン 0.431(13位)
④SG:パッティング -0.463(179位)
⑤SG:ティ・トゥ・グリーン 1.584(7位)
⑥SG:トータル 1.121(29位)

ご覧のとおり①~③の各ショットはどれも高いレベルを保っており、中でもティーショットの貢献度が素晴らしいです。

その結果⑤SG:ティ・トゥ・グリーンは7位となっており、グリーンに到達する時点で平均と比較して1.584打稼いでいるということですね。

一方パッティングが課題であることはSGからも明らかで、0.463打失っているという結果です。それでも今の成績を残していることが、彼の強さでもあるのですが…。

PGAツアーではこの他にも様々なスタッツが公開されており、「左右それぞれのラフに入る確率」、「ラフに入ったときのフェアウェイからの距離」、「グリーンオン時残り距離(ショット距離別)」、「1パット確率(距離別)」、「1パットや3パットが続いた数」など、日本ツアーではなかなか目にしないような数字が並んでいます。

こういった集計を可能にしているもの、それは画像の「ショットリンク」というシステムです。各ホールに専用の人員が配置され、全選手の全ストロークが計測されています。

SGのキモは「同じコースでの過去の記録と比較すること」ですので、ショットリンクで蓄積された膨大なデータが必要になります。今後日本ツアーでもこういった取り組みが進むことを密かに期待しています。

興味のある方はPGAツアー公式ページを覗いてみてください。各選手の意外な強み・弱みが発見できるかもしれません。

参考までに、松山英樹選手のスタッツはこちらから。

アマチュアもスタッツを活用しよう

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スタッツの活用について、PGAツアーでは日本の何倍も進んでいることが分かっていただけたかと思います。

ゴルフに限らず、アメリカでは昔からスポーツ統計学の研究が盛んで、データを戦略やトレーニングに活かすことが当たり前のように行われてきました(ブラット・ピット主演で映画化された「マネーボール」などが有名ですね)。

我々アマチュアも、できる範囲でデータを活用したいものです。

スタッツというと難しく聞こえますが、パット数なども立派なスタッツです。

スコアカードの使い方を工夫して、まずは自分のゴルフを記録するところから始めてはいかがでしょうか(スコアカードの活用方法は、他のライターさんが記事にされています!)。

また、今はスコア管理アプリが充実しているので、そういったものを活用するのもひとつです。

ゴルフネットワークが提供しているサービス「ゴルフネットワークプラス」では、アプリを通じて自身のスコアを記録することで「平均パット数」「フェアウェイキープ率」「左右ミス率」「パーオン・ボギーオン率」「パー3、4、5毎の平均ストローク」「リカバリー率」「サンドセーブ率」といったスタッツを確認することができます。

他にも、同一ゴルフ場における他のユーザーのスコアをホール毎に確認できるので、事前に難易度をチェックしたり、自身の成績と比較し振り返ることにも活用できますね。

みなさんも自分の強み・弱みを可視化し、スコアアップに役立ててみてはいかがでしょうか。


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