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zoro
このボールをどのようにカップインさせますか?ルールは身を助けます!
先日、 PGS(日本パブリックゴルフ協会)のミッドアマチュア選手権の予選に出場してきました!!
結果は残念ながら2ストローク及ばずの予選落ちでしたが、 12年のブランクを考えると上出来だったかもしれません。
最終ホールまで緊張感を持ってプレーできたことは、今後に期待できますし、自分自身のこれからが楽しみになりました!!
さて、そのラウンド中に起こったルールについてのお話をします。
ミッドアマチュア選手権に出場してくるプレーヤー達は それぞれゴルフ経験が豊富で一様に上手な選手が多いです。
今回の試合でご一緒した選手は3人。私を含めて登場人物をご紹介しておきますね!
Aさん 50歳 競技経験はあまりなく、この大会が競技会初参加とのことだが、プライベートなゴルフでは経験豊富なプレーヤー
Bさん 28歳 ゴルフを始めて3年ながら、他人の10年分は球を打ってきたと自負する伸び盛りのプレーヤー(Aさんのマーカー)
Cさん 37歳 自宅からのアクセスの良いコースをいくつか所有する、コースの競技会等にも積極的に参加する競技会馴れしたプレーヤー
私 かつては競技会にも積極的に参加していたが、体調をくずして12年間のブランクがある。クラブフィッティングを生業としていた時期もあり、多少はゴルフには詳しいと自負するプレーヤー
という4人でセルフプレーにて競技を進めていました。
目次
ここで止まるなら 入ってくれたらいいのに! しかし、これもワンストローク!
出来事とはこんなことです。
前半の数ホールを消化した頃、カップの近くに止まったボールを、Aさんが一般的なアドレスをせずに、カップの向こう側のボールをボールとカップの延長線上を踏みながら、掻き込む格好でタップインしました(ボールを引きずってはいない)。
数ホール進み、同様なことをAさんが再び行った時に、Bさんが「自分自身のパッティングライン上を踏みながらのストロークなので、ペナルティではないか」という指摘をしました。
指摘する前にCさんには話をしていたようで、同伴競技者に確認した上でのことです。
Aさんはこのルールを知らなかったので、アテストの際に競技委員に聞いた上で判断するということになったのです。
私の意見として、「非常にグレーな部分のルールだが、プレーヤーが自分自身のライン上にはいなかったと判断すればペナルティはないが、避けるべき行為だと思う」と助言しました。
私は、自分自身のラインを踏んでストロークをしてはならないというルールは知っていましたが、やったやらないの話になると思っていたので、プレーヤーの判断が重要としたのです。
ただ、明確にプレーヤー自身が踏んだと自覚しているなら、ペナルティかな? とも思っていました。
結局、競技委員と話した結果、ラインを踏んだことはうやむやなまま、掻き込むようなストロークで、ボールを引きずったかどうかという少々論点のずれた話になってしまい、 曖昧な判断で無罰とされましたが、競技者である我々はモヤモヤしたまま競技を終えたのです。
サム・スニードという伝説のプレーヤー 【サイドサドルスタイル】
マスターズでのタイガー・ウッズの米ツアー80勝は記憶に新しいですが、米ツアーの歴代最高勝利数を記録しているのがサム・スニードです。
1912年生まれですから まさに伝説のプレーヤーという感じですね! 彼が編み出したパッティングスタイルが【サイドサドルスタイル】というパッティングスタイルです。
カップを正面に見て構える、上の写真のスタイルです。しかし、元々はラインを跨いで振り子のようにストロークするスタイルでした。
このスタイルは、ライン上に目標物を配置したストロークとの理由(諸説あり)で『禁止』となりましたが、その後、上の写真のようなスタイルに改良されました。
サム・スニードがきっかけでパッティングライン上を跨いだり踏んだりすることが禁止事項となったのです。
先日の競技会での出来事は、このパッティングラインを跨いだり踏む行為にあたり、禁止ということになっています。
ゴルフ規則 10.1c プレーの線を跨いだり、踏みながらストロークを行うこと
ゴルフ規則10.1cには
プレーヤーは、故意に足をプレーの線(または球の後方延長線上)の両側に置いたスタンス、またはいずれかの足でプレーの線(または球の後方延長線上)に触れたスタンスでストロークを行ってはならない。
この規則に関してのみ、プレーの線にはその両側の合理的な幅を含まない。
http://www.jga.or.jp/jga/html/rules/image/Rules_2019.pdf
と記述されています。
しかしこれには例外があります。
例外-偶然にそうしたスタンスをとった場合や、別のプレーヤーのプレーの線を避けるためであった場合、罰はない。
ということで、私の参加したミッドアマチュア選手権でAさんのしたパッティングは、不注意によるものとされ無罰ということになります。
初めての競技会で緊張感もあったでしょうし、日頃のプレースタイルがそのまま出てしまった結果ともいえるでしょう。
また、この指摘には素直に従う姿勢で競技委員の判定を聞いていました。
一方、これを指摘したBさんは決して間違った指摘をしたわけではありません。基本的にはルール違反なのですから当然の指摘といえます。
しかも前年の同選手権でBさんは同様の指摘を受け、ペナルティを受けていたようで、この行為に敏感になるのも無理はありません。
昨年の段階で知っていればペナルティを取られることはなかったということになります。
※ちなみに昨年までは、ゴルフ規則16「パッティング グリーン」にこの記述がありましたが、2019年より、グリーン内外を問わずゴルフ規則10.1cに集約されました。
ルールを知っているということは、自らを助けてくれる!
今回の出来事で、私自身も勉強になりましたが、当事者であるAさんBさんにはLINE交換をしていたので、早速お知らせしました。
お二人とも さすがシングルプレーヤー! 気持ちよくこのことを受け入れて下さり、モヤモヤがなくなったと、返事をくださいました。
Bさんは、昨年の段階で知っていればペナルティを取られることがなかったでしょうし、何より、知っていれば、疑わしい行為だから避けるべき行為と認識していたでしょう。
昨年の全米オープンで動いているボールをパッティングしたフィル・ミケルソンは、ルールを知っているが故の行為をしましたが、後に反省の弁を述べています。
プレーヤーは 自分自身を守るためのもの、 助けてくれるもの、 そしてゴルフに真摯に向き合うための[ルール]をしっかりと学ぶ必要があると、改めて感じさせられる出来事でしたので皆さんにお伝えいたしました。
元クラブフィッターのzoroでした。