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「ゴルフ」と「ドラコン」の違いとは?ドラコンのルールを紹介!

ゴルフクラブを使って行う競技には、一般的な18ホールを回ってスコアを競う「ストロークプレー」の他に、ドライバーを振り回して飛距離を競う「ドラコン(ドライビングコンテスト)」があるのは結構知られております。

しかしなぜかドラコンは「飛ばしても意味がない」とかよく言われるんですよね。

今回はそんなドラコンについてもっと理解していただきたく書いていきたいと思います。

ここでは競技の区別のために、18ホール回ってスコアをつけるほうを「ゴルフ」、ドライバーの飛距離を競うほうを「ドラコン」と表現します。

そもそもドラコンって? 団体はあるの?

恐らくドラコンと聞いて普通にイメージできるとは思いますが、広いフィールドで48インチのドライバーをマン振りして一発の飛距離を争う競技がドラコンです。

もちろん日本ではこういう広大なフィールドはなかなかありませんので、一般的にはゴルフコースやドライビングレンジを利用しております。

ちなみに日本で有名な開催地には

静岡県:東名カントリークラブ
鹿児島県:三豊ゴルフクラブ
茨城県:ボボスカントリークラブ久慈川コース

などがあります。

次にドラコン団体ですが、日本だけでも実は数種類あるんです。

JPDA、JPLA、LDJ、LDAAなどネットで検索するといろいろと出てきます。

ドラコンにもルールがしっかり決まってる

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ゴルフには「こんな状況ではこういう対処」「道具はこういうもの」とルールがあるのはご存じだと思うのですが、ドラコンにもしっかりとしたルールが制定されております。

そのルールを一部紹介していきたいと思います。

使用クラブや小物について

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「ドラコン選手は特別な道具を使ってる」とたまに言われますが、実はゴルフと同じR&A、USGAルールで規定内の用具を使ってます。なので、もちろんSLE(Spring like effect=高反発)ルールにも準拠しています。

クラブヘッドやシャフトの長さ、使用ボールに至るまでR&A、USGAで規定されているものを使用しているのです。

なのでドラコン選手が使ってるクラブをそのままゴルフの競技会に使用しても問題ありません。

ちなみに自分が実際試合で使ってるドライバーを1本紹介すると

ヘッド:アクシスゴルフ Z460
シャフト:TRPX アフターバーナー 501 SR

いかがでしょう? これだけ見ると普通のクラブですよね。

自分はこのシャフトを48インチギリギリまで伸ばしてるだけなんです。

競技ルール

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当然ですが、ここがゴルフとは大きく違う部分でしょうか?

競技時間:制限時間は2分30秒(世界大会等では3分の場合もあり)
持ち球:6球(世界大会等では8球の場合もあり)
計測範囲:横幅はフェアウェイ内や規定幅、縦はオープン、レディース等試合形式によって異なりますが、最低距離○○ヤード以上と規定されています。

一発だけ飛ばせばいいんでしょ? そうでもないんです

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「ドラコンって1発とにかく遠くに飛ばせばいいんでしょ?」がほとんどの方のイメージかと思いますし、実際そうです。

しかし自分が所属しているJPDAは、【アキュラシードライブ】という非常に面白いルールを採用しています。

その内容は、持ち球6球中3球以上を規定範囲に入れた「平均飛距離」を競うというものです。

競技例を挙げてみます(規定範囲内に飛ばすことを「グリッドイン」と呼びます)。

選手A:400ヤード飛ばし1球グリッドイン
選手B:300ヤード飛ばし3球グリッドイン
選手C:350ヤード飛ばし2球グリッドイン

この結果だとすると

1位:選手B
2位:選手C
3位:選手A

となります。

一発だけどんなに飛ばしても、3球以上グリッドインさせた選手が上位になるのです。

もう一例出してみましょう。

選手A:300ヤード飛ばし3球グリッドイン(平均300ヤード)
選手B:350ヤード飛ばしたのが1球、270ヤード飛ばしたのが2球グリッドイン(平均296.7ヤード)

この結果の場合選手Aが上位になります。

JPDAは飛距離に加えて正確性も重視する団体なので、「正確に」「遠くに」「数多く」飛ばす必要があるのです。

さらに横幅が狭いんです!

先に書いたように基本的にはフェアウェイ内としている規定幅ですが、日本大会では30ヤードが規定幅なんです。

30ヤードってだけ聞いてもピンとこない方、大体25メートルプールと同じくらいです。
競技の難しさイメージできるでしょうか?

さらにさらに! 同じ6球でロングドライブという一般的なドラコンと同じく一発の飛距離を争う競技も同時に行っているので、選手は6球の中でアキュラシーを取りにいくか? ロングを取りにいくか? 最初何球か置きにいってその後飛ばすか? 等と6球の使い道にかなり頭を使います。

ドラコンって下に見られる? そもそも比べてはいけない

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これもたまに言われるのですが「あんなに飛ばしたって意味ない」とか「もうゴルフじゃない」って。

ここで自分の考えを述べたいと思います。

そもそも「ゴルフ」と「ドラコン」って別の競技なので比較する必要がないと思ってます。

自分はよくゴルフとドラコンを陸上競技に例えます。

ゴルフはドライバー、アイアン、パターと総合力が必要です。よってゴルフを陸上の十種競技等の混成種目に例えています。

対してドラコンは、飛距離を競うのでハンマー投げや砲丸投げみたいな投擲種目です。

例えば混成種目の選手が投擲種目の選手に対して「どんなに飛ばしても意味ないじゃん」と言っていたらどうでしょう?

「イヤイヤ、競技が違うからそんなこと言われても」となると思います。

ドラコンだってとても魅力的!

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プロゴルファーもドラコンプロも自分の得意とする部分を最大限発揮して競技に参加してます。

ゴルフにはゴルフの楽しさや魅力、ドラコンにはドラコンの楽しさや魅力があります。

競技中の盛り上がりや遠くまでボールが飛んでいく爽快感はドラコンならではものです。

ぜひドラコンの試合にも足を運んでいただきドラコンの魅力を知ってほしいと思います。