ゴルフコース・練習場
Gridge編集部
太平洋クラブ御殿場コース、美しく世界基準へと生まれ変わりました!
ごきげんよう、Gridge編集部のヒッティです。
三井住友VISA太平洋マスターズの舞台となっている、太平洋クラブ御殿場コース。
ゴルフ場設計で世界的に有名なリース・ジョーンズ氏と、世界レベルのトーナメントコースを知り尽くす松山英樹プロが手を組み、国際水準のトーナメントコースに生まれ変わりました。
↓ビフォー・アフターを見たい! ということで回ってきたビフォーでは太平洋クラブについてや、トーナメントコースについて書いています。
全体的に変わったことは…
もともとの設計は、全国で70コース以上の設計を手がけた加藤俊輔氏です。彼のコースの特徴は、戦略性が高く、トーナメントコースにも対応する造りであること。
アマチュア目線では、昨年まででも十分に素晴らしいコースでしたが、改修で何が変わったのでしょう?
この度改修の指揮を取ったリース・ジョーンズ氏も、その完成度の高さを評価していました。
自然やルーティングなど、その原設計を活かしつつ、現代風にデザインやサイズを少し調整しただけというジョーンズ氏。
プレーヤーや試合を観戦に来るギャラリーが富士山の景観をより楽しめるように、木を伐採したりティーグラウンドを拡張したりという工夫も施されました。
ジョーンズ氏の言葉通り、改修後のコースをプレーさせていただいて気づいたのは、グリーン周りの難易度が上がったことでした。
グリーン自体の改修は大きな変化を感じませんでしたが、グリーン周りの窪地は深く、ピンを狙ってミスをすると大ケガをしてしまいます。
マイナーチェンジのようですが、地面を掘って高低差を付けることはとても大変なことです……。
ゴルフコースの設計は、ルーティングといって18ホールの流れを大事にします。
特に「国際水準のトーナメントを開催するレベル」という目的が明確な今回の改修では、難易度の高いホールと、バーディーを狙いに行きたいホールのメリハリがついている印象です。
例えば、1番ホールから難しいとスタートが遅くなるので、打ち下ろしドッグレッグを安全に行くかアグレッシブに攻めるか選択でき、気持ちよくスムーズにスタートできるようになっています。
その代わり、2番は拡張された左の池がチャレンジングなホールとなっています。
また、上がり3ホールは16番でスコアを伸ばし、17番は難易度を上げてどうにか乗り切れるホールで、18番はパー5で逆転も狙えるエキサイティングなホールという狙いになっています。
男子プロが直面する、260ヤード地点のハザード
もうひとつ戦略性が高まった理由は、トーナメントティーから約260ヤードの付近に設計されたバンカーや狭いフェアウェー。
フェアウェーの幅を変えるのも実は大変な作業。
ラフとフェアウェーの芝は種類が違うので、単純に短く刈る、少し長くするという話ではありません。
芝生の張り替えをしてキレイなコンディションに仕上げるために、とても手間ヒマかかっているんですね。
2018年の三井住友VISA太平洋マスターズでは、首位を走っていた秋吉翔太プロが、まさに17番のパー3でボギーをたたき、18番OBのダブルボギーであえなく逆転負けを喫するというドラマがありました。
逆転勝利を収めたのは、34歳にして初優勝の額賀辰徳プロ。
勝利までなかなか長い道のりでしたが、飛距離が武器の選手だったので、新しく世界基準のコースも彼に味方したのかもしれません。
なぜなら今回の太平洋クラブ御殿場コース、通常営業ではパー72ですが、トーナメント仕様では6番と11番が500ヤード超えの長いパー4になり、全長7262ヤードのパー70になっているのです。
もちろんそれに加えて、各ホールのハザードや形状の難しさが上がっているので、攻略に知力と実力が試されるコースとなりました。
↓額賀プロの経歴やスイングについてはこちらの記事をどうぞ!
アマチュアでも楽しめる、新設の親切ティーも
トーナメント仕様が難しく、メリハリのついたコースになった一方で、アマチュアメンバーには難しすぎて面白くない…となっては本末転倒。
レギュラーティー、フロントティーの間に「ミドルティー」というものが新設されて、アマチュアが楽しんでプレーするための選択の幅が広がりました。
全長ヤーデージは以下の通り。
トーナメント:7327ヤード
バック:6902ヤード
レギュラー:6539ヤード
ミドル:6194ヤード
フロント:5794ヤード
レディース:5305ヤード
ちなみにドライバー平均飛距離が200ヤード強のヒッティは、ミドルティーがちょうどいい長さです。
みなさんもプレーする好機に恵まれたら、自分の飛距離に合うティーから、プロの気持ちを味わってラウンドしてみてくださいね!
リース・ジョーンズ氏とは
リース・ジョーンズは、父に有名なゴルフコースの設計家のロバート・トレント・ジョーンズSr.を持つ、ゴルフ設計家の家庭に生まれました。若い頃からゴルフプレーを学び、ジュニアゴルファーとして競技に出場。エール大学とハーバード大学で学んだ後、父の設計会社のもとで多くの実践経験を積み独立。1974年に故郷のニュージャージー州、モントクレアに本社を置く、ゴルフ場デザイン会社「リース・ジョーンズInc」を設立しました。1988年の全米オープン開催に先立ち、マサチューセッツのザ・カントリークラブを改造して注目され、以来、全米オープンのみならず、全米プロ、ライダーカップ、ウォーカーカップ、プレジデンツカップ開催のコース改造を手がけてきたことで“オープン・ドクター(the Open Doctor)”と称されています。
http://www.taiheiyoclub.co.jp/news/release_20171108.pdf